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公開番号2024106011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-07
出願番号2023010047
出願日2023-01-26
発明の名称水電解システム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類C25B 9/00 20210101AFI20240731BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電解質膜に破損の前兆となる異常が発生した場合にその異常を早期に検出できる水電解システムを提供する。
【解決手段】水電解システムは、水の電気分解により酸素及び水素を生成する水電解部と、水電解部に供給される供給水の水圧を変動可能な水圧変動部と、供給水の水圧を測定する圧力測定部と、水電解部の電圧を測定する電圧測定部と、供給水の水圧の変動に応じて変動する水電解部の電圧を用いて、水電解システムの異常の有無を判定する判定部と、を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
水電解システムであって、
水の電気分解により酸素及び水素を生成する水電解部と、
前記水電解部に供給される供給水の水圧を変動可能な水圧変動部と、
前記供給水の水圧を測定する圧力測定部と、
前記水電解部の電圧を測定する電圧測定部と、
前記供給水の水圧の変動に応じて変動する前記水電解部の電圧を用いて、前記水電解システムの異常の有無を判定する判定部と、を備える、水電解システム。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水電解システムであって、
前記判定部は、前記供給水の水圧の周期的な変動に応じて変動する前記水電解部の各周期の電圧に含まれる最大電圧と最小電圧との差分値において、予め設定された上限値よりも大きい前記差分値が存在する場合、前記水電解システムに異常がある旨の出力を行う、水電解システム。
【請求項3】
請求項2に記載の水電解システムであって、
前記判定部は、予め設定された下限値よりも小さい前記差分値が存在する場合、前記水電解システムに異常がある旨の出力を行う、水電解システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水電解システムであって、
前記判定部は、前記供給水の水圧の周期的な変動に応じて変動する前記水電解部の各周期の電圧のうち1周期分の電圧である周期電圧と、1周期の間に変動する前記水電解部の電圧の基準として予め設定された基準周期電圧と、の差分の絶対値において、予め設定された閾値よりも大きい前記絶対値が存在する場合、前記水電解システムに異常がある旨の出力を行う、水電解システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、水の電気分解(電解)により酸素および水素を生成する水電解システムが知られている。特許文献1には、電解質膜に破損等の事故が発生している可能性があるとみなされる場合に、水素取出しラインおよび酸素取出しラインに設けられた調整弁を閉鎖することによって安全性の向上を図っている固体高分子型水電解装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-121146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解質膜の劣化は比較的長い時間をかけて少しずつ進行するが、電解質膜の破損は比較的短い時間の間に急速に進行するため、破損の前兆となる異常が認識されることなく破損が発生してから認識される可能性が高い。このため、電解質膜が破損するのを未然に防止するために、その破損の前兆となる異常を早期に検出できる技術が要望されていた。なお、特許文献1の固体高分子型水電解装置では、電解質膜の破損の前兆となる異常を早期に検出することについては何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、電解質膜に破損の前兆となる異常が発生した場合にその異常を早期に検出できる水電解システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、水電解システムが提供される。この水電解システムは、水の電気分解により酸素及び水素を生成する水電解部と、前記水電解部に供給される供給水の水圧を変動可能な水圧変動部と、前記供給水の水圧を測定する圧力測定部と、前記水電解部の電圧を測定する電圧測定部と、前記供給水の水圧の変動に応じて変動する前記水電解部の電圧を用いて、前記水電解システムの異常の有無を判定する判定部と、を備える。
【0008】
供給水の水圧の変動に応じた水電解部の電圧の変動は、電解質膜に破損の前兆となる異常が生じている場合には、通常とは異なる挙動を示す。この水電解部の電圧の変動を引き起こす供給水の水圧の変動は、供給水が水電解部に供給されているときであれば、任意のタイミング且つ短時間で実施させることができる。このため、この構成によれば、変動する水電解部の電圧を指標として、水電解システムにおける異常の有無の判定を実施することから、その判定を高頻度で実行することができる。したがって、電解質膜に破損の前兆となる異常が発生した場合にその異常を早期に検出できることから、電解質膜が破損するのを未然に防止することができる。
【0009】
(2)上記形態の水電解システムにおいて、前記判定部は、前記供給水の水圧の周期的な変動に応じて変動する前記水電解部の各周期の電圧に含まれる最大電圧と最小電圧との差分値において、予め設定された上限値よりも大きい前記差分値が存在する場合、前記水電解システムに異常がある旨の出力を行ってもよい。
この構成によれば、水電解部の電圧変動における差分値と予め設定された上限値との比較によって、水電解システムにおける異常の有無が判定される。上限値よりも大きい差分値が存在する場合、その原因となった異常は電解質膜の破損の前兆となる異常である可能性が高いことから、この構成によれば、そのような異常を早期に検出することによって、電解質膜が破損するのを未然に防止することができる。
【0010】
(3)上記形態の水電解システムにおいて、前記判定部は、予め設定された下限値よりも小さい前記差分値が存在する場合、前記水電解システムに異常がある旨の出力を行ってもよい。
この構成によれば、水電解部の電圧変動における差分値と予め設定された下限値との比較によって、水電解システムにおける異常の有無が判定される。下限値よりも小さい差分値が存在する場合、その原因となった異常は水圧変動部における異常である可能性が高いことから、この構成によれば、電解質膜の破損の前兆となる異常の検出に加えて、水圧変動部における異常も検出することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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