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公開番号2024132400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043142
出願日2023-03-17
発明の名称制動装置
出願人株式会社アドヴィックス
代理人個人,個人
主分類B60T 8/00 20060101AFI20240920BHJP(車両一般)
要約【課題】電気モータを有する制動装置の制御装置に関して、制動力を一定に保持する場合において電気モータの過熱を抑制する。
【解決手段】車両の制動装置20は、電気モータ513を駆動源とする電動シリンダ51を有する第1制動部50を備えている。制動装置20は、ホイールシリンダ11に接続する流路に設けられている差圧調整弁621を有する第2制動部23を備えている。電動シリンダ51が発生させる液圧を第1制動圧として、差圧調整弁621が調整する差圧を第2制動圧とする。制御装置100は、ホイールシリンダ11の液圧の目標値を目標WC圧として、目標WC圧よりも低い値に第1制動圧を保持するように電気モータ513の正転と逆転とを繰り返すとともに、差圧調整弁621の閉弁力を調整することによって、第1制動圧と第2制動圧との和によって目標WC圧を満たすように第1制動圧及び第2制動圧を発生させる過熱抑制処理を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1ホイールシリンダ及び第2ホイールシリンダと、前記第1ホイールシリンダの液圧に応じた摩擦制動力を発生する第1車輪と、前記第2ホイールシリンダの液圧に応じた摩擦制動力を発生する第2車輪と、を備える車両に適用される制動装置であって、
ブレーキ液を貯留するリザーバタンクと、
シリンダとピストンと電気モータとによって構成されている電動シリンダを有し、前記リザーバタンクから供給されるブレーキ液を、前記電気モータの駆動に応じて移動する前記ピストンによって吐出することで、前記第1ホイールシリンダの液圧及び前記第2ホイールシリンダの液圧を調整することができる第1制動部と、
前記第1ホイールシリンダと前記第1制動部との間に介在するものであり、前記第1制動部から供給されるブレーキ液によって前記第1ホイールシリンダの液圧を調整することができる第2制動部と、
前記第1制動部及び前記第2制動部を制御する制御装置と、を備え、
前記第1制動部によってブレーキ液が加圧されることによる液圧の大きさを第1制動圧として、
前記第2制動部は、
前記第1ホイールシリンダに接続されている液圧回路と、
前記第1制動部と前記液圧回路とを接続する流路の間に配置されており、前記第1制動圧と前記液圧回路における液圧との差圧を調整する常開型の電磁弁であり、前記液圧回路における液圧を前記第1制動圧よりも高く調整できる差圧調整弁と、を備えるものであり、
前記制御装置は、
前記車両が停止している場合に、
前記第1ホイールシリンダの液圧を保持する目標値を目標WC圧として、前記差圧調整弁によって調整される差圧を第2制動圧として、
前記目標WC圧よりも低い値に前記第1制動圧を保持するように前記電気モータを第1方向に回転させる制御と前記第1方向とは反対方向である第2方向に前記電気モータを回転させる制御とを交互に繰り返すとともに、前記差圧調整弁の閉弁力を調整することによって、前記第1制動圧と前記第2制動圧との和によって前記目標WC圧を満たすように前記第1制動圧及び前記第2制動圧を発生させる過熱抑制処理を実行する
制動装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記過熱抑制処理の実行中において所定条件が成立した場合には、前記第1制動圧を前記目標WC圧以上へ一時的に増大させる
請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記第2制動部は、前記第1ホイールシリンダと前記第1制動部との間及び前記第2ホイールシリンダと前記第1制動部との間に介在するものであり、前記第1制動部から供給されるブレーキ液によって前記第1ホイールシリンダの液圧及び前記第2ホイールシリンダの液圧を調整することができるものであり、
前記液圧回路は、第1液圧回路であり、
前記差圧調整弁は、第1差圧調整弁であり、
前記第2制動部は、
前記第2ホイールシリンダに接続されている第2液圧回路と、
前記第1制動部と前記第2液圧回路とを接続する流路の間に配置されており、前記第1制動圧と前記第2液圧回路における液圧との差圧を調整する常開型の電磁弁であり、前記第2液圧回路における液圧を前記第1制動圧よりも高く調整できる第2差圧調整弁と、をさらに備え、
前記制御装置は、
前記過熱抑制処理として、
前記第1差圧調整弁及び前記第2差圧調整弁のうち少なくとも前記第1差圧調整弁を制御対象弁として、前記第1液圧回路及び前記第2液圧回路のうち前記制御対象弁を備える液圧回路を対象液圧回路として、前記第1ホイールシリンダ及び前記第2ホイールシリンダのうち前記対象液圧回路に接続されているホイールシリンダの液圧を保持する目標値を前記目標WC圧として、前記制御対象弁によって調整される差圧を前記第2制動圧として、
前記目標WC圧よりも低い値に前記第1制動圧を保持するように前記電気モータを前記第1方向に回転させる制御と前記第2方向に前記電気モータを回転させる制御とを交互に繰り返すとともに、前記制御対象弁の閉弁力を調整することによって、前記第1制動圧と前記第2制動圧との和によって前記目標WC圧を満たすように前記第1制動圧及び前記第2制動圧を発生させる
請求項1又は2に記載の制動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制動装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気モータによって駆動される電動ピストンブレーキ装置が開示されている。この装置について、電気モータの正転と逆転とを繰り返すことによってピストン位置を保持する制御を行うことで、ピストン位置を保持しつつ電気モータの過熱を抑制することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
独国特許出願公開第102019215313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているようなピストン位置を保持する制御をピストンによって加圧する液圧を高くした状態で行おうとすると、電気モータにかかる負荷が大きくなりやすい。このため、液圧を高くした状態を保持する時間が長くなると、電気モータの温度上昇を抑制できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための制動装置は、第1ホイールシリンダ及び第2ホイールシリンダと、前記第1ホイールシリンダの液圧に応じた摩擦制動力を発生する第1車輪と、前記第2ホイールシリンダの液圧に応じた摩擦制動力を発生する第2車輪と、を備える車両に適用される制動装置であって、ブレーキ液を貯留するリザーバタンクと、シリンダとピストンと電気モータとによって構成されている電動シリンダを有し、前記リザーバタンクから供給されるブレーキ液を、前記電気モータの駆動に応じて移動する前記ピストンによって吐出することで、前記第1ホイールシリンダの液圧及び前記第2ホイールシリンダの液圧を調整することができる第1制動部と、前記第1ホイールシリンダと前記第1制動部との間に介在するものであり、前記第1制動部から供給されるブレーキ液によって前記第1ホイールシリンダの液圧を調整することができる第2制動部と、前記第1制動部及び前記第2制動部を制御する制御装置と、を備え、前記第1制動部によってブレーキ液が加圧されることによる液圧の大きさを第1制動圧として、前記第2制動部は、前記第1ホイールシリンダに接続されている液圧回路と、前記第1制動部と前記液圧回路とを接続する流路の間に配置されており、前記第1制動圧と前記液圧回路における液圧との差圧を調整する常開型の電磁弁であり、前記液圧回路における液圧を前記第1制動圧よりも高く調整できる差圧調整弁と、を備えるものであり、前記第1ホイールシリンダの液圧を保持する目標値を目標WC圧として、前記差圧調整弁によって調整される差圧を第2制動圧として、前記目標WC圧よりも低い値に前記第1制動圧を保持するように前記電気モータを第1方向に回転させる制御と前記第1方向とは反対方向である第2方向に前記電気モータを回転させる制御とを交互に繰り返すとともに、前記差圧調整弁の閉弁力を調整することによって、前記第1制動圧と前記第2制動圧との和によって前記目標WC圧を満たすように前記第1制動圧及び前記第2制動圧を発生させる過熱抑制処理を実行することをその要旨とする。
【0006】
上記構成では、車両が停止している場合に特定のホイールシリンダにおける目標WC圧を保持する際には、第1制動部及び第2制動部の両方を制御するようにしている。このため、電気モータを第1方向に回転させる制御と第2方向に回転させる制御とを交互に繰り返すことによって保持させる液圧を、目標WC圧から第2制動圧を引いた値まで低くすることができる。電動シリンダによって保持させる液圧を低く抑えることによって、ホイールシリンダの液圧を高く保持する状態が継続しても電気モータの温度上昇を抑制できる。このため、電気モータの過熱を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、制動装置の一実施形態を示す模式図である。
図2は、図1の制動装置が備える制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図3は、図1の制動装置が備える制御装置が過熱抑制処理を実行した場合におけるホイールシリンダの液圧の推移を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、制動装置の一実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
図1は、車両の制動装置20を示す。制動装置20は、車両の車輪に制動力を付与することができる制動部を備えている。制動装置20は、制動部として第1制動部50及び第2制動部23を備えている。制動装置20は、制動部を制御することができる制御装置100を備えている。
【0009】
図1には、車両の車輪として、前輪FL,FR及び後輪RL,RRを示している。車両は、制動操作部材21を備えている。制動操作部材21は、車両の運転者によって操作が可能である。制動操作部材21の一例は、ブレーキペダルである。
【0010】
制御装置100は、車両が備える処理回路の一例である。車両は、制御装置100に限らず、他の処理回路を備えていてもよい。制御装置100が実現する機能の一部は、他の処理回路によって実現されてもよい。車両が備える処理回路同士は、互いに情報の送受信が可能なように接続されているとよい。例えば、車両が備える車載ネットワークに各処理回路が接続されている構成を採用できる。車載ネットワークに接続されている各処理回路は、車載ネットワークを介して相互に通信が可能である。車載ネットワークには、例えば、車両が備える各種センサ等の検出系が接続されていてもよい。他の処理回路の一例として、自動運転制御装置が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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