TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024043817
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149017
出願日2022-09-20
発明の名称水電解装置
出願人株式会社SCREENホールディングス
代理人個人
主分類C25B 9/60 20210101AFI20240326BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】水電解装置において、セパレータに使用する金属板の数を低減できる技術を提供する。
【解決手段】水電解装置は、セル10とセパレータ20とが交互に積層された積層構造30を有する。セパレータ20は、金属板21と、流路部材91とを有する。金属板21は、流通孔28を有する。流路部材91は、積層方向において、セル10のベース層50と金属板21との間に位置する。流路部材91は、積層方向に視た状態において、流通孔28を環状に包囲する。また、流路部材91は、セル10のガス拡散層72と流通孔28との間を連通する流路913を有する。このようにすれば、ガス拡散層72と流通孔28との間で、気体または水を、流路部材91に形成された流路913を介して流すことができる。複数の金属板を組み合わせて流路を形成する必要がないため、セパレータ20に使用する金属板21の数を低減できる。
【選択図】図5


特許請求の範囲【請求項1】
複数のセルと複数のセパレータとを備え、前記セルと前記セパレータとが交互に積層された積層構造を有する水電解装置であって、
前記セルは、
電解質膜を含むベース層と、
前記電解質膜の表面に積層された触媒層と、
前記触媒層の表面に積層されたガス拡散層と、
を有し、
前記セパレータは、
流通孔を有する金属板と、
積層方向において前記ベース層と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記流通孔を包囲する環状の流路部材と、
を有し、
前記流路部材は、
前記ガス拡散層と前記流通孔との間を連通する流路
を有する、水電解装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水電解装置であって、
前記セルは、
前記電解質膜の一方側に積層された前記触媒層であるカソード触媒層と、
前記カソード触媒層の一方側に積層された前記ガス拡散層であるカソードガス拡散層と、
を有し、
前記金属板は、
前記カソードガス拡散層から排出される水素を流通させる前記流通孔である水素流通孔
を有し、
前記セパレータは、
前記積層方向において前記ベース層のカソード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記水素流通孔を包囲する前記流路部材であるカソード流路部材
を有し、
前記カソード流路部材は、
前記カソードガス拡散層と前記水素流通孔との間を連通する前記流路である水素流路
を有する、水電解装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の水電解装置であって、
前記セルは、
前記電解質膜の他方側に積層された前記触媒層であるアノード触媒層と、
前記アノード触媒層の他方側に積層された前記ガス拡散層であるアノードガス拡散層と、
を有し、
前記金属板は、
前記アノードガス拡散層へ供給される水を流通させる前記流通孔である水流通孔と、
前記アノードガス拡散層から排出される酸素を流通させる前記流通孔である酸素流通孔と、
を有し、
前記セパレータは、
前記積層方向において前記ベース層のアノード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記水流通孔を包囲する前記流路部材である第1アノード流路部材と、
前記積層方向において前記ベース層のアノード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記酸素流通孔を包囲する前記流路部材である第2アノード流路部材と、
を有し、
前記第1アノード流路部材は、
前記アノードガス拡散層と前記水流通孔との間を連通する前記流路である水流路
を有し、
前記第2アノード流路部材は、
前記アノードガス拡散層と前記酸素流通孔との間を連通する前記流路である酸素流路
を有する、水電解装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の水電解装置であって、
前記流路部材は、
前記金属板に接触する第1面と、
前記ベース層に接触する第2面と、
を有し、
前記流路は、前記第1面に形成された溝である、水電解装置。
【請求項5】
請求項4に記載の水電解装置であって、
前記セパレータは、
前記金属板の前記流路部材とは反対の面に配置され、前記積層方向に視た状態において、前記流通孔を包囲する環状のシール部材
をさらに有し、
前記流路部材は、前記積層方向に視た状態において、前記シール部材と重なる位置に配置され、
前記流路部材の前記第2面は、平坦面である、水電解装置。
【請求項6】
請求項4に記載の水電解装置であって、
前記溝は、前記流路部材の前記第1面を、前記ガス拡散層と前記流通孔とを繋ぐ方向に貫く、水電解装置。
【請求項7】
請求項4に記載の水電解装置であって、
前記溝は、前記ガス拡散層と前記流通孔とを繋ぐ方向における前記第1面の両端部を除く一部分に形成された凹部であり、
前記流路部材の前記両端部は、前記金属板と接触しない、水電解装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水(H

O)を電気分解することにより水素(H

)を製造する、水電解装置が知られている。水電解装置は、セルとセパレータとが交互に積層された積層構造を有する。各セルは、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された触媒層とを有する。水電解の実行時には、アノード側の触媒層とカソード側の触媒層との間に、電圧を印加するとともに、アノード側の触媒層に水を供給する。これにより、アノード側の触媒層と、カソード側の触媒層とにおいて、次の電気化学反応が生じる。その結果、カソード側の触媒層から、水素が排出される。
(アノード側) 2H

O → 4H

+ O

+ 4e

(カソード側) 2H

+ 2e

→ H

【0003】
従来の固体高分子形水電解については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-023996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水電解装置では、上記の電気化学反応において供給または排出される水、酸素、および水素の流路を形成するとともに、それらの流路の間を確実にシールすることが必要となる。従来の水電解装置では、当該条件を満たすために、セパレータが、2枚の金属板により構成されていた。しかしながら、セルとセルの間に2枚の金属板を配置すると、セパレータにかかるコストが増大する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、水電解装置において、セパレータに使用する金属板の数を低減できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、複数のセルと複数のセパレータとを備え、前記セルと前記セパレータとが交互に積層された積層構造を有する水電解装置であって、前記セルは、電解質膜を含むベース層と、前記電解質膜の表面に積層された触媒層と、前記触媒層の表面に積層されたガス拡散層と、を有し、前記セパレータは、流通孔を有する金属板と、積層方向において前記ベース層と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記流通孔を包囲する環状の流路部材と、を有し、前記流路部材は、前記ガス拡散層と前記流通孔との間を連通する流路を有する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の水電解装置であって、前記セルは、前記電解質膜の一方側に積層された前記触媒層であるカソード触媒層と、前記カソード触媒層の一方側に積層された前記ガス拡散層であるカソードガス拡散層と、を有し、前記金属板は、前記カソードガス拡散層から排出される水素を流通させる前記流通孔である水素流通孔を有し、前記セパレータは、前記積層方向において前記ベース層のカソード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記水素流通孔を包囲する前記流路部材であるカソード流路部材を有し、前記カソード流路部材は、前記カソードガス拡散層と前記水素流通孔との間を連通する前記流路である水素流路を有する。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の水電解装置であって、前記セルは、前記電解質膜の他方側に積層された前記触媒層であるアノード触媒層と、前記アノード触媒層の他方側に積層された前記ガス拡散層であるアノードガス拡散層と、を有し、前記金属板は、前記アノードガス拡散層へ供給される水を流通させる前記流通孔である水流通孔と、前記アノードガス拡散層から排出される酸素を流通させる前記流通孔である酸素流通孔と、を有し、前記セパレータは、前記積層方向において前記ベース層のアノード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記水流通孔を包囲する前記流路部材である第1アノード流路部材と、前記積層方向において前記ベース層のアノード側の面と前記金属板との間に位置し、前記積層方向に視た状態において、前記酸素流通孔を包囲する前記流路部材である第2アノード流路部材と、を有し、前記第1アノード流路部材は、前記アノードガス拡散層と前記水流通孔との間を連通する前記流路である水流路を有し、前記第2アノード流路部材は、前記アノードガス拡散層と前記酸素流通孔との間を連通する前記流路である酸素流路を有する。
【0010】
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の水電解装置であって、前記流路部材は、前記金属板に接触する第1面と、前記ベース層に接触する第2面と、を有し、前記流路は、前記第1面に形成された溝である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
小型めっき装置
2か月前
株式会社カネカ
電解装置
3か月前
株式会社カネカ
電解装置
3か月前
キヤノン電子株式会社
撥水部材
1か月前
太陽誘電株式会社
めっき装置
4か月前
株式会社神戸製鋼所
接点材料
3か月前
株式会社ワンテンス
電解装置
3か月前
日本ラック株式会社
めっき治具
3か月前
株式会社ナノバブル研究所
微細生成物発生装置
14日前
三恵技研工業株式会社
外装品及びその製造方法
15日前
トヨタ自動車株式会社
水電解装置
29日前
株式会社大阪ソーダ
水素発生電極、及びその製造方法
3か月前
株式会社神戸製鋼所
端子材料および端子
23日前
トヨタ自動車株式会社
膜電極接合体
1か月前
TDK株式会社
電子部品の製造装置
1か月前
株式会社SCREENホールディングス
水電解装置
1か月前
株式会社東芝
電解装置
1か月前
株式会社東芝
電解装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
水電解システム
1か月前
SECカーボン株式会社
カソードアセンブリ
2か月前
東レ株式会社
過硫酸アンモニウムの製造方法
4か月前
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
電解槽
1か月前
国立大学法人九州工業大学
二酸化炭素還元装置
3か月前
日本水力株式会社
水素製造システム及び水素製造方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
導電材料およびその製造方法
1か月前
株式会社グッドワン
内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置
1か月前
株式会社東芝
固定化システム
1か月前
株式会社豊田中央研究所
複合電解質
3か月前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
住友金属鉱山株式会社
金属電着用の陰極板の製造方法
3か月前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
株式会社テックコーポレーション
電解槽
22日前
エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
銅箔製造装置
4か月前
き邦科技股分有限公司
挟持具組立品
3か月前
エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
銅箔製造装置
4か月前
続きを見る