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公開番号2025099912
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216906
出願日2023-12-22
発明の名称振動解析装置および振動解析方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類G01M 7/02 20060101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約【課題】振動解析の対象物にかかる荷重が直接測定できない場合であっても、精度よく推定する。
【解決手段】構造体が締結部で結合された構造物の振動解析装置であって、加振力又は加振モーメント(加振力等)を発生させる加振力印加部と、加振力等を計測する力計測部と、加振力等が印加された締結部の中心荷重を推定する締結部荷重推定部と、構造物の振動特性を解析する構造物解析部と、を有し、締結部荷重推定部は、力計測部の端部が定盤に固定され、第1振動計測部が加振力印加部に設置される第1計測状態での力計測部及び第1振動計測部の計測結果を用いて、加振力印加部及び力計測部の振動解析を行い、加振力等に対する締結部の中心荷重の応答倍率を求め、構造物解析部は、力計測部の端部が締結部に固定され、第2振動計測部が構造物に設置された第2計測状態での力計測部及び第2振動計測部の計測結果と応答倍率とを用いて、構造物の振動特性を解析する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
構造体が締結部により互いに結合された構造物の振動解析を行う振動解析装置であって、
加振力、又は前記加振力のモーメントである加振モーメントを発生させる加振力印加部と、
前記加振力印加部に設置され、前記加振力または前記加振モーメントを計測する力計測部と、
前記加振力印加部により前記加振力または前記加振モーメントが前記締結部に印加された際の前記締結部の中心にかかる荷重を推定する締結部荷重推定部と、
前記構造物の振動特性を解析する構造物解析部と、を有し、
前記締結部荷重推定部は、前記力計測部の端部が定盤に固定され、前記加振力印加部の振動を計測する第1振動計測部が前記加振力印加部に設置される第1計測状態における前記力計測部及び前記第1振動計測部の計測結果を用いて、前記加振力印加部及び前記力計測部に関する振動解析を行い、前記加振力印加部が発生させる前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率を求め、
前記構造物解析部は、前記力計測部の端部が前記締結部に固定され、前記構造物の振動を計測する第2振動計測部が前記構造物に設置された第2計測状態における前記力計測部及び前記第2振動計測部の計測結果と前記応答倍率とを用いて、前記構造物の振動特性を解析する
ことを特徴とする振動解析装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の振動解析装置であって、
前記締結部荷重推定部は、前記第1計測状態における前記力計測部及び前記第1振動計測部の計測結果に基づき、前記加振力印加部及び前記力計測部のモード減衰比を算出し、前記第1計測状態にある前記加振力印加部及び前記力計測部を表すモデルに対して前記モード減衰比を設定して前記振動解析のシミュレーションを行うことで、前記第1計測状態における前記力計測部の端部にかかる荷重を算出し、前記力計測部の計測結果に対する前記力計測部の端部にかかる荷重の応答倍率を、前記加振力印加部が発生させる前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率として算出する
ことを特徴とする振動解析装置。
【請求項3】
構造体が締結部により互いに結合された構造物の振動解析を行う振動解析方法であって、
加振力印加部に設置された力計測部の端部が定盤に固定された第1計測状態において、前記加振力印加部により、加振力、又は前記加振力のモーメントである加振モーメントを発生させる第1加振力印加ステップと、
前記第1加振力印加ステップにおいて発生させた前記加振力または前記加振モーメントを計測する第1力計測ステップと、
前記加振力印加部の振動を計測する第1振動計測ステップと、
前記第1力計測ステップ及び前記第1振動計測ステップにおける計測結果を用いて、前記加振力印加部及び前記力計測部に関する振動解析を行い、前記加振力または前記加振モーメントが前記締結部に印加された際の前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率を求める締結部荷重推定ステップと、
前記力計測部の端部が前記締結部に固定された第2計測状態において、前記加振力印加部により、前記加振力または前記加振モーメントを発生させる第2加振力印加ステップと、
前記第2加振力印加ステップにおいて発生させた前記加振力または前記加振モーメントを計測する第2力計測ステップと、
前記構造物の振動を計測する第2振動計測ステップと、
前記第2力計測ステップ及び前記第2振動計測ステップの計測結果と前記応答倍率とを用いて、前記構造物の振動特性を解析する構造物解析ステップと、を有する
ことを特徴とする振動解析方法。
【請求項4】
請求項3に記載の振動解析方法であって、
前記締結部荷重推定ステップでは、前記第1力計測ステップ及び前記第1振動計測ステップの計測結果に基づき、前記加振力印加部及び前記力計測部のモード減衰比を算出し、前記第1計測状態にある前記加振力印加部及び前記力計測部を表すモデルに対して前記モード減衰比を設定して前記振動解析のシミュレーションを行うことで前記力計測部の端部にかかる荷重を算出し、前記第1力計測ステップの計測結果に対する前記力計測部の端部にかかる荷重の応答倍率を、前記加振力印加部が発生させる前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率として算出する
ことを特徴とする振動解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、振動解析装置および振動解析方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
加振装置により加振させた振動解析の対象物について、伝達関数を算出することで対象物の振動特性を把握する技術が知られている。このような技術として、例えば、特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1では、段落0018及び図2に「ベアリングハウジング17の上部側には径外方向に突出する鍔部18が形成されており、この鍔部18とスピンドルベース16の上部との間には、タイヤTの特性を測定する測定装置20が設けられている。」と記載されており、段落0020に「スピンドル軸3の上部側、即ち、リムを装着したスピンドル軸3の端部側には、前記磁気軸受23に対するスピンドル軸3の位置を可変することでスピンドル軸3を強制的に加振する加振装置50が設けられている。」と記載されている。
【0004】
そして、特許文献1では、段落0026に「信号発信器42によって所定の周波数の出力信号S1を発生させ、スピンドル軸3を所定の周波数で加振させる。そして、スピンドル軸3がラジアル方向に振動している状態でのタイヤTのラジアル荷重を測定装置20により測定する。スピンドル軸3が振動している状態での測定装置20で測定した測定値を応答値とする。また、スピンドル軸3に与えた加振力を基準値とする。」と記載されている。また、段落0028に「図5に示すように、スピンドル軸3を加振したときの振動周波数を横軸にとり、振動周波数ごとのラジアル荷重(応答値)を基準値で割った値(伝達関数の振幅)を縦軸にとって、測定装置20で測定したときの各データをプロットし、周波数応答の曲線(伝達関数)を作成する。同時に、同じデータを用いて、図6に示すように、周波数応答における測定装置20で測定したラジアル荷重の時間的な遅れの曲線を作成してもよい。この場合は、図の縦軸は時間的な遅れを示す値(伝達関数の位相)となる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-121042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、振動解析の対象物(特許文献1ではタイヤ)にかかる荷重を直接測定できる場合、すなわち、荷重測定装置の測定値を荷重とみなせる場合には、測定値により伝達関数を精度よく算出できる。一方で、振動解析の対象物にかかる荷重を直接測定できない場合、すなわち、荷重測定装置の測定値と対象物にかかる実際の荷重との間にずれがある場合には、荷重測定装置の測定値を対象物にかかる荷重とみなして伝達関数を算出すると伝達関数の精度が悪くなる。
【0007】
そこで、本発明は、振動解析の対象物にかかる荷重が直接測定できない場合であっても、精度よく推定することができる振動解析装置および振動解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の振動解析装置は、例えば、構造体が締結部により互いに結合された構造物の振動解析を行う振動解析装置であって、加振力、又は前記加振力のモーメントである加振モーメントを発生させる加振力印加部と、前記加振力印加部に設置され、前記加振力又は前記加振モーメントを計測する力計測部と、前記加振力印加部により前記加振力又は前記加振モーメントが前記締結部に印加された際の前記締結部の中心にかかる荷重を推定する締結部荷重推定部と、前記構造物の振動特性を解析する構造物解析部と、を有し、前記締結部荷重推定部は、前記力計測部の端部が定盤に固定され、前記加振力印加部の振動を計測する第1振動計測部が前記加振力印加部に設置される第1計測状態における前記力計測部及び前記第1振動計測部の計測結果を用いて、前記加振力印加部及び前記力計測部に関する振動解析を行い、前記加振力印加部が発生させる前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率を求め、前記構造物解析部は、前記力計測部の端部が前記締結部に固定され、前記構造物の振動を計測する第2振動計測部が前記構造物に設置された第2計測状態における前記力計測部及び前記第2振動計測部の計測結果と前記応答倍率とを用いて、前記構造物の振動特性を解析する。
【0009】
また、本発明の振動解析方法は、例えば、構造体が締結部により互いに結合された構造物の振動解析を行う振動解析方法であって、加振力印加部に設置された力計測部の端部が定盤に固定された第1計測状態において、前記加振力印加部により、加振力または前記加振力のモーメントである加振モーメントを発生させる第1加振力印加ステップと、前記第1加振力印加ステップにおいて発生させた前記加振力または前記加振モーメントを計測する第1力計測ステップと、前記加振力印加部の振動を計測する第1振動計測ステップと、前記第1力計測ステップ及び前記第1振動計測ステップにおける計測結果を用いて、前記加振力印加部及び前記力計測部に関する振動解析を行い、前記加振力又は前記加振モーメントが前記締結部に印加された際の前記加振力または前記加振モーメントに対する前記締結部の中心にかかる荷重の応答倍率を求める締結部荷重推定ステップと、前記力計測部の端部が前記締結部に固定された第2計測状態において、前記加振力印加部により、前記加振力または前記加振モーメントを発生させる第2加振力印加ステップと、前記第2加振力印加ステップにおいて発生させた前記加振力又は前記加振モーメントを計測する第2力計測ステップと、前記構造物の振動を計測する第2振動計測ステップと、前記第2力計測ステップ及び前記第2振動計測ステップの計測結果と前記応答倍率とを用いて、前記構造物の振動特性を解析する構造物解析ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、振動解析の対象物にかかる荷重が直接計測できない場合であっても、精度よく推定することができる振動解析装置および振動解析方法を提供することができる。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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