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公開番号2025095669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211829
出願日2023-12-15
発明の名称電力系統の調整力管理システム及び電力系統の調整力管理方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類H02J 3/00 20060101AFI20250619BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ノード単位での周波数変動に対して、ノード単位で適正に応答する電源の調整力を確保できるようにする。
【解決手段】電力系統の調整力管理システム100は、事故擾乱に応じた電力系統の各発電機と接続した地点の所定時間内の周波数変動を表す周波数変動指標を算出する周波数変動指標算出部102と、電力系統の周波数変動指標を閾値と比較して該周波数変動指標が適正範囲内か否かを判定する周波数変動指標制約判定部103と、該周波数変動指標が適正範囲内ではない場合に、出力応答量に対する周波数変動指標の変化感度を算出し、算出した周波数変動指標の変化感度に基づいて当該地点の出力応答量の増分を算出する出力応答量増分算出部104と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
事故擾乱に応じた電力系統の各発電機と接続した地点の所定時間内の周波数変動を表す周波数変動指標を算出する周波数変動指標算出部と、
前記電力系統の前記周波数変動指標を閾値と比較して前記周波数変動指標が適正範囲内か否かを判定する周波数変動指標制約判定部と、
前記周波数変動指標が適正範囲内ではない場合に、出力応答量に対する周波数変動指標の変化感度を算出し、算出した前記周波数変動指標の変化感度に基づいて前記地点の出力応答量の増分を算出する出力応答量増分算出部と、を備える
電力系統の調整力管理システム。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記周波数変動指標算出部は、前記周波数変動指標として周波数変化率を推定し、
前記周波数変動指標制約判定部は、前記周波数変化率を閾値と比較して前記周波数変化率が適正範囲内か否かを判定する
請求項1に記載の電力系統の調整力管理システム。
【請求項3】
前記周波数変動指標算出部は、前記周波数変動指標として前記周波数変化率に加えて周波数最大偏差を推定し、
前記周波数変動指標制約判定部は、前記周波数変化率及び前記周波数最大偏差をそれぞれの閾値と比較して、前記周波数変化率及び前記周波数最大偏差が適正範囲内か否かを判定する
請求項2に記載の電力系統の調整力管理システム。
【請求項4】
前記出力応答量増分算出部は、前記周波数変動指標の変化感度に基づいて前記地点の出力応答量の増分として、前記地点の各発電機の慣性及び1次調整力の増分を
請求項2又は3に記載の電力系統の調整力管理システム。
【請求項5】
電力系統の調整力管理システムによる電力系統の調整力管理方法であって、
事故擾乱に応じた電力系統の各発電機と接続した地点の所定時間内の周波数変動を表す周波数変動指標を算出する処理と、
前記電力系統の前記周波数変動指標を閾値と比較して前記周波数変動指標が適正範囲内か否かを判定する処理と、
前記周波数変動指標が適正範囲内ではない場合に、出力応答量に対する周波数変動指標の変化感度を算出し、算出した前記周波数変動指標の変化感度に基づいて前記地点の出力応答量の増分を算出する処理と、を含む
電力系統の調整力管理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統の安定性を維持する電力系統の調整力管理システム及び電力系統の調整力管理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統の周波数は、発電と需要が時々刻々一致するように制御されることで保たれる。発電と需要のバランスが、例えば発電機や需要の停止によって保たれなくなる場合、周波数は変動する。そして、周波数の変動量が一定以上になると、保護リレーによって発電機や需要(負荷に相当)が電力系統から切り離される保護機能が働き、大規模な停電に至る場合がある。このような事態を回避するために、発電と需要のバランス(以下、「需給バランス」とも記す)を保つために、発電出力の変更や需要の遮断など、急いで制御を行うことが必要となる。
【0003】
需給インバランスが発生した場合の、時間当たりの周波数変動の大きさ(変化の割合)を表す指標として、周波数変化率(RoCoF:Rate of Change of Frequency)が用いられる。また、周波数変動の最大値を表す指標として、周波数最大偏差(Nadir)が用いられる。
【0004】
近年、インバータを介して電力系統に連系する再生可能エネルギー電源であるインバータ型電源(IBR:Inverter-Based Resource)の電力系統の電源構成に占める割合が増加している。同期機電源である火力発電の電源構成に占める割合が低下するにつれて、従来同期発電機が供給していた慣性やガバナフリー運転による1次調整力のような、需給バランスを維持するための出力応答量が不足することが懸念される。
【0005】
図1に、一般的な電力系統の周波数変動の一例を示す。図中の横軸は時刻を示し、縦軸は周波数を示す。図1では、RoCoFは大規模電源の停止時t

の時刻における、定格周波数f

からの周波数の変化率として示され、Nadirは大規模電源の停止後、周波数が最も低下したときの値と定格周波数f

との差分(低下量)として示されている。
【0006】
図1において、慣性/1次調整力が比較的多い場合の周波数変動を実線で示し、慣性/1次調整力が比較的少ない場合の周波数変動を一点鎖線で示している。一般に、慣性が不足すると、電力需給の不平衡発生時に周波数が変動しやすくなるためRoCoF及びNadirが増大する。1次調整力が不足すると、電力需給の不平衡発生後に需要と発電の電力を一致させるための発電出力を変化させる速度が小さくなるため、Nadirが増大する。
【0007】
慣性及び1次調整力が不足すると、RoCoFが課題となることでRoCoFに対するインバータ型電源の保護機器が動作してインバータ型電源が解列したり、Nadirが大きくなったりする。図1では、周波数が下限周波数f
lower
を下回ると、インバータ型電源が解列する例が二点鎖線で示されている。このような事象が発生することでさらに電源が脱落し、連鎖的に電源が解列することによって電力系統の需給バランスを維持することが困難となり、大停電に陥るおそれがある。
【0008】
RoCoF及びNadirは、一般に周波数変動の開始後に電力系統において制御方法を変更することによって周波数変動を抑制するものではない。RoCoF及びNadirは、予め確保した電力系統における慣性の量と電源に事前設定した1次調整力供給のための制御の整定値によって、実際に事故が生じた際の周波数変動が安定な範囲に収まるような出力応答量を確保して抑制するものである。
【0009】
電力系統の安定性を維持するためには、電力系統の周波数変動指標のRoCoFやNadirを適正範囲内に抑制できるだけの、出力応答量の確保が課題となる。また、インバータ型電源の連鎖解列や系統事故時に応答するための電源の慣性及び1次調整力を事前確保する費用の増大を避けるためには、RoCoF及びNadirの抑制に過不足の少ない出力応答量の確保が重要となる。
【0010】
電力系統の周波数は、一つの系統エリアの中で同一の値を有するとみなされることが多い。しかし、電源脱落後の動揺現象に着目する際には、同期電源の各々の周波数や対象地点と同期電源群との電気回路的な位置関係に従って、地域ごとにわずかに差が生じる。したがって、電力系統の地点ごとに、RoCoFやNadirに地域差が生じる。このため、電力系統から電源が切り離されないようにするためには、各々の電源が接続された地点又はその付近(以下「ノード」と総称する)の周波数変動を適正範囲に収めるように、電力系統を運用することが重要となる。
(【0011】以降は省略されています)

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