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公開番号2024130923
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040887
出願日2023-03-15
発明の名称落下防止装置、昇降機、溶接システム、及び落下防止方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F15B 11/02 20060101AFI20240920BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】汎用性が高く、落下直後に昇降体を停止させることができ又は緩やかな速度で降下させることができる、落下防止装置、昇降機、溶接システム、及び落下防止方法を提供する。
【解決手段】昇降体を昇降させる昇降機において、昇降体の落下を防止する落下防止装置であって、昇降機は、昇降体の昇降にともない回転する回転軸を備え、落下防止装置は、回転軸に接続される液圧回路部を備え、液圧回路部は、回転軸に接続される液体モータと、液体モータに液路を介して接続され、液体が貯留される貯留部と、を備え、液体モータの少なくとも一方の出入口と、貯留部の出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、方向制御弁及び流量制御弁の少なくとも1つが配置される、落下防止装置。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
昇降体を昇降させる昇降機において、前記昇降体の落下を防止する落下防止装置であって、
前記昇降機は、前記昇降体の昇降にともない回転する回転軸を備え、
前記落下防止装置は、前記回転軸に接続される液圧回路部を備え、
前記液圧回路部は、
前記回転軸に接続される液体モータと、
前記液体モータに液路を介して接続され、液体が貯留される貯留部と、
を備え、
前記液体モータの少なくとも一方の出入口と、前記貯留部の出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、方向制御弁及び流量制御弁の少なくとも1つが配置される、
ことを特徴とする落下防止装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記液体モータは、
前記貯留部の第1貯留部出入口と液路を介して接続される第1モータ出入口と、
前記貯留部の第2貯留部出入口と液路を介して接続される第2モータ出入口と、
を備え、
前記第1モータ出入口と、前記第1貯留部出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、前記方向制御弁及び前記流量制御弁の少なくとも1つが配置され、
前記昇降体が上昇する場合には、前記第1モータ出入口を介して前記液体モータに液体が流入し、
前記昇降体が降下する場合には、前記第1モータ出入口を介して前記液体モータから液体が流出する、
請求項1に記載の落下防止装置。
【請求項3】
前記液圧回路部は、
前記第1モータ出入口と前記第1貯留部出入口とを接続する第1液路及び第2液路と、
前記第2モータ出入口と前記第2貯留部出入口とを接続する第3液路と、
を備え、
前記第1液路は、少なくとも前記方向制御弁を含み、
前記第2液路は、少なくとも前記流量制御弁を含み、
前記第1液路及び前記第2液路は、前記方向制御弁と、前記流量制御弁と、前記第1モータ出入口と、の間で分岐する、
請求項2に記載の落下防止装置。
【請求項4】
前記第2液路は、圧力制御弁を含み、
前記圧力制御弁は、前記流量制御弁と、前記第1貯留部出入口と、の間に配置される、
請求項3に記載の落下防止装置。
【請求項5】
前記第1液路又は前記第2液路には、前記方向制御弁と前記流量制御弁と前記第1モータ出入口との間において、圧力計測器が配置される、
請求項3又は4に記載の落下防止装置。
【請求項6】
前記方向制御弁は、ヒューズ弁であり、
前記流量制御弁は、絞り弁または流量調整弁である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の落下防止装置。
【請求項7】
前記昇降体に載置されるワークの情報に基づいて、前記流量制御弁及び前記方向制御弁の設定値を制御する制御装置を備える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の落下防止装置。
【請求項8】
前記液体モータは、
前記貯留部の第1貯留部出入口と液路を介して接続される第1モータ出入口と、
前記貯留部の第2貯留部出入口と液路を介して接続される第2モータ出入口と、
を備え、
前記第1モータ出入口と、前記第1貯留部出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、前記方向制御弁及び前記流量制御弁の少なくとも1つが配置され、
前記第2モータ出入口と、前記第2貯留部出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、前記方向制御弁及び前記流量制御弁の少なくとも1つが配置される
請求項1に記載の落下防止装置。
【請求項9】
昇降体を昇降させる昇降機であって、
前記昇降機は、
前記昇降体の昇降にともない回転する回転軸と、
前記昇降体の落下を防止する落下防止装置と、
を備え、
前記落下防止装置は、前記回転軸に接続される液圧回路部を備え、
前記液圧回路部は、
前記回転軸に接続される液体モータと、
前記液体モータに液路を介して接続され、液体が貯留される貯留部と、
を備え、
前記液体モータの少なくとも一方の出入口と、前記貯留部の出入口と、の間を接続する単一又は複数の液路には、方向制御弁及び流量制御弁の少なくとも1つが配置される、
ことを特徴とする昇降機。
【請求項10】
請求項9に記載の昇降機と、
前記昇降機の前記昇降体に載置されるワークを溶接する溶接装置と、
を備える、ことを特徴とする溶接システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、落下防止装置、昇降機、溶接システム、及び落下防止方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
溶接を行うため、被溶接物(以下、ワークとも呼ぶ。)が搭載され、適切な溶接位置になるようにワークを昇降させる昇降体を備えた昇降機が、従来から知られている。一般的に搭載されるワークの重量は大きいため、昇降体を支持して昇降させる昇降機構に過大な負荷が生じ、昇降機構が破断して昇降体が落下する危険性があった。なお、昇降機構とは、例えば、ボールねじやチェーン等が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、溶接ロボットや自動溶接装置での自動溶接時や手動溶接時等にワークを保持するワーク保持装置が開示され、特に、ワークの3軸方向での姿勢を変更可能な3軸ポジショナーが開示されている。そして、ワーク支持台での床面からの高さを調整する昇降駆動機構として、ボールねじ式の昇降機構が利用されている。何らかの原因でボールねじのねじ軸が破断した場合、昇降面板や傾動面板、ワーク支持台を有しているアームが落下することになるため、これを防止するための構造が提案されている。
【0004】
具体的には、特許文献1には、ボールネジのネジ軸の下端面とそのネジ軸の下端面に対向するコラム部の底壁との間にクラッチ機構を配置し、何らかの原因でボールネジのネジ軸の段差部で破断することがあっても、この破断に伴う落下は小間隙隔てて対置しているクラッチ板の凸条突起の凹溝への嵌り込みで受け止めることが開示されている。これにより、昇降面板や傾動面板あるいはワーク支持台を有しているアームの落下防止を図っている。
【0005】
しかしながら、落下の際、ネジ軸側のクラッチ板突状突起が底壁側凹溝に即座に噛み合うとは限らないため、落下し始めてからブレーキがかかるまでタイムラグがあり、特にワークの重量が大きい場合など使用環境によっては、昇降体が停止する前に最下点まで落下してしまう可能性がある。
【0006】
特許文献2には、縦長の機器本体に設けた、ワーク搭載台やロボット支持アーム等の可動体を装備する昇降体の不用意な落下を防止して安全を確保するための昇降体落下防止装置が開示されている。
【0007】
特許文献2の落下防止装置は、固定係止具と係止駒を備えた移動係止具と、移動係止具を前後に移動させる駆動装置と、を備える。固定係止具は、縦方向に間隔をあけて形成された二以上の受歯を備える。係止駒は、縦方向に間隔をあけて形成された二以上の係止歯を備える。係止駒は、移動係止具の保持具に昇降可能に設けられて係止駒の係止歯が固定係止具の受歯と対向する。受歯は、係止歯側に先鋭な鋸歯状であって、上面が水平状態、底面が先端側から根元側に下り傾斜である。係止歯は、受歯側に先鋭な鋸歯状であって、底面が水平状態、上面が根元側から先端側に向けて下り斜面である。両歯は昇降体の昇降停止時に、移動係止具が駆動装置により固定係止具側に押されると、互いに噛み合い、係止駒の係止歯が受歯により強制的に押し下げられて、係止歯の下水平面が受歯の上水平面に押し付けられて昇降体の落下を防止することを図っている。
【0008】
しかしながら、昇降体の昇降時には、移動係止具が固定係止具から後退して係止歯と受歯の噛み合いを開放する必要があるため、昇降体の昇降時には落下防止が機能しない。
【0009】
なお、特許文献1及び2のような昇降体の落下を防止する機械的機構ではなく、昇降体が落下したことをセンサ等で検知することで、電気信号を用いて落下防止装置を制御して、昇降体の落下を防止する電気的機構を採用することも考えられる。しかしながら、電気信号による制御は、装置の複雑化を招来し、汎用性も低いため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2005-211961号公報
特開2012-115986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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