TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024054803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022161292
出願日2022-10-05
発明の名称外装品及びその製造方法
出願人三恵技研工業株式会社
代理人個人
主分類C25D 11/26 20060101AFI20240410BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を高い均一性で形成することができる外装品を提供する。
【解決手段】チタン若しくはチタン合金の金属基材2の表面に凸部22の平均高さHを5nm~50μmとして微細凹凸21が形成され、凸部22の平均幅Wに対する凸部22の平均高さの比が0.25以上となるようにして微細凹凸21の凸部22が形成され、微細凹凸21を埋めるようにして陽極酸化被膜3が形成されていることを特徴とする外装品1。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
チタン若しくはチタン合金の金属基材の表面に凸部の平均高さを5nm~50μmとして微細凹凸が形成され、
前記凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比が0.25以上となるように前記凸部が形成され、
前記微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜が形成されていることを特徴とする外装品。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記凸部の平均幅が1500nm以下であることを特徴とする請求項1記載の外装品。
【請求項3】
前記陽極酸化被膜の前記凸部の頂部からの膜厚が500nm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の外装品。
【請求項4】
チタン若しくはチタン合金の金属基材の表面から自然酸化膜を除去する第1工程と、
前記金属基材の表面にエッチングを施して、前記金属基材の表面に、凸部の平均高さを5nm~50μm、前記凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比が0.25以上となるようにして微細凹凸を形成する第2工程と、
前記微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜を形成する第3工程を備えることを特徴とする外装品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基材の表面に陽極酸化被膜が形成された外装品及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、金属基材の表面に陽極酸化被膜が形成された部品として特許文献1の時計部品がある。この時計部品は、チタン又はチタン合金に含まれる結晶の粒径が7μm以上3mm以下とされ、各結晶の表面が鏡面で形成され、各結晶の表面の法線方向が相互に異なるように形成されていると共に、表面に陽極酸化被膜が形成されたものである。
【0003】
そして、特許文献1の時計部品を製造する際には、チタン又はチタン合金を熱処理して複数の結晶の粒径を7μm以上3mm以下に粗大化した後、エッチングを施して各結晶の表面を鏡面化すると共に各結晶の表面の法線方向を相互に異ならせ、エッチング工程の後に表面を陽極酸化処理して陽極酸化被膜を形成するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5971890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の時計部品の製造方法では、表面を鏡面化し且つ各結晶の表面の法線方向を異ならせるエッチングを施した後に陽極酸化被膜を形成することで、時計部品の表面に特定色でキラキラと輝く金属光沢を付与することができる。しかしながら、これとは逆に、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を形成することは困難である。製品によっては金属光沢の無い暗色の外観が望まれる場合も多く、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観が高い均一性で形成された外装品が求められている。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を高い均一性で形成することができる外装品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の外装品は、チタン若しくはチタン合金の金属基材の表面に凸部の平均高さを5nm~50μmとして微細凹凸が形成され、前記凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比が0.25以上となるように前記凸部が形成され、前記微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜が形成されていることを特徴とする。金属基材の表面に形成される微細凹凸の凸部の平均高さは、50nm~2000nmとするとより好適であり、50nm~1000nmとするとより一層好適である。
これによれば、チタン又はチタン合金の表面を鏡面化した場合には金属光沢が得られるのに対し、金属基材の表面の微細凹凸を形成することにより、金属基材の表面で光を散乱して低光沢化し、マット調な質感の暗色の外観を得ることができる。更に、凸部の平均高さを5nm~50μm、凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比を0.25以上として微細凹凸を形成することにより、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を高い均一性で確実に形成することができる。また、微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜を形成することにより、所望調色の暗色の外観と外装品の耐食性を得ることができる。
【0008】
本発明の外装品は、前記凸部の平均幅が1500nm以下、より好適には1200nm以下であることを特徴とする。
これによれば、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を高い均一性でより確実に形成することができる。
【0009】
本発明の外装品は、前記陽極酸化被膜の前記凸部の頂部からの膜厚が500nm以下、より好適には10nm~500nmであることを特徴とする。
これによれば、陽極酸化被膜の凸部の頂部からの膜厚を500nm以下とすることにより、金属基材の暗色の視認性を確保し、所望調色の暗色の外観をより確実に得ることができると共に、外装品の耐食性をより確実に得ることができる。
【0010】
本発明の外装品の製造方法は、チタン若しくはチタン合金の金属基材の表面から自然酸化膜を除去する第1工程と、前記金属基材の表面にエッチングを施して、前記金属基材の表面に、凸部の平均高さ5nm~50μm、前記凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比が0.25以上となるようにして微細凹凸を形成する第2工程と、前記微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜を形成する第3工程を備えることを特徴とする。金属基材の表面に形成される微細凹凸の凸部の平均高さは、50nm~1000nmとするとより好適である。
これによれば、チタン又はチタン合金の表面を鏡面化した場合には金属光沢が得られるのに対し、金属基材の表面の微細凹凸を形成することにより、金属基材の表面で光を散乱して低光沢化し、マット調な質感の暗色の外観を得ることができる。更に、凸部の平均高さを5nm~50μm、前記凸部の平均幅に対する前記凸部の平均高さの比を0.25以上として微細凹凸を形成することにより、金属光沢の無い黒色等の暗色の外観を高い均一性で確実に形成することができる。また、微細凹凸を埋めるようにして陽極酸化被膜を形成することにより、所望調色の暗色の外観と外装品の耐食性を得ることができる。また、事前に金属基材の表面から自然酸化膜を除去することにより、均一な暗色の外観をより確実に得ることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許