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公開番号
2024131779
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023042238
出願日
2023-03-16
発明の名称
被験物質に対する細胞群の免疫応答の評価方法
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/53 20060101AFI20240920BHJP(測定;試験)
要約
【課題】従来、ワクチン効果を判定するために、ヒト末梢血単核球(PBMC)に抗原を混和しELISpotアッセイによって24-48時間という長時間をかけて検査をしている。しかし検査に長時間かかることは結果のスループットが悪いだけでなく、長時間の培養によって細胞の性質が変化することも懸念される。本発明の目的は、これらの課題を解決し、細胞群の免疫応答の簡便かつ迅速な評価方法を提供することにある。
【解決手段】被験物質に対する細胞群の免疫応答の評価方法であって、前記細胞群に前記被験物質を添加した第一の試料の自家蛍光情報である第一の自家蛍光情報と、前記第一の試料の対照となる第二の試料の自家蛍光情報である第二の自家蛍光情報
の比較に基づき前記細胞群の前記被験物質に対する免疫応答の評価方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
被験物質に対する細胞群の免疫応答の評価方法であって、
前記細胞群に前記被験物質を添加した第一の試料の自家蛍光情報である第一の自家蛍光情報と、
前記第一の試料の対照となる第二の試料の自家蛍光情報である第二の自家蛍光情報
の比較に基づき前記細胞群の前記被験物質に対する免疫応答を評価する方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記自家蛍光情報は、青色自家蛍光の輝度値(I
B
)と緑色自家蛍光の輝度値(I
G
)に関する情報を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自家蛍光情報は、それぞれの試料の個々の細胞の、青色自家蛍光の輝度値(I
B
)と緑色自家蛍光の輝度値(I
G
)の比の値(I
G
/I
B
)の情報を含み、
それぞれの試料の個々の細胞のI
G
/I
B
の分布に基づいて、前記第一の自家蛍光情報と前記第二の自家蛍光情報を比較する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第二の試料は、
前記細胞群に前記被験物質を添加しない、
前記細胞群に前記被験物質を前記第一の試料とは異なる量添加する、
前記細胞群に前記被験物質の代替物質を添加する、又は
前記細胞群に前記被験物質を添加する、ただし、添加後の経過時間が前記第一の試料とは異なる、
ことによって調製される請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記青色自家蛍光は、中心波長が320nm~370nmの範囲にある励起光を照射した際に観察される自家蛍光であり、
前記緑色自家蛍光は、中心波長が360nm~490nmの範囲にある励起光を照射した際に観察される自家蛍光である、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記青色自家蛍光は、420nm~500nmの範囲に観察される自家蛍光であり、前記緑色自家蛍光は、500nm~580nmの範囲に観察される自家蛍光である、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記自家蛍光情報は、
前記試料に中心波長が320nm~370nmの範囲にある励起光を照射し、前記試料の青色自家蛍光画像を取得する工程、
前記試料に中心波長が360nm~490nmの範囲にある励起光を照射し、前記試料の緑色自家蛍光画像を取得する工程、及び
得られた青色自家蛍光画像と緑色自家蛍光画像を解析し、細胞ごとの自家蛍光情報を取得する工程、
を含む工程によって取得される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞群が、T細胞、B細胞、その他のリンパ球を少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞群が、PBMC(末梢血単核球)である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記被験物質が抗原、抗原タンパク質、抗原ペプチド、ワクチン、病原体から選択される少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験物質に対する細胞群の免疫応答を評価する方法、情報方法、情報処理装置、情報処理プログラム、及び被験物質に対する細胞群の免疫応答を評価するためのシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒトを含む動物には、体内に侵入する病原体や毒素、がん細胞などの異物を不活化することで防御する仕組み、すなわち免疫系が備わっている。免疫系には、異物を非特異的に認識して迅速に反応する初期応答、すなわち自然免疫と、異物又はその一部を「抗原」として特異的に認識して反応する「抗原特異的免疫応答」(獲得免疫、適応免疫ともいう)とがある。
【0003】
抗原特異的免疫応答には、T細胞やB細胞といった免疫細胞が関わっており、過去に遭遇した抗原の情報を記憶し、同じ抗原に再度遭遇した際に迅速に応答する仕組みが備わっている。よって、免疫細胞の抗原特異的免疫応答を評価することは、感染症、がん、アレルギー、自己免疫疾患などの疾病の検査や研究、ワクチンなど抗原として免疫系に作用する薬剤の評価などで有用である。
【0004】
細胞の抗原特異的免疫応答を評価する代表的な方法としては、T細胞又はその他の免疫細胞を抗原により刺激し、該抗原に対する免疫細胞の応答の結果として分泌される免疫エフェクター分子(例えばIFN-γなどのサイトカイン)を検出する方法が知られている。
例えば、ELISpot(Enzyme-Linked ImmunoSpot)アッセイは、固相表面に結合した、免疫エフェクター分子に対する抗体を使用し、該固相上で培養した細胞から分泌される免疫エフェクター分子を捕捉し、細胞を除いて固相表面を洗浄したのち、標識抗体を使用して該分子を可視化することで、該分子を分泌した細胞を計数する方法である(非特許文献1)。また、FluoroSpotアッセイは、蛍光標識抗体を免疫エフェクター分子の可視化に用いること以外は、ELISpotと同様の仕組みで抗原特異的免疫応答を評価する方法であるが、蛍光波長の異なる複数の標識抗体を用いることで、複数種類の免疫エフェクター分子を同時に検出することができる(非特許文献2)。ELISpotアッセイやFluoroSpotアッセイは、高感度であり、1細胞レベルでの評価が可能であることから、医療検査や医薬品開発で広く使用されている。例えば、結核感染の有無の検査や、ワクチンの候補材料の効果の確認などで使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
J.Immunol.Methods,128,65-73,1990
Cells,3(4),1102-1115,2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、ELISpotアッセイやFluoroSpotアッセイは、細胞の抗原特異的免疫応答を評価する優れた方法であるが、操作が煩雑であり、作業の習熟が必要であった。さらに、可視化するために十分な量の免疫エフェクター分子が分泌されるまで細胞を培養する必要があり、通常、1~2日あるいはそれ以上の検査時間を要していた。よって、感染症などで迅速な検査が必要な場合や、医薬品開発で多数の候補物質又は検体を評価する必要がある場合において、ELISpotアッセイやFluoroSpotアッセイに代わる、より簡便かつ迅速な評価方法が求められていた。
例えば、従来、ワクチン効果を判定するために、ヒト末梢血単核球(PBMC)に抗原を混和しELISpotアッセイによって24-48時間という長時間をかけて検査をしている。しかし検査に長時間かかることは結果のスループットが悪いだけでなく、長時間の培養によって細胞の性質が変化することも懸念される。
【0007】
本発明の目的は、これらの課題を解決し、細胞群の被験物質に対する免疫応答の簡便かつ迅速な評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、細胞を抗原刺激した後に、免疫エフェクター分子の分泌よりも早期に現れ、かつ簡易に検出できる細胞の変化を探索した。その結果、細胞の自家蛍光、すなわち、特定の波長の励起光を細胞に照射した際に、当該細胞が持つ内因性蛍光物質から発せられる蛍光が、抗原刺激後短時間で変化することを見いだした。さらに本発明者らは、この変化が細胞の抗原特異的免疫応答と相関することを見いだし、本発明を成すに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、被験物質に対する細胞群の免疫応答の評価方法であって、前記細胞群に前記被験物質を添加した第一の試料の自家蛍光情報である第一の自家蛍光情報と、前記第一の試料の対照となる第二の試料の自家蛍光情報である第二の自家蛍光情報の比較に基づき前記細胞群の前記被験物質に対する免疫応答の評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
細胞群の被験物質への免疫応答を評価するにあたり、該細胞群に被験物質を添加してから1時間程度で結果を得られ、従来より短時間で検査することができる。
また被験物質を添加し静置した後に撮像解析システムにて画像を取得するだけの簡易な操作法によって、細胞群の被験物質への反応性を評価することができる。
内因性蛍光物質を測定するために、細胞内分子を可視化するための染色操作も不要であり、細胞に対して不必要な刺激を与えることなく測定できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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