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公開番号2025058488
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168454
出願日2023-09-28
発明の名称金属マグネシウムの製造方法
出願人東邦チタニウム株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C25C 7/06 20060101AFI20250402BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】溶融塩電解を比較的低い槽電圧で行うことができる金属マグネシウムの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融塩電解装置の電解槽内で溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解して金属マグネシウムを生成する電解工程を含む金属マグネシウムの製造方法であって、溶融塩浴は、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びフッ化カルシウムを合計95質量%以上含むものであって、塩化ナトリウムの含有量が51質量%以上かつ56質量%以下、フッ化カルシウムの含有量が3質量%以下であり、電解工程では、1ヶ月間に溶融塩浴1トンあたり塩化ナトリウムを1kg以上かつ5kg以下の範囲内の割合で供給して、溶融塩浴の塩化カルシウムに対する塩化ナトリウムの質量基準の比率(NaCl/CaCl2比)が1.8以上かつ2.2以下を維持する、ことを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶融塩電解装置の電解槽内で溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解して金属マグネシウムを生成する電解工程を含む金属マグネシウムの製造方法であって、
前記溶融塩浴は、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びフッ化カルシウムを合計95質量%以上含むものであって、前記塩化ナトリウムの含有量が51質量%以上かつ56質量%以下、前記フッ化カルシウムの含有量が3質量%以下であり、
前記電解工程は、1ヶ月間に溶融塩浴1トンあたり塩化ナトリウムを1kg以上かつ5kg以下の範囲内の割合で供給して、前記溶融塩浴の塩化カルシウムに対する塩化ナトリウムの質量基準の比率(NaCl/CaCl
2
比)が1.8以上かつ2.2以下を維持することを含む、金属マグネシウムの製造方法。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
前記溶融塩浴中の前記塩化マグネシウムの含有量が、15質量%以上かつ23質量%以下である、請求項1に記載の金属マグネシウムの製造方法。
【請求項3】
前記電解工程では、固体の塩化ナトリウムを供給する、請求項1又は2に記載の金属マグネシウムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属マグネシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
金属チタンの鋳塊等は、工業的にはクロール法を基盤とした方法によって製造されたスポンジチタンを使用して製造されている。このクロール法を含むスポンジチタン製造プロセスは、塩化工程、還元工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別しうる。これらの工程のうち、還元工程では、四塩化チタンを金属マグネシウムで還元することにより、スポンジチタン塊が得られる。電解工程は、還元工程の副生成物である塩化マグネシウムを溶融塩電解して、金属マグネシウムを得る工程である。電解工程の溶融塩電解に関する技術としては、例えば特許文献1に記載されたもの等がある。
【0003】
電解工程に用いられることがあるバイポーラ型の溶融塩電解装置では、製造効率の観点から、電解槽内の溶融塩浴中に陽極、複極及び陰極をこの順に配置させることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4-214889号公報
【非特許文献】
【0005】
I. Karakaya and W. T. Thompson,“A THERMODYNAMIC STUDY OF THE SYSTEM MgCl2-NaCl-CaCl2”, Canadian Metallurgical Quarterly., 1986, Vol.25, No.4, p.307-317
T. Matsushima, 他2名,“Density and Electrical Conductivity of Fused Magnesium Electrolyte,(I) Typical Magnesium Electrolyte with Additives of NaCl, KCl, and CaCl2”, Transactions of the Japan Institute of Metals, 1967, Vol.8, p.45-49
GOKHAN DEMIRCI,“ELECTROLYTIC MAGNESIUM PRODUCTION USING COAXIAL ELECTRODES”, A THESIS SUBMITTED TO THE GRADUATE SCHOOL OF NATURAL AND APPLIED SCIENCES OF MIDDLE EAST TECHNICAL UNIVERSITY
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、溶融塩電解においては、電解槽に、塩化マグネシウムの分解電圧に相当する電圧を印加すれば、塩化マグネシウムが分解して金属マグネシウムが生成されるとも思われる。
【0007】
しかしながら、通常は、溶融塩電解において電解槽に、槽電圧として、分解電圧よりも高い電圧を印加する。この理由としては、槽電圧は、分解電圧の他、活性化過電圧や、塩化マグネシウム以外に支持塩を含む溶融塩浴の浴抵抗、電極抵抗等が影響するためである。電力は電流に電圧を乗じたもの(電流×電圧)であるから、溶融塩電解での槽電圧を低く抑えることができれば、省電力で金属マグネシウムを製造できる。
【0008】
そこで、本発明は一実施形態において、溶融塩電解を比較的低い槽電圧で行うことができる金属マグネシウムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討した結果、金属マグネシウムの製造方法において溶融塩浴が所望の組成である場合、該溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解して金属マグネシウムを生成する電解工程は、1ヶ月間に溶融塩浴1トンあたり塩化ナトリウムを1kg以上かつ5kg以下の範囲内の割合で供給して、該溶融塩浴の塩化カルシウムに対する塩化ナトリウムの質量基準の比率(NaCl/CaCl
2
比)が1.8以上かつ2.2以下を維持することを含むことにより、溶融塩電解を比較的低い槽電圧で行うことができることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
[1]
溶融塩電解装置の電解槽内で溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解して金属マグネシウムを生成する電解工程を含む金属マグネシウムの製造方法であって、
前記溶融塩浴は、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びフッ化カルシウムを合計95質量%以上含むものであって、前記塩化ナトリウムの含有量が51質量%以上かつ56質量%以下、前記フッ化カルシウムの含有量が3質量%以下であり、
前記電解工程は、1ヶ月間に溶融塩浴1トンあたり塩化ナトリウムを1kg以上かつ5kg以下の範囲内の割合で供給して、前記溶融塩浴の塩化カルシウムに対する塩化ナトリウムの質量基準の比率(NaCl/CaCl
2
比)が1.8以上かつ2.2以下を維持することを含む、金属マグネシウムの製造方法。
[2]
前記溶融塩浴中の前記塩化マグネシウムの含有量が、15質量%以上かつ23質量%以下である、[1]の金属マグネシウムの製造方法。
[3]
前記電解工程では、固体の塩化ナトリウムを供給する、[1]又は[2]の金属マグネシウムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、溶融塩電解を比較的低い槽電圧で行うことができる金属マグネシウムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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