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公開番号2025068251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-28
出願番号2023178023
出願日2023-10-16
発明の名称水電解システム及び水電解制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類C25B 9/00 20210101AFI20250421BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】水電解スタック内部の温度分布を把握し、高温による水電解スタックの劣化を抑制できる水電解システムを提供する。
【解決手段】水電解システム1は、複数の水電解セルから構成される水電解スタック10に異なる複数の水流量が供給される場合、複数の水流量のそれぞれに対応する、水電解スタック10の内部の温度分布に関係する特性値を計測するためのデータである特性計測データを用いて、水電解スタック10の内部の温度分布を推定する温度分布推定部52と、温度分布推定部52により推定された水電解スタックの内部の温度分布に基づいて、水電解スタックの運転条件を策定する運転条件策定部53と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の水電解セルから構成される水電解スタックに異なる複数の水流量が供給される場合、複数の前記水流量のそれぞれに対応する、前記水電解スタックの内部の温度分布に関係する特性値を計測するためのデータである特性計測データを用いて、前記水電解スタックの内部の温度分布を推定する温度分布推定部と、
前記温度分布推定部により推定された前記水電解スタックの内部の温度分布に基づいて、前記水電解スタックの運転条件を策定する運転条件策定部と、を備える
水電解システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記特性値は、前記水電解スタックの電流変化に対する電圧の過渡応答の時定数分布の不均一性を評価する指数である
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項3】
前記温度分布推定部は、前記電圧の前記過渡応答のフィッティング関数を解析することで、前記過渡応答の平均時定数及び前記指数を算出し、前記水電解スタックに無限大の水流量が供給される場合の前記特性値を特定し、異なる複数の水流量が供給される場合のそれぞれの前記水流量に対応する前記特性値、特定された無限大の水流量が供給される場合の前記特性値、及び、予め測定された前記特性値と前記温度分布との対応関係に基づいて、前記温度分布を推定する
請求項2に記載の水電解システム。
【請求項4】
前記温度分布推定部は、前記水電解スタックと同じ構成を有する他の水電解スタックにおいて予め取得された、前記特性値、及び、前記特性値と前記温度分布との対応関係に基づいて、前記温度分布を推定する
請求項3に記載の水電解システム。
【請求項5】
前記温度分布推定部は、前記他の水電解スタックにおいて予め取得された、前記他の水電解スタックの内部の、所定の期間にわたる温度分布の分布関数を用いて、前記他の水電解スタックの前記特性値と前記温度分布との対応関係を解析し、前記温度分布を推定する
請求項4に記載の水電解システム。
【請求項6】
前記温度分布推定部は、前記平均時定数に基づいて、前記水電解セルの部材温度である代表温度を推定し、推定された前記代表温度と前記温度分布とから、前記水電解スタックの内部の最高温度を推定する
請求項3に記載の水電解システム。
【請求項7】
前記水電解スタックの電流変化は、ステップ状の電流変化である
請求項2に記載の水電解システム。
【請求項8】
前記水電解セルの劣化速度と前記運転条件との関係である劣化特性、及び、前記温度分布に基づいて、前記水電解セルの将来劣化を予測する劣化予測部を備え、
前記運転条件策定部は、前記劣化予測部が予測した前記水電解セルの将来劣化を抑制するように、前記水電解スタックの前記運転条件を策定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項9】
前記劣化予測部は、前記温度分布から複数の代表点を選出し、複数の前記代表点のそれぞれに対して、前記水電解セルの劣化速度と前記運転条件との関係を試算し、複数の前記代表点のそれぞれにおける前記水電解セルの将来劣化を予測し、
前記運転条件策定部は、複数の前記代表点のそれぞれにおいて予測された前記水電解セルの将来劣化を抑制するように、前記水電解スタックの前記運転条件を策定する
請求項8に記載の水電解システム。
【請求項10】
前記水電解スタックは、直列に接続される複数の水電解スタックであり、複数の前記水電解スタックが複数のブロックに分けられ、各ブロックは、所定数の前記水電解スタックを含み、
前記温度分布推定部は、前記ブロックごとに前記温度分布を推定し、
前記運転条件策定部は、前記ブロックごとの前記温度分布に基づいて、前記ブロックごとの運転条件を策定する
請求項1に記載の水電解システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解システム及び水電解制御方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、水素は、次世代エネルギーとして注目されており、再生可能エネルギー等の二酸化炭素(CO2)フリーな電気と組み合わせることで、クリーンなエネルギーとしての活用が期待されている。このため、水素社会の早期実現に向け、大規模な水電解水素製造システムの需要が高まっている。水電解水素製造システムは、再生可能な電力を利用することにより、水を酸素と水素とに分解して水素を製造する際に、CO2を排出せず、グリーン水素を製造することができる。
【0003】
また、水電解による水素製造技術の開発の推進に伴い、水素製造コストの低減も求められている。水素製造コストを低減するには、水電解システムの水電解スタックの劣化を抑制し、長寿命に運用する必要がある。水電解スタックの劣化現象としては、例えば、水電解スタックを構成する複数の水電解セルの抵抗成分が、時間とともに増加する現象が知られている。水電解スタックの劣化要因として、例えば、固体高分子型の水電解スタックにおける、高温による電解質膜や触媒などの部材劣化、アルカリ型の水電解スタックにおける隔膜や触媒などの部材劣化等がある。水電解スタックの劣化を抑制するには、水電解スタックの内部温度を管理し、高温による部材劣化を防止して運転制御を行うことが必要である。そこで、高温による水電解スタックの劣化を抑制する技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の技術が開示されている。
【0004】
特許文献1には、「第1の収容部内の圧力を調整する圧力調整部と、第1の収容部内の温度を検知する温度検知部と、温度検知部の検知信号に基づいて圧力調整部を制御する制御部と、を具備する」と記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、「第1温度測定部は、第1アノード口部の内部に設けられ、第2温度測定部は、第2アノード口部の内部に設けられる。第1温度測定部および第2温度測定部による温度測定結果は、制御部に入力される。制御部は、第1温度測定部および第2温度測定部から入力される測定結果を用いて、条件の切替を行う。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-25292号公報
特開2022-139785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水電解システムの大型化に伴い、水電解スタック内に含まれる水電解セル数の増加傾向、及び、各水電解セルにおける電極面積の大面積化の傾向がある。水電解セル数の増加に伴い、特許文献1に記載されたような、各水電解セルの温度を検知して圧力調整を制御する技術は、コスト及び制御処理負荷の増加問題がある。また、水電解スタック内部の高温部の温度は、水電解セルの積層方向及び電解質膜の面内において分布を有し、水温計の計測値より高い。それゆえ、特許文献2に記載されたような、水電解スタックの入口及び出口での供給水の水温計測値を用いて運転条件の制御を行う技術は、水電解スタック内部の高温部の温度分布を把握できないため、高温部の部品劣化を抑制する効果が低い問題がある。同様に、特許文献1に記載の技術も、水電解スタック内部の高温部の温度分布を把握できない問題がある。
【0008】
その結果、水電解スタックの内部に、劣化の進行が速い高温部が存在することに気づかずに、水電解システムの稼働を続けることで、水電解スタックの劣化が加速される懸念がある。また、水電解スタック内部の高温部の発生を避けようとして、水電解スタックに対して過剰量の冷却水を供給することにより、水電解システムの運用コストが増加する懸念もある。
【0009】
本発明は、上記状況を鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、水電解スタック内部の温度分布を把握し、高温による水電解スタックの劣化を抑制できる水電解システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の水電解システムは、複数の水電解セルから構成される水電解スタックに異なる複数の水流量が供給される場合、複数の水流量のそれぞれに対応する、水電解スタックの内部の温度分布に関係する特性値を計測するためのデータである特性計測データを用いて、水電解スタックの内部の温度分布を推定する温度分布推定部と、温度分布推定部により推定された水電解スタックの内部の温度分布に基づいて、水電解スタックの運転条件を策定する運転条件策定部と、を備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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