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公開番号2024048406
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022151505
出願日2022-09-22
発明の名称端子材料および端子
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C25D 7/00 20060101AFI20240402BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】導電性粒子の脱落による接点の短絡を十分に抑制でき、かつ十分な耐微摺動摩耗性および導電性を有する端子材料を提供する。
【解決手段】銅または銅合金からなる母材と、Ni、CoおよびFeからなる群から選択されるいずれか1種以上から構成される1層以上である下地層と、銀含有膜とをこの順に有し、前記銀含有膜は、銀を50質量%以上含む銀めっき層と、前記銀めっき層に接触させた円相当直径が50μm以下の非導電性有機化合物からなる粒子と、を含み、下記微摺動摩耗試験を施したときの銀含有膜側表面の接触抵抗が1mΩ以下である、端子材料。[試験対象である端子材料の銀含有膜側表面に対して曲率半径R=1.8mmの半球状の突起を形成した相手材を、端子材料の銀含有膜側表面に対し、印加する垂直荷重:3N、摺動距離:50μm、摺動速度:100μm/秒で往復摺動させることを1サイクルとして、10000サイクル摺動させる。]
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
銅または銅合金からなる母材と、Ni、CoおよびFeからなる群から選択されるいずれか1種以上から構成される1層以上である下地層と、銀含有膜とをこの順に有し、
前記銀含有膜は、銀を50質量%以上含む銀めっき層と、前記銀めっき層に接触させた円相当直径が50μm以下の非導電性有機化合物からなる粒子と、を含み、
下記微摺動摩耗試験を施したときの銀含有膜側表面の接触抵抗が1mΩ以下である、端子材料。
微摺動摩耗試験:試験対象の前記端子材料と、当該端子材料の銀含有膜側表面に対して曲率半径R=1.8mmの半球状の突起を形成した相手材と、を準備し、前記相手材の前記突起を有する表面を、前記試験対象の前記端子材料の銀含有膜側表面に対し、印加する垂直荷重:3N、摺動距離:50μm、摺動速度:100μm/秒で往復摺動させることを1サイクルとして、10000サイクル摺動させる。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記銀めっき層は銀を90質量%以上含む、請求項1に記載の端子材料。
【請求項3】
前記非導電性有機化合物が、単位分子構造内に、カルボニル基(-C(=O)-)を含み、かつ環構造を有しない、請求項1または2に記載の端子材料。
【請求項4】
請求項1または2に記載の端子材料を用いた端子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は端子材料および端子に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年の自動車軽量化に伴い、自動車に使用されるワイヤハーネスの使用量を低減することが求められている。例えば、エンジン、モーターなどの機器を、それらを制御する電子部品(「ECU」と称する)に直接接続することで、ワイヤハーネスを低減できる。
【0003】
エンジンおよびモーターなどの機器は、激しく振動するため、接続に使用されるコネクタおよびそれを構成する端子は激しい振動にさらされる。振動により、端子において微摺動摩耗(すなわち、微小な摺動が繰返されて接点のめっき等が摩耗する現象)が生じ得る。近年の端子の小型化による接圧の低下および振動環境の悪化により、微摺動摩耗が生じる可能性はさらに高まっている。
【0004】
微摺動摩耗に対して、特許文献1は、銅合金の母材を粗面化し、その上にNiめっき、Cuめっき、及びSnめっきを施してリフロー処理を行い、所定のCu-Sn層をSn層表面に露出させる技術を開示している。この技術によれば、微摺動摩耗が生じにくくなるものの、いったん微摺動摩耗が生じると素材露出まで至りやすいおそれがある。
【0005】
耐摩耗性を向上させるために、Agめっき膜の適用も検討されている。古くからAgめっき膜の高硬度化による耐摩耗性の改善を目的とし、
(1)結晶粒微細化によるAgめっき膜の高硬度化
(2)Agと、Se(セレン)またはSb(アンチモン)等との合金化による高硬度化
等の検討が行われている。しかしながら、上記(1)および(2)のいずれの手法によっても微摺動摩耗に対しては効果が不十分である。また、SeおよびSbは有毒な元素であり、管理に注意を要するうえ、合金化に伴って導電性の低下を招くという問題もある。
【0006】
また、めっき膜の高硬度化以外の着想による耐摩耗性の改善も種々検討されており、主には、非特許文献1および2に開示されるように、
(3)炭素系粒子のAgめっき膜中への共析(分散めっき)による耐摩耗性の改善
の検討も行われている。これらの検討には、主に固体潤滑剤として作用するグラファイト、カーボンブラック(CB)、又はカーボンナノチューブ(CNT)が用いられてきた。実際、非特許文献1においては、Agめっき液中にグラファイト粒子を懸濁させてめっき処理を行ったAg-グラファイト複合めっき膜により、Agめっき膜だけでなく、硬質Ag-Sb合金めっき膜と比較しても良好な耐摩耗性を実現できることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-208904号
【非特許文献】
【0008】
まてりあ、第58巻、第1号(2019)、p41-43
表面技術協会、第81回講演大会要旨集、27A-1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非特許文献1および2に開示されるような上記(3)に係る先行技術では、炭素粒子分散めっきを端子材料に適用して摺動(挿抜)を繰り返すと、接点部の摩耗に従ってめっき膜中に保持されていた炭素粒子が脱落し得る。炭素系粒子は良好な導電性をもつため、端子表面から脱落して接点周囲に堆積すると、接点の短絡を招くおそれがある。また、上記(3)に係る先行技術では、微摺動摩耗を十分に抑制できないおそれもある。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、導電性粒子の脱落による接点の短絡を十分に抑制でき、かつ十分な耐微摺動摩耗性および導電性を有する端子材料および端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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