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公開番号2024130971
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040960
出願日2023-03-15
発明の名称運行ダイヤ作成装置および方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類B61L 27/12 20220101AFI20240920BHJP(鉄道)
要約【課題】
決定変数の次元が膨大となる運行ダイヤの作成を数理最適化処理により、効率的に実現することを課題とする。
【解決手段】
交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置10において、入力情報を受け付ける入力部11と、入力情報に基づいて、運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部12と、初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部13と、運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部15を有する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置において、
入力情報を受け付ける入力部と、
前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部と、
前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部と、
前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部を有する運行ダイヤ作成装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記運行ダイヤの初期配置および調整配置は、前記乗降場所および前記乗り場、その利用順および前記移動体の順序の軸を有する3次元グラフである運行グラフで表現される運行ダイヤ作成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記移動体は列車であり、
前記運行グラフは、前記列車が利用する駅および番線を示す駅番線ノード、前記列車を区間ごとに区分した部分列車を示す部分列車ノード、前記駅番線ノードとこれを利用する部分列車を利用順序で接続する駅番線リンクおよび各列車が利用する線路およびその利用順序を示す線路リンクで構成される運行ダイヤ作成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記最適化処理部は、前記列車の運行間隔および/または前記駅での停車時間の平準化の程度を示すKPI情報を用いて、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において
さらに、時間の範囲で確率的に変更した時間マージンを算出する時間マージン算出部を有し、
前記グラフ解析部は、前記運行ダイヤにおける最終決定前の時刻を算出し、
前記最適化処理部は、前記時間マージンの示す範囲で、前記最終決定前の時刻を調整することで、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において、
列車運行シミュレータにより、作成された前記運行ダイヤに応じたシミュレーションを実行することで、当該運行ダイヤを可視化した結果を出力する出力部をさらに有する運行ダイヤ作成装置。
【請求項7】
運行ダイヤ作成装置による交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成方法において、
入力部により、入力情報を受け付け、
ダイヤ初期配置生成部により、前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成し、
グラフ解析部により、前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成し、
最適化処理部により、前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記運行ダイヤの初期配置および調整配置は、前記乗降場所および前記乗り場、その利用順および前記移動体の順序の軸を有する3次元グラフである運行グラフで表現される運行ダイヤ作成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記移動体は列車であり、
前記運行グラフは、前記列車が利用する駅および番線を示す駅番線ノード、前記列車を区間ごとに区分した部分列車を示す部分列車ノード、前記駅番線ノードとこれを利用する部分列車を利用順序で接続する駅番線リンクおよび各列車が利用する線路およびその利用順序を示す線路リンクで構成される運行ダイヤ作成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記最適化処理部により、前記列車の運行間隔および/または前記駅での停車時間の平準化の程度を示すKPI情報を用いて、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、業務における計画を作成する技術に関し、その中でも特に、交通機関の運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置および方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
交通機関は、社会インフラ系の事業の一例であり、業務を滞りなく実施することは不可欠である。このため、交通機関の業務において、滞りが発生すれば多くの人の社会生活に重大な影響を及ぼすことになる。そこで、交通機関の業務を滞りなく遂行する上では、事前に、いつ、どこで、何を行うか、との業務についての計画を立案しておくことが重要である。このように、事前に計画を立案すること、業務当日はその計画に沿って業務を行うことでスムーズに業務を実施することができる。この業務としては、交通機関の運行があり、その計画の一例としては、交通機関における運行ダイヤが挙げられる。
【0003】
かかる運行ダイヤ等の計画の作成については、脱属人的かつ客観的指標に基づいて行われることが望まれる。このためには、運行ダイヤの自動化により実現することが可能である。このような、自動的な運行ダイヤの作成に関しては、特許文献1が提案されている。特許文献1では、「移動体に遅延の影響の最小化や、乗客の利便性の向上の観点から複数の番線を効率的に割り当てる番線計画作成装置を提供する」ことを課題とする。このために、特許文献1の「番線計画作成装置101は、複数の番線の番線情報DB310と、少なくとも1台の移動体が番線を占有する時間を含む占有情報DB320とに基づき、複数の番線の中から移動体が占有する番線を選択する番線選択部を備える。番線決定部(番線選択部)は、計画条件作成部200及び番線計画最適化部240を備える」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-112960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、移動体、つまり、列車が使用する「駅」の滞在時間が定められていることを前提として、移動体が利用する「番線」を決定し、これに基づき、「番線」を含む番線計画が作成している。
【0006】
ここで、運行ダイヤ等の計画の作成においては、列車等の移動体における「駅」、「番線」、「線路」、「順序」および「時刻」を特定することが必要である。しかしながら、特許文献1では、上述のように、「番線」しか決定できない。このため、特許文献1では、他の「線路」などの要件を人手で定めることが必要であり、脱属人的かつ客観的指標に基づいた作成は困難であった。
【0007】
また、運行ダイヤの改正を含む運行ダイヤの作成においては、様々な制約を満たす複雑な問題を解決すること必要がある。このような、複雑な問題を解決する手法として、数理最適化(単に最適化)が提案されている。ここで、運行ダイヤの作成においては、多数の駅、経路、運行時間が長時間にわたることから、大量のデータ、情報を扱うことになる。
【0008】
このため、「駅」、「番線」、「線路」、「順序」および「時刻」のそれぞれを、数理最適化処理により求めようとすると、決定変数の次元が膨大になり、実際に運用することは非常に困難である。そこで、本発明では、このような課題を鑑み、運行ダイヤ等の計画の作成を効率的に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明では、交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤの作成において、移動体の利用する駅、番線、線路および順序については、シミュレーションで特定し、時刻については数理最適化処理により特定する。
【0010】
より具体的な本発明の構成は、交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置において、入力情報を受け付ける入力部と、前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部と、前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部と、前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部を有する運行ダイヤ作成装置である。また、本発明には、運行ダイヤ作成装置による運行ダイヤ作成方法も含まれる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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