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公開番号2024011284
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2022113166
出願日2022-07-14
発明の名称水素発生電極、及びその製造方法
出願人株式会社大阪ソーダ
代理人
主分類C25B 11/053 20210101AFI20240118BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本発明は、水素発生電極として電解槽に組み込んだ際のセル電圧を効果的に削減することができ、電解停止時の逆電流に起因する電極触媒の剥離・脱落を効果的に抑制した、水素発生電極を提供する。さらに、当該水素発生電極の製造方法、及び当該水素発生電極を利用した電気分解方法を提供する。
【解決手段】導電性基体と、該導電性基体上に形成された触媒層を有する水素発生電極において該触媒層が白金金属を含む第一触媒層と、第一遷移金属および/またはランタノイド金属の酸化物と白金族金属を含む第二触媒層の酸化物を有することを特徴とする水素発生電極、及び当該水素発生電極の製造方法を提供するものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導電性基体と、該導電性基体上に形成された触媒層を有する水素発生電極において
該触媒層が白金金属を含む第一触媒層と、第一遷移金属および/またはランタノイド金属の酸化物と白金族金属(白金を除く)の酸化物を含む第二触媒層を有することを特徴とする水素発生電極。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記第二触媒層中における第一遷移金属および/またはランタノイド金属の含有量が、20~80モル%、白金族金属の含有量が20~80モル%である請求項1に記載の水素発生電極。
【請求項3】
前記第二触媒層中における前記第一遷移金属および/またはランタノイド金属が、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジウムから選択される1種以上である請求項1に記載の水素発生電極。
【請求項4】
前記白金族金属が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及びイリジウムから選択される1種以上である請求項1に記載の水素発生電極。
【請求項5】
導電性基体上に、白金を含む第一触媒層を形成する工程と、第一遷移金属および/またはランタノイド金属の酸化物と白金族金属の酸化物を含む第二触媒層を形成する工程を備える、水素発生電極の製造方法。
【請求項6】
水を含む溶液の電気分解法において、請求項1~4のいずれか1項に記載の水素発生電極を用いる、電気分解法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素発生電極、及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
イオン交換膜食塩電解プロセスにおいては、エネルギー消費の削減が最も大きな課題である。イオン交換膜食塩電解法における槽電圧を詳細に解析すると、理論的に必要な電圧以外に、イオン交換膜の膜抵抗による電圧、陽極と陰極の過電圧、液抵抗及びガス抵抗による電圧が加わる。これらの電圧の中でも、電極の過電圧については、陽極に関して言えば、不溶性電極への白金族酸化物の適応によって、通常の操業条件下では50mV程度にまで削減され、これ以上の改善・改良は望めないレベルにまで到達している。
【0003】
一方、陰極に関しては、従来使用されていた軟鋼やステンレス、ニッケルの電極の場合、通常の操業条件下において、300~400mVの過電圧を生じていた。そこで、これらの電極表面を活性化することによる、過電圧の低減、延いてはセル電圧の削減が検討され、これまでに多くの技術が開発されている。酸化ニッケルをプラズマ溶射することにより、電極表面が酸化物でありながら高活性な陰極を製造している例や、ラネーニッケル系のメッキや、ニッケルとスズの複合メッキ、活性炭と酸化物の複合メッキを電極表面に施している例などがあり、いずれも水酸化ナトリウム中での水素発生用陰極として利用が図られている。しかし、電解電圧を削減するためには、陰極の更なる高活性化が必要であり、このために次のような様々な陰極が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、1種類の貴金属又は2種類若しくは3種類以上の貴金属の混合物若しくは合金からなる貴金属被膜や、該貴金属被膜にニッケル等の1種類又は2種類以上の卑金属を含んだ被膜をニッケル等の導電性基体上に被膜させた水素発生電極が提案されている。しかしながら、これらの水素発生電極は、セル電圧の削減が十分であるとは言えず、更なる高活性化が求められている。(特許文献2参照)。
【0005】
従来、白金とセリウム酸化物からなる触媒を用いた水素発生電極が提案されている(特許文献3)。当該白金とセリウム酸化物の触媒からなる水素発生電極は、過電圧が低く且つ鉄イオンによる影響は抑制され、アルカリ金属塩化物水溶液の電気分解用の水素発生電極として優れた性能を示す。また、白金とセリウム酸化物からなる触媒と基体の間にニッケル酸化物からなる中間層を設ける提案がなされており、さらにコスト面などを改善すべく検討されている。
【0006】
また、電気分解方法において、電解停止時には、陽極と陰極との間に生じた電位差を解消する方向に電流が流れる。この電流は、電解時とは逆方向に流れるため、逆電流と呼ばれている。従来の水素発生電極においては、この逆電流によって、白金族金属などの電極触媒が触媒層から剥離・脱落などで減少し、水素発生電極が劣化することが知られており、高い逆電流耐性を有する水素発生電極が求められている。
【0007】
そのような中で、導電性基体上に、白金、ニッケル及びルテニウムを主成分とし、かつ、白金、ニッケル及びルテニウムが合金の状態である触媒層が担持されてなる水素発生電極が記載されている(特許文献4)が、水素発生電極を電解槽に組み込んだ際のセル電圧の削減が十分とは言えず、また、逆電流耐性に改善の余地が残されている。
【0008】
以上述べてきた通り、水又はアルカリ金属塩化物水溶液電解工業の電力消費量を削減する目的で、従来から様々な水素発生電極が提案されてきたが、従来の水素発生電極は高い水素発生活性と、起動・停止を余儀なくされる工業的な使用において十分な耐久性(逆電流耐性)を兼ね備え、工業的に満足し得る特性を持つ水素発生電極は、依然得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭57-23083号公報
特開昭64-8288号公報
特開2000-239882号公報
特開2015-143388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記の通り、従来、種々の水素発生電極が開発されているが、イオン交換膜食塩電解プロセスにおいては、電力を多量に消費するため、セル電圧を僅か数mV低下させることができるだけでも、電解にかかる年間のコスト低減効果は非常に大きくなる。従って、水素発生電極の改良により、セル電圧をさらに低下させることが求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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