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公開番号2023161483
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-07
出願番号2022071909
出願日2022-04-25
発明の名称二酸化炭素回収システム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 1/01 20210101AFI20231030BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】二酸化炭素回収量に対して過大なエネルギーが消費されることを抑制することが可能な二酸化炭素回収システムを提供する。
【解決手段】記憶部18は、吸着モード実行時に、二酸化炭素の吸着量の時間経過に伴う変化を示す吸着量変化マップデータと、回収モード実行時に、二酸化炭素吸着量に対する二酸化炭素回収量の割合の時間経過に伴う変化を示す回収率変化マップデータとを記憶する。制御装置17は、吸着量変化マップデータと回収率変化マップデータとに基づいて、二酸化炭素回収量が相対的に大きくなり、かつ、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーの大きさが相対的に低くなる、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを選定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
回収した二酸化炭素を蓄えるための二酸化炭素回収タンク(16)と、
二酸化炭素を吸着可能な吸着材を含む作用極と、前記作用極と対をなす対極とを有する電気化学セルと、前記電気化学セルを収容する筐体とを有する回収器(12)と、
前記吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離する際に、前記吸着材から脱離された二酸化炭素を前記回収器から吸引し、前記二酸化炭素回収タンクへ向けて排出するポンプ(13)と、
前記電気化学セルが二酸化炭素を吸着するように、前記作用極と前記対極との間に第1の電位を印加するか、前記電気化学セルが吸着した二酸化炭素を脱離するように、前記作用極と前記対極との間に第2の電位を印加するかを制御するとともに、少なくとも前記電気化学セルが二酸化炭素を脱離するときに前記ポンプが二酸化炭素の吸引、排出を行なうように前記ポンプを制御する制御装置(17)と、
前記二酸化炭素回収システムにおいて二酸化炭素の吸着が行われる吸着モード実行時に、前記吸着材による二酸化炭素の吸着量の時間経過に伴う変化を示す吸着量変化データと、前記二酸化炭素回収システムにおいて二酸化炭素の回収が行われる回収モード実行時に、前記吸着材の二酸化炭素吸着量に対する前記二酸化炭素回収タンクへの二酸化炭素回収量の割合の時間経過に伴う変化を示す回収率変化データとを記憶する記憶部(18)と、を備え、
前記制御装置は、前記吸着量変化データと前記回収率変化データとに基づき、二酸化炭素回収量が相対的に大きくなり、かつ、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、前記ポンプにより消費されるエネルギーを含む回収モード実行エネルギーの大きさが相対的に低くなる、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する二酸化炭素回収システム。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記吸着材が二酸化炭素を吸着する際に、前記筐体の内部に二酸化炭素を含有した混合ガスを送り込む送風機(19)をさらに備え、
前記制御装置は、前記吸着量変化データと前記回収率変化データとに基づき、二酸化炭素回収量が相対的に大きくなり、かつ、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、前記送風機により消費されるエネルギーを含む吸着モード実行エネルギーと前記ポンプにより消費されるエネルギーを含む回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさが相対的に低くなる、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
前記ポンプが、前記送風機の役割を兼ねる請求項2に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記吸着量変化データを時間を基準として複数のエリアに区分し、各エリア毎の、又は各エリアまでの時間経過により得られる二酸化炭素吸着量と、各エリア毎の、又は各エリアまでの時間経過により必要となる吸着モード実行エネルギーとを定め、
前記回収率変化データを時間を基準として複数のエリアに区分し、各エリア毎の、又は各エリアまでの時間経過により得られる二酸化炭素回収率と、各エリア毎の、又は各エリアまでの時間経過により必要となる回収モード実行エネルギーとを定め、
前記吸着量変化データの各エリアに対して定められた二酸化炭素吸着量及び吸着モード実行エネルギーと、前記回収率変化データの各エリアに対して定められた二酸化炭素回収率及び回収モード実行エネルギーとに基づき、前記吸着量変化データの各エリアと前記回収率変化データの各エリアとをそれぞれ組み合わせた場合の二酸化炭素回収量及び吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーを求め、そして、
求めた二酸化炭素回収量及び合計エネルギーに基づき、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさを算出し、
前記吸着量変化データの各エリアと前記回収率変化データの各エリアとをそれぞれ組み合わせた場合の、二酸化炭素回収量及び所定単位量の二酸化炭素を回収するための合計エネルギーの大きさに基づいて、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する、請求項2又は3に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記吸着量変化データの各エリアと前記吸着量変化データの各エリアとをそれぞれ組み合わせた場合に、二酸化炭素回収量が第1基準値以上となる組み合わせの中で、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさが最も低くなる組み合わせから、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する請求項4に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記吸着量変化データの各エリアと前記吸着量変化データの各エリアとをそれぞれ組み合わせた場合に、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさが第2基準値未満となる組み合わせの中で、二酸化炭素回収量が最も大きくなる組み合わせから、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する請求項4に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
前記制御装置に対して、エネルギー消費量を優先するか、二酸化炭素回収量を優先するかを指示する指示部を備え、
エネルギーの消費量の優先が指示された場合、前記制御装置は、二酸化炭素回収量が第3基準値以上となる組み合わせの中で、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさが最も低くなる組み合わせから、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定し、
二酸化炭素回収量の優先が指示された場合、前記制御装置は、前記吸着量変化データの各エリアと前記吸着量変化データの各エリアとをそれぞれ組み合わせた場合に、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、吸着モード実行エネルギーと回収モード実行エネルギーとの合計エネルギーの大きさが第4基準値未満となる組み合わせの中で、二酸化炭素回収量が最も大きくなる組み合わせから、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定する請求項4に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
前記制御装置は、選定した回収モード実行時間だけ回収モードを実行する際に、前記ポンプの吸引力を規定の吸引力よりも低下した状態で駆動することにより、さらなる回収モード実行エネルギーの低減を図る請求項1乃至3のいずれかに記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
前記電気化学セルを収容する前記筐体は複数設けられ、前記二酸化炭素回収タンクに対して並列に接続され、
前記制御装置は、複数の前記筐体の各々の前記電気化学セルから個別に二酸化炭素を回収する個別回収モードと、少なくとも2個以上の前記筐体の各々の前記電気化学セルから同時に二酸化炭素を回収する同時回収モードとを実行可能である請求項1乃至3のいずれかに記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項10】
前記制御装置は、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを選定した際の、回収モード実行エネルギーの大きさが第5基準値以上である場合、前記同時回収モードを実行する請求項9に記載の二酸化炭素回収システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を分離するガス分離システムが提案されている。このガス分離システムでは、二酸化炭素を含む混合ガスが、電気化学セルが配置された筐体内に導入される。電気化学セルの負極に電子を向かわせる充電モードにおいて、負極に設けられた電気活性材料が還元される。このため、負極における電気活性材料と二酸化炭素との結合が生じて、混合ガスから二酸化炭素が分離される。一方、充電モード中の電子流とは逆方向に電子流を生じさせる放電モードにおいて、負極における電気活性材料が酸化される。これにより、負極の電気活性材料から二酸化炭素が放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-533470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気化学セルを用いた二酸化炭素回収システムにおいて、二酸化炭素の吸着時に、送風機などにより二酸化炭素を含む混合ガスが電気化学セルに送り込まれたり、二酸化炭素の放出時に、ポンプなどにより電気化学セルから二酸化炭素が吸引されたりすることがあり得る。このように、二酸化炭素の吸着時や放出時には、送風機やポンプなどにより電気エネルギーが消費される。
【0005】
従って、単に、二酸化炭素の回収量を最大化するように、二酸化炭素回収システムを駆動すると、二酸化炭素回収システムにおいて、二酸化炭素の回収量に対して過大なエネルギーが消費されてしまう可能性がある。
【0006】
本開示は、上述した点に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素回収量に対して過大なエネルギーが消費されることを抑制することが可能な二酸化炭素回収システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示による二酸化炭素回収システムは、電気化学反応によって、二酸化炭素を含有する混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
回収した二酸化炭素を蓄えるための二酸化炭素回収タンク(16)と、
二酸化炭素を吸着可能な吸着材を含む作用極と、作用極と対をなす対極とを有する電気化学セルと、電気化学セルを収容する筐体とを有する回収器(12)と、
吸着材が吸着した二酸化炭素を脱離する際に、吸着材から脱離された二酸化炭素を回収器から吸引し、二酸化炭素回収タンクへ向けて排出するポンプ(13)と、
電気化学セルが二酸化炭素を吸着するように、作用極と対極との間に第1の電位を印加するか、電気化学セルが吸着した二酸化炭素を脱離するように、作用極と対極との間に第2の電位を印加するかを制御するとともに、少なくとも電気化学セルが二酸化炭素を脱離するときにポンプが二酸化炭素の吸引、排出を行なうようにポンプを制御する制御装置(17)と、
二酸化炭素回収システムにおいて二酸化炭素の吸着が行われる吸着モード実行時に、吸着材による二酸化炭素の吸着量の時間経過に伴う変化を示す吸着量変化データと、二酸化炭素回収システムにおいて二酸化炭素の回収が行われる回収モード実行時に、吸着材の二酸化炭素吸着量に対する二酸化炭素回収タンクへの二酸化炭素回収量の割合の時間経過に伴う変化を示す回収率変化データとを記憶する記憶部(18)と、を備え、
制御装置は、吸着量変化データと回収率変化データとに基づき、二酸化炭素回収量が相対的に大きくなり、かつ、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、ポンプにより消費されるエネルギーを含む回収モード実行エネルギーの大きさが相対的に低くなる、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせを決定するように構成される。
【0008】
本開示による二酸化炭素回収システムによれば、上述したように、制御装置により、二酸化炭素回収量が相対的に大きくなり、かつ、所定単位量の二酸化炭素を回収するための、ポンプにより消費されるエネルギーを含む回収モード実行エネルギーの大きさが相対的に低くなる、吸着モード実行時間と回収モード実行時間との組み合わせが決定される。そして、制御装置は、決定した吸着モード実行時間に従って二酸化炭素回収システムを吸着モードにて動作させ、その後、決定した回収モード実行時間に従って二酸化炭素回収システムを回収モードにて動作させる。その結果、二酸化炭素回収システムのエネルギー消費量を抑えつつ、二酸化炭素回収量を確保することができるようになる。
【0009】
上記括弧内の参照番号は、本開示の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本開示の範囲を制限することを意図したものではない。
【0010】
また、上述した本開示の特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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