TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024041484
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146324
出願日2022-09-14
発明の名称内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置
出願人株式会社グッドワン
代理人個人
主分類C25B 1/044 20210101AFI20240319BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】酸水素ガスの生成と電解液水蒸気の除去を同期して行う内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法及びその装置において、強アルカリ性の電解液水蒸気が内燃機関に供給されることを阻止することを目的とする。
【解決手段】電気分解時に電解槽10から蒸発する強アルカリ性の電解液水蒸気を、酸水素ガスとともに移送することによって所定の温度まで冷却し、捕集器具50を介して捕集することによって、酸水素ガスから分離して除去し、酸水素ガスのみを内燃機関70へ供給する内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法及びその装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水に所定の電解質を溶解した電解液を電解槽で電気分解して生成した酸水素ガスを、内燃機関に供給して燃焼させる内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法において、
電気分解時に電解槽から蒸発する強アルカリ性の電解液水蒸気を、酸水素ガスとともに移送することによって所定の温度まで冷却し、捕集器具を介して捕集することによって、酸水素ガスから分離して除去し、酸水素ガスのみを内燃機関へ供給することを特徴とする内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
電解液水蒸気の内燃機関への供給を阻止し、強アルカリ性の電解液水蒸気によって、内燃機関内部のアルミニウム等のアルカリ腐食性の金属部品が腐食することを防止する請求項1記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項3】
電解槽から捕集器具までの酸水素ガスと電解液水蒸気の移送を、電解液水蒸気を所定温度に冷却可能な長さの移送管で行う請求項2記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項4】
移送管を所定領域内において蛇行させて配置する請求項3記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項5】
電解槽から捕集器具までの電解液水蒸気の移送を、ファンによって電解槽及び移送管を冷却しつつ行う請求項4記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項6】
電解液水蒸気を略35℃以下に冷却する請求項5記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項7】
電解液水蒸気を所定の温度まで冷却することによって液化させ、或いは液化可能な状態として捕集器具に供給し、捕集器具内に液化した状態で捕集することにより、酸水素ガスから分離して内燃機関への供給を阻止する請求項1,2,3,4,5又は6記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項8】
捕集器具内に捕集した液化した電解液水蒸気を貯留し、必要に応じて外部に排出する請求項7記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法。
【請求項9】
水に所定の電解質を溶解した電解液を電気分解して生成した酸水素ガスを、内燃機関に供給して燃焼させる内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置において、
電解液を電気分解する電解槽と、
電解槽で生成した酸水素ガス及び電解槽から蒸発した強アルカリ性の電解液水蒸気を捕集器具に移送する移送管と、
捕集器具から酸水素ガスを内燃機関に供給する供給管と、
移送管と電解槽の間に介在させたファンとからなり、
電解槽から捕集器具までの移送管を、電解液水蒸気を所定温度に冷却可能な長さとしたことを特徴とする内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置。
【請求項10】
移送管において、電解液水蒸気を所定温度まで冷却することによって、電解液水蒸気を液化させて電解液とし、或いは液化可能な所定温度まで冷却する請求項9記載の内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、経年使用によって内燃機関に堆積し、様々な不具合の原因となる内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法及びその装置に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関は、乗用車等の乗物用,トラックや貨物船等の輸送用,漁船やクレーン等の作業用等の各種用途の動力源として広く使用されている。内燃機関の燃料であるガソリンや軽油は、炭素と水素を主成分としており、完全に燃焼すれば二酸化炭素と水に分解されるものの、実際には全てが理想的に燃焼することはなく、又エンジンオイルの一部が燃焼室に入ることもあり、経年使用によって燃焼室内には燃えカスとしてのカーボン堆積物(カーボンデポジット)が付着することとなる。
【0003】
カーボン堆積物の存在は、燃料の供給不順,排気システムの劣化,エンジンオイルの劣化,エンジンの出力低下等々の様々な不具合の原因となるので、早めに除去することが望ましい。そのため、内燃機関に付着したカーボン堆積物の抑制手段として、燃料の改善,内燃機関の材料としてカーボンが付着しにくい材料の開発,分解掃除に際しての洗浄剤や燃料への添加剤等々種々の手段が提供されている。更に、直接的にカーボン堆積物を除去する手段として、水を電気分解することによって生成した酸水素ガスを内燃機関の燃焼室に供給して燃焼させることによって、カーボン堆積物を洗浄する手段が提供されている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
中華民国(台湾)実用新案公告M353996号公報
実用新案登録第3183725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に示す酸水素ガスは100%燃焼可能であり、燃焼効率を飛躍的に向上させてカーボン堆積物を燃焼させることが可能となるため、カーボン堆積物の洗浄・除去に顕著な効果を発揮する。しかしながら、水の電気分解に際しては、水の導電性を確保するために、電解質として水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを水に溶解させた電解液を使用する必要がある。この電解液(水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液)は強アルカリ性であり、アルミニウムをはじめ錫,鉛,亜鉛等からなる金属部品に対して腐食性を有している。
【0006】
車両や船舶の内燃機関を洗浄するためには、800リットル/h~2000リットル/h程度の酸水素ガスを必要とし、そのためには200ボルト程度の電圧を印加し、4000ワット~6500ワット程度の電力,20アンペアから32.5アンペア程度の電流で電解液を電気分解する必要がある。電解液の電気分解は吸熱反応であり、必要量の酸水素ガスを生成するために印加する電圧によって電解液の温度は略80℃程度まで上昇し、電解液が蒸発をする。加えて、電解槽から内燃機関に供給する迄の移送距離が短いため、蒸発した電解液水蒸気の温度が下がらないまま生成された酸水素ガスとともに内燃機関に供給される怖れがある。
【0007】
酸水素ガスによってカーボン堆積物を洗浄する車両や船舶等の内燃機関のインテークマニホールド等の吸気側の部品は殆どがアルミニウム製であり、錫,鉛,亜鉛等からなる部品も存在する。そのため、強アルカリ性の電解液水蒸気や、電解液水蒸気が液化した電解液が内燃機関に供給されると、アルミニウムや錫,鉛,亜鉛等のアルカリ腐食性の金属部品を腐食させて、内燃機関そのものを損傷する怖れがあるため、これを阻止する必要がある。そのためには、酸水素ガスの生成装置とは別に、電解液水蒸気を冷却するための別体の冷却装置等の設備や電力などの付帯設備も必要となる。
【0008】
そこで、本発明は水の電気分解によって生成した酸水素ガスを使用して内燃機関のカーボン堆積物を洗浄するに際して、酸水素ガスの生成と同期して強アルカリ性の電解液水蒸気が内燃機関に供給されることを阻止し、強アルカリ性の電解液水蒸気によって、内燃機関内部のアルミニウムや錫,鉛,亜鉛等のアルカリ腐食性の金属部品が腐食するのを防止することを新たな課題として設定し、この新たな課題を解決するために、酸水素ガスの生成と電解液水蒸気の除去を1つの装置内で同期して行う内燃機関のカーボン堆積物の洗浄方法及びその装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記した新たな課題を解決するために、電気分解によって酸水素ガスを生成するための水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等の電解液及び電気分解時に発生する電解液水蒸気について鋭意研究を行い、内燃機関への酸水素ガスの供給と電解液水蒸気の供給の阻止を同期して行うために、次の推論を立てた。
推論1:酸水素ガスの生成と同期して電解液水蒸気を除去するためには、酸水素ガスと電解液水蒸気を分離する必要があること。
推論2:酸水素ガスと電解液水蒸気を分離するためには、電解液水蒸気を液化することが必要であること。
推論3:所定量の酸水素ガスを生成するためには電解槽内の電解液の温度は一定以上の温度となり、電解液水蒸気もその温度を概ね維持しているため、液化するためには液化可能な温度まで電解液水蒸気を冷却する手段が必要であること。
推論4:酸水素ガスが通過可能で、液化した電解液水蒸気を捕集可能な除去手段を設置する必要があること。
【0010】
前記した推論1~推論4に基づいて、電解槽で酸水素ガスとともに発生する電解液水蒸気の液化及び冷却について種々の実験・検証を行った結果、次の知見を得た。
知見1:所定量の酸水素ガスを生成するための電解槽内の電解液の温度を測定したところ略80℃であり、この略80℃の電解液水蒸気を酸水素ガスとともに移送した際の温度低下は僅かであって、略75℃程度に留まっていた。この温度では液化せず、又この温度のままでは、酸水素ガスと分離して捕集することは困難であること。
知見2:電解液水蒸気の液化温度について実験・検証を行ったところ、電解液水蒸気のおかれている雰囲気に左右されるものの、概ね常温で液化し、少なくとも35℃以下の温度まで低下すれば殆どが液化し、或いは液化可能な状態となること。
知見3:酸水素ガスはガス体であるため、電解液水蒸気の冷却によっても性状に影響を受けないこと。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
小型めっき装置
2か月前
キヤノン電子株式会社
撥水部材
1か月前
株式会社カネカ
電解装置
3か月前
株式会社カネカ
電解装置
3か月前
株式会社ワンテンス
電解装置
3か月前
株式会社神戸製鋼所
接点材料
3か月前
日本ラック株式会社
めっき治具
3か月前
トヨタ自動車株式会社
水電解装置
29日前
株式会社大阪ソーダ
水素発生電極、及びその製造方法
3か月前
株式会社ナノバブル研究所
微細生成物発生装置
14日前
三恵技研工業株式会社
外装品及びその製造方法
15日前
株式会社神戸製鋼所
端子材料および端子
23日前
トヨタ自動車株式会社
膜電極接合体
1か月前
TDK株式会社
電子部品の製造装置
1か月前
SECカーボン株式会社
カソードアセンブリ
2か月前
株式会社東芝
電解装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
水電解システム
1か月前
株式会社SCREENホールディングス
水電解装置
1か月前
株式会社東芝
電解装置
1か月前
国立大学法人九州工業大学
二酸化炭素還元装置
3か月前
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
電解槽
1か月前
日本水力株式会社
水素製造システム及び水素製造方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
導電材料およびその製造方法
1か月前
株式会社グッドワン
内燃機関のカーボン堆積物の洗浄装置
1か月前
株式会社東芝
固定化システム
1か月前
株式会社豊田中央研究所
複合電解質
3か月前
住友金属鉱山株式会社
金属電着用の陰極板の製造方法
3か月前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
株式会社テックコーポレーション
電解槽
22日前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
日本特殊陶業株式会社
被覆基材
2か月前
エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
銅箔製造装置
4か月前
エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
銅箔製造装置
4か月前
き邦科技股分有限公司
挟持具組立品
3か月前
エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
銅箔製造装置
4か月前
日本碍子株式会社
電気化学セル
1か月前
続きを見る