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公開番号2024006857
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-17
出願番号2022153957
出願日2022-09-27
発明の名称接点材料
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C25D 7/00 20060101AFI20240110BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】導電性粒子の脱落による接点の短絡を十分に抑制でき、かつ十分な耐摩耗性および導電性を有する接点材料を提供する。
【解決手段】銀含有膜2を含む接点材料1であって、前記銀含有膜は、銀を50質量%以上含む銀含有層2aと、複数の非導電性有機化合物からなる粒子2bとを含み、各粒子の少なくとも一部は前記銀含有層中に埋没しており、前記非導電性有機化合物は、単位分子構造内に、フルオロ基、メチル基、カルボニル基等からなる群から選択されるいずれか1つ以上を含み、下記式(1)を満たす、接点材料。
0.50≦Ap/(Ap+AAg)×100≦12.10・・・(1)
式(1)において、Apは、前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における、前記複数の非導電性有機化合物からなる粒子のうち、前記銀含有層中に埋没した部分の面積であり、AAgは、前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における前記銀含有層の面積である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
銀含有膜を含む接点材料であって、
前記銀含有膜は、銀を50質量%以上含む銀含有層と、複数の非導電性有機化合物からなる粒子とを含み、各粒子の少なくとも一部は前記銀含有層中に埋没しており、
前記非導電性有機化合物は、単位分子構造内に、フルオロ基(-F)、メチル基(-CH

)、カルボニル基(-C(=O)-)、アミノ基(-NR



であって、R

およびR

は水素または炭化水素基であり、R

およびR

は同じでも異なっていてもよい)ヒドロキシ基(-OH)、エーテル結合(-O-)およびエステル結合(-C(=O)-O-)からなる群から選択されるいずれか1つ以上を含み、
下記式(1)を満たす、接点材料。
0.50≦A

/(A

+A
Ag
)×100≦12.10 ・・・(1)
式(1)において、A

は、前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における、前記複数の非導電性有機化合物からなる粒子のうち、前記銀含有層中に埋没した部分の面積であり、A
Ag
は前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における前記銀含有層の面積である。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記非導電性有機化合物を10℃/分の昇温速度で、室温から最大1000℃まで熱重量示差熱分析したとき、融点が140℃以上であるか、または融点を示さない、請求項1に記載の接点材料。
【請求項3】
前記非導電性有機化合物を10℃/分の昇温速度で、室温から最大1000℃まで熱重量示差熱分析したとき、分解点を示すときは前記分解点が500℃以下であり、分解点を示さず融点を示すときは、前記融点が500℃以下である、請求項1または2に記載の接点材料。
【請求項4】
前記非導電性有機化合物は、単位分子構造内に、カルボニル基(-C(=O)-)、アミノ基(-NR



であって、R

およびR

は水素または炭化水素基であり、R

およびR

は同じでも異なっていてもよい)およびヒドロキシ基(-OH)からなる群から選択されるいずれか1つ以上を含む、請求項1または2に記載の接点材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は接点材料に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
CO

排出規制の強化に伴い、化石燃料への依存度が低い電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド自動車(PHEV)の増加が予想されている。これらの自動車は、日常的にバッテリーへの充電を必要とするため、外部電源と自動車を接続する接点材料は、従来の自動車の接点材料に比べて、挿抜の回数が大幅に増加し得る。自動車の接点材料には、通常導電性の高い(低接触抵抗の)銀(Ag)めっき膜が適用されることが多いが、一般的にAgめっき膜の硬度は低いうえ、Ag同士の摺動時に「焼き付き」が生じ易いことから、繰り返しの挿抜(摺動)を実施した際に、Agめっき膜の摩耗が容易に進行し得る。
【0003】
古くからAgめっき膜の耐摩耗性を改善するために、
(1)結晶粒微細化によるAgめっきの高硬度化
(2)Agと、Se(セレン)またはSb(アンチモン)等との合金化による高硬度化
等の検討が行われてきた。しかしながら、上記(1)および(2)のいずれの手法によっても耐摩耗性の改善は不十分であった。また、SeおよびSbは有毒な元素であり、管理に注意を要するうえ、合金化に伴って導電性の低下を招くという問題もある。
【0004】
また、Agめっき膜の高硬度化以外の耐摩耗性改善も検討されており、主には、非特許文献1および2に開示されるように、
(3)炭素系粒子のAgめっき膜中への共析(分散めっき)
の検討が行われてきた。これらの検討には、主にグラファイト、カーボンブラック(CB)またはカーボンナノチューブ(CNT)が用いられてきた。その理由としては、(i)グラファイト等の炭素系粒子は、固体潤滑材として作用することから耐摩耗性改善が期待できること、および(ii)炭素系粒子は導電性を有するため、Agめっき膜中に共析(分散)させた際に、接触抵抗を悪化させる恐れが少ないことが考えられる。実際、非特許文献1においては、Agめっき液中にグラファイト粒子を懸濁させてめっき処理を行ったAg-グラファイト複合めっき膜により、Agめっき膜だけでなく、硬質Ag-Sb合金めっき膜と比較しても良好な耐摩耗性を実現できることが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
まてりあ、第58巻、第1号(2019)、p41-43
表面技術協会、第81回講演大会要旨集、27A-1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記(3)については、非特許文献2のように古くから検討が行われており、銀含有膜の耐摩耗性改善手法としては一般的と言える。しかしながら、EVおよびPHEVの増加予測に伴い、耐摩耗性と導電性を両立した接点材料への需要が高まっているにもかかわらず、上記(3)の活用は進んでいない。この理由は、炭素粒子分散めっきを接点材料に適用して摺動(挿抜)を繰り返すと、摩耗に伴ってAgめっき膜中に保持されていた炭素径粒子が脱落するという懸念によるものと考えられる。炭素系粒子が脱落して接点周囲に堆積すると、接点の短絡を招くおそれがあり、特に高電圧及び大電流での通電を必要とするEVおよびPHEV用の端子においては、安全性に問題が生じ得る。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、導電性粒子の脱落による接点の短絡を十分に抑制でき、かつ十分な耐摩耗性および導電性を有する接点材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1は、
銀含有膜を含む接点材料であって、
前記銀含有膜は、銀を50質量%以上含む銀含有層と、複数の非導電性有機化合物からなる粒子とを含み、各粒子の少なくとも一部は前記銀含有層中に埋没しており、
前記非導電性有機化合物は、単位分子構造内に、フルオロ基(-F)、メチル基(-CH

)、カルボニル基(-C(=O)-)、アミノ基(-NR



であって、R

およびR

は水素または炭化水素基であり、R

およびR

は同じでも異なっていてもよい)、ヒドロキシ基(-OH)、エーテル結合(-O-)およびエステル結合(-C(=O)-O-)からなる群から選択されるいずれか1つ以上を含み、
下記式(1)を満たす、接点材料である。
0.50≦A

/(A

+A
Ag
)×100≦12.10 ・・・(1)
式(1)において、A

は、前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における、前記複数の非導電性有機化合物からなる粒子のうち、前記銀含有層中に埋没した部分の面積であり、A
Ag
は、前記銀含有膜の膜厚方向に平行な断面における前記銀含有層の面積である。
【0009】
本発明の態様2は、
前記非導電性有機化合物を10℃/分の昇温速度で、室温から最大1000℃まで熱重量示差熱分析したとき、融点が140℃超であるか、または融点を示さない、態様1に記載の接点材料である。
【0010】
本発明の態様3は、
前記非導電性有機化合物を10℃/分の昇温速度で、室温から最大1000℃まで熱重量示差熱分析したとき、分解点を示すときは前記分解点が500℃以下であり、分解点を示さず融点を示すときは、前記融点が500℃以下である、態様1または2に記載の接点材料である。
(【0011】以降は省略されています)

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