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公開番号2025098421
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214536
出願日2023-12-20
発明の名称劣化要因推定装置、劣化要因診断方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類H02S 50/10 20140101AFI20250625BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】太陽電池が備える直列抵抗の局所的な劣化を推定することができる診断技術を提供する。
【解決手段】本発明に係る太陽電池システムは、太陽電池が第1日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の直列抵抗を取得するとともに、前記太陽電池が最大電力点を追従しているときにおける前記太陽電池の直列抵抗を取得し、これらの直列抵抗を用いて、前記太陽電池の劣化要因が、直列抵抗の局所的な増加であるのかそれとも直列抵抗の全体的な増加であるのかを診断する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
太陽電池の劣化要因を推定する劣化要因推定装置であって、
前記太陽電池の劣化要因を推定する演算部を備え、
前記演算部は、前記太陽電池が第1日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の第1直列抵抗を取得し、
前記演算部は、前記太陽電池が最大電力点を追従しているときにおける前記太陽電池の直列抵抗を、最大電力点抵抗として取得し、
前記演算部は、前記第1直列抵抗と、前記最大電力点抵抗とを用いて、前記太陽電池の劣化要因が、直列抵抗の局所的な増加であるのかそれとも直列抵抗の全体的な増加であるのかを診断する
ことを特徴とする劣化要因推定装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記演算部は、前記太陽電池が前記第1日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の第1損失を取得し、
前記演算部は、前記太陽電池が前記第1日射量よりも大きい第2日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の第2損失を取得し、
前記演算部は、前記第2損失が前記第1損失よりも大きい場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の増加に起因すると診断し、
前記演算部は、前記第2損失が前記第1損失以下である場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の増加に起因するものではないと診断する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記最大電力点抵抗が前記第1直列抵抗よりも大きい場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の局所的な増加に起因すると診断し、
前記演算部は、前記最大電力点抵抗が前記第1直列抵抗以下である場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の全体的な増加に起因すると診断する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記太陽電池が前記第1日射量よりも大きい第2日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の第2直列抵抗を取得し、
前記演算部は、前記最大電力点抵抗が前記第1直列抵抗よりも大きく、かつ、前記最大電力点抵抗が前記第2直列抵抗よりも大きい場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の局所的な増加に起因すると診断し、
前記演算部は、前記最大電力点抵抗が前記第1直列抵抗以下である、または、前記最大電力点抵抗が前記第2直列抵抗以下である、のうち少なくともいずれかが成立する場合は、前記太陽電池の劣化要因が直列抵抗の全体的な増加に起因すると診断する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記第1直列抵抗と前記最大電力点抵抗を比較した結果に基づき、前記太陽電池の品質ランクを診断する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項6】
前記演算部は、
前記第1直列抵抗が第1閾値よりも大きく、
かつ、
前記第1直列抵抗に対する前記最大電力点抵抗の比、または、前記最大電力点抵抗から前記第1直列抵抗を減算した差分、が第2閾値よりも小さい、
場合は前記太陽電池のリサイクルを推奨する旨の診断結果を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項7】
前記演算部は、前記太陽電池が前記第1日射量よりも大きい第2日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の第2直列抵抗を取得し、
前記演算部は、
前記第2直列抵抗が第3閾値よりも大きく、
かつ、
前記第2直列抵抗に対する前記最大電力点抵抗の比、または、前記最大電力点抵抗から前記第2直列抵抗を減算した差分、が第4閾値よりも小さい、
場合は前記太陽電池のリサイクルを推奨する旨の診断結果を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記太陽電池の出力電流を前記太陽電池の出力電圧で微分した値が負であり、かつ、前記太陽電池の出力電力を前記出力電圧で微分した値が負である電圧領域における、前記太陽電池の直列抵抗を、前記第1直列抵抗として取得する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項9】
前記演算部は、前記太陽電池の出力電流を前記太陽電池の出力電圧で微分した値が負であり、かつ、前記太陽電池の出力電力を前記出力電圧で微分した値が0前後の所定範囲内である電圧領域における、前記太陽電池の直列抵抗を、前記最大電力点抵抗として取得する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
【請求項10】
前記演算部は、前記第1直列抵抗の想定値を用いて、前記太陽電池の出力電流と前記太陽電池の出力電圧を、前記太陽電池が標準温度の下で動作していると仮定した場合における値へ換算した、換算標準電圧と換算標準電流へ換算し、
前記演算部は、前記太陽電池が標準日射量と前記標準温度の下で動作しているときの標準電流と、前記換算標準電流との間の差分が収束するまで、前記第1直列抵抗の想定値を変化させながら前記換算を繰り返すことにより、前記第1直列抵抗を計算する
ことを特徴とする請求項1記載の劣化要因推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の劣化要因を診断する技術に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
太陽電池の劣化要因としては、シャント抵抗の劣化が考えられる。シャント抵抗の劣化を推定することにより、太陽電池の劣化度を推定することができる。シャント抵抗の劣化を推定する手法としては、様々なものが提案されている。
【0003】
下記特許文献1は、『日射の変動や計測器の誤差などの他の要因を受けている太陽電池のIV特性から、シャント抵抗の低下分を正確に求めることにより、太陽電池モジュールの充填剤の劣化や太陽電池そのものの劣化を正確に把握する。』ことを課題として、『本発明に係る並列抵抗計算装置は、並列抵抗の仮抵抗値を用いて、太陽電池のダイオード部分の逆飽和電流を計算し、その逆飽和電流が規定値と一致するまで、仮抵抗値を変更しながら計算を繰り返す。』という技術を記載している(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-202730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の劣化要因推定方法は、シャント抵抗の劣化を推定することにより、太陽電池の劣化を推定する。しかし太陽電池の実際の劣化事例のなかには、太陽電池が備える直列抵抗が局所的に劣化することにより、太陽電池としての性能が劣化している可能性が考えられるものが存在することが、本発明者の知見により見出された。直列抵抗の局所的な劣化は、特許文献1のようなシャント抵抗の劣化を推定する従来手法を用いて推定することは困難である。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、太陽電池が備える直列抵抗の局所的な劣化を推定することができる診断技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る太陽電池システムは、太陽電池が第1日射量の下で出力を制限しているときにおける前記太陽電池の直列抵抗を取得するとともに、前記太陽電池が最大電力点を追従しているときにおける前記太陽電池の直列抵抗を取得し、これらの直列抵抗を用いて、前記太陽電池の劣化要因が、直列抵抗の局所的な増加であるのかそれとも直列抵抗の全体的な増加であるのかを診断する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る太陽電池システムによれば、太陽電池が備える直列抵抗の局所的な劣化を推定することができる。上記以外の課題、構成、効果などについては、以下の実施形態の説明により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
太陽電池パネル1の構成を示す。
太陽電池パネル1の構成を示す。
太陽電池の電流-電圧特性を示す。
太陽電池セルの表面図と裏面図である。
太陽電池モジュールの等価回路図である。
太陽電池モジュールの別構成例を示す。
太陽電池モジュールの別構成例を示す。
太陽電池モジュールの動作を解析するために等価回路へ置き換える過程を示す。
太陽電池モジュールの動作を解析するために等価回路へ置き換える過程を示す。
太陽電池モジュールの動作を解析するために等価回路へ置き換える過程を示す。
図5Cの等価回路を重ね合わせの理により分解した例を示す。
太陽電池モジュールの等価回路の動作を解析した結果を示す。
太陽電池モジュールの等価回路の動作を解析した結果を示す。
太陽電池モジュールの等価回路の動作を解析した結果を示す。
太陽電池の電流-電圧特性における最大電力点近傍を示す。
直列抵抗が局所的に増加したときの電流-電圧特性の例を示す。
太陽電池の出力電力の経時変化例を示す。
太陽電池の出力を抑制するときにおける電流-電圧特性と電力-電圧特性をそれぞれ示す。
太陽電池の劣化要因を診断する手順を説明するフローチャートである。
第1直列抵抗R1と第1損失を計算する手順を説明するフローチャートである。
制御装置100が太陽電池の診断結果に基づき太陽電池の品質をランク付けする手順を説明するフローチャートである。
実施形態2に係る太陽電池システムの構成図である。
制御装置100が提供するユーザインターフェースの画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1A~図1Bは、太陽電池パネル1の構成を示す。太陽電池パネル1は、太陽電池モジュール12が配列されることによって構成されている。太陽電池ストリング11は、太陽電池モジュール12を直列接続するとともに、各太陽電池セル14がバイパスダイオード13によってバイパスされることにより構成されている。太陽電池モジュール12は、太陽電池セル14を直列接続することによって構成されている。太陽電池セル14の等価回路は、電流源、pn接合ダイオード、シャント抵抗(並列抵抗)、直列抵抗を有する。電流源は日射量に比例した電流を供給する。太陽電池モジュール12内のいずれかの太陽電池セル14が故障すると、その故障した太陽電池モジュール12はバイパスダイオード13によってバイパスされる。
(【0011】以降は省略されています)

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