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公開番号
2024089136
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-03
出願番号
2022204317
出願日
2022-12-21
発明の名称
液圧システム
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
F15B
11/08 20060101AFI20240626BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約
【課題】第1両方向ポンプに対して第2両方向ポンプが付加された構成においてロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生することを簡易的に防止することができる液圧システムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る液圧システム1Aは、ヘッド側ライン21およびロッド側ライン22により片ロッドシリンダ4と接続される第1両方向ポンプ2と、第1給排ライン31によりヘッド側ライン21と接続される第2両方向ポンプ3と、第2給排ライン71により第2両方向ポンプ3と接続されるアキュムレータ7を含む。さらに、液圧システム1Aは、ヘッド側ライン21、ロッド側ライン22および第2給排ライン71と接続される低圧選択弁6を含む。第2給排ライン71は、中継ライン72により、ヘッド側ライン21とロッド側ライン22とを接続するブリッジライン54における一対のチェック弁55,56の間の部分と接続されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ヘッド側室およびロッド側室を含む片ロッドシリンダ用の液圧システムであって、
ヘッド側ラインにより前記ヘッド側室と接続されるとともに、ロッド側ラインにより前記ロッド側室と接続される第1両方向ポンプと、
第1給排ラインにより前記ヘッド側ラインと接続される第2両方向ポンプと、
第2給排ラインにより前記第2両方向ポンプと接続されるアキュムレータと、
前記第1両方向ポンプおよび前記第2両方向ポンプを同方向に駆動する電動モータと、
第1排出ラインにより前記ヘッド側ラインと接続され、第2排出ラインにより前記ロッド側ラインと接続され、第3排出ラインにより前記第2給排ラインと接続され、前記ロッド側室の圧力が前記ヘッド側室の圧力よりも低いときは前記第2排出ラインを前記第3排出ラインと連通させ、前記ヘッド側室の圧力が前記ロッド側室の圧力よりも低いときは前記第1排出ラインを前記第3排出ラインと連通させる低圧選択弁と、
前記ヘッド側ラインと前記ロッド側ラインとを接続するブリッジラインに設けられた、互いに逆向きの一対のチェック弁と、を備え、
前記第2給排ラインは、中継ラインにより前記ブリッジラインにおける前記一対のチェック弁の間の部分と接続されている、液圧システム。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
吸入ラインによりタンクと接続されるとともに、吐出ラインにより前記第2給排ライン、前記第3排出ラインおよび前記中継ラインのいずれかと接続されるチャージポンプをさらに備える、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項3】
前記吐出ラインから分岐して前記タンクにつながるリリーフラインに設けられたリリーフ弁をさらに備える、請求項2に記載の液圧システム。
【請求項4】
前記第2給排ライン、前記第3排出ラインおよび前記中継ラインのいずれかから分岐して前記タンクにつながるリリーフラインに設けられたリリーフ弁をさらに備える、請求項2に記載の液圧システム。
【請求項5】
前記チャージポンプと前記アキュムレータとの間に介在するクーラーをさらに備え、
前記リリーフ弁は、前記アキュムレータを挟んで前記クーラーと反対側に位置する、請求項4に記載の液圧システム。
【請求項6】
前記第3排出ラインに設けられたリリーフ弁をさらに備える、請求項1~5の何れか一項に記載の液圧システム。
【請求項7】
前記低圧選択弁は、電磁式の三位置弁である、請求項1~5の何れか一項に記載の液圧システム。
【請求項8】
前記低圧選択弁は、電磁式の二位置弁である第1電磁弁および第2電磁弁を含み、前記第1電磁弁に前記第1排出ラインおよび前記第3排出ラインが接続され、前記第2電磁弁に前記第2排出ラインおよび前記第3排出ラインが接続される、請求項1~5の何れか一項に記載の液圧システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、片ロッドシリンダ用の液圧システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、片ロッドシリンダと閉ループを形成するように接続される両方向ポンプを含む片ロッドシリンダ用の液圧システムが知られている。例えば、特許文献1には、図7に示すような液圧システム100が開示されている。
【0003】
この液圧システム100は、第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120を含む。第1両方向ポンプ110は、ヘッド側ライン111により片ロッドシリンダ200のヘッド側室210と接続されるとともに、ロッド側ライン112により片ロッドシリンダ200のロッド側室220と接続される。第2両方向ポンプ120は、片ロッドシリンダ200のヘッド側室210とロッド側室220の間の流量差、すなわち流入流量と流出流量との差を解消するためのものであり、給排ライン121によりヘッド側ライン111と接続される。
【0004】
第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120は、電動モータ130により同方向に駆動される。より詳しくは、電動モータ130は、片ロッドシリンダ200を伸長させる際、すなわちロッドを前進させる際に第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120を第1方向に駆動し、片ロッドシリンダ200を短縮させる際、すなわちロッドを後退させる際に第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120を第1方向と反対の第2方向に駆動する。第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120が第1方向に駆動されるとそれらがヘッド側室210へ作動液を吐出し、第1両方向ポンプ110および第2両方向ポンプ120が第2方向に駆動されるとそれらがヘッド側室210から作動液を吸入する。また、液圧システム100では、第2両方向ポンプ120が可変容量型ポンプであり、第2両方向ポンプ120の容量がレギュレータ140によって変更される。
【0005】
液圧システム100では、片ロッドシリンダ200への流入流量または片ロッドシリンダ200からの流出流量に過不足がないときの第2両方向ポンプ120の容量を基準容量とすると、片ロッドシリンダ200の伸長時に第2両方向ポンプ120の容量が基準容量よりも多い場合はロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生する。ロッド側はロッド側室220およびロッド側ライン112であり、ヘッド側はヘッド側室210およびヘッド側ライン111である。逆に、片ロッドシリンダ200の伸長時に第2両方向ポンプ120の容量が基準容量よりも少ない場合はロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方にキャビテーションが発生する。また、片ロッドシリンダ200の短縮時には、第2両方向ポンプ120の容量が基準容量よりも多い場合はロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方にキャビテーションが発生し、第2両方向ポンプ120の容量が基準容量よりも少ない場合はロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生する。レギュレータ140は、これらの圧力の閉じ込みまたはキャビテーションが抑制されるように、片ロッドシリンダ200のヘッド側室210またはロッド側室220の圧力に基づいて制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-245740号公報
特開2002-54602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1の液圧システム100では、ロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生することが制御的に抑制される。これに対し、ロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生することを簡易的に防止したいという要望がある。
【0008】
なお、特許文献2の図2には、従来技術として、片ロッドシリンダに対して両方向ポンプが1つだけ用いられるとともに、ヘッド側ラインとロッド側ラインのうちの圧力の低い方からタンクへの作動液の排出を可能とする低圧選択弁(特許文献2では「フラッシング弁」と称呼)が採用された液圧回路が開示されている。しかし、この液圧回路は、特許文献1の液圧システム100のように第1両方向ポンプに対して第2両方向ポンプが付加されたものではない。
【0009】
そこで、本開示は、第1両方向ポンプに対して第2両方向ポンプが付加された構成においてロッド側およびヘッド側のうちの圧力の低い方に圧力の閉じ込みが発生することを簡易的に防止することができる液圧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、ヘッド側室およびロッド側室を含む片ロッドシリンダ用の液圧システムであって、ヘッド側ラインにより前記ヘッド側室と接続されるとともに、ロッド側ラインにより前記ロッド側室と接続される第1両方向ポンプと、第1給排ラインにより前記ヘッド側ラインと接続される第2両方向ポンプと、第2給排ラインにより前記第2両方向ポンプと接続されるアキュムレータと、前記第1両方向ポンプおよび前記第2両方向ポンプを同方向に駆動する電動モータと、第1排出ラインにより前記ヘッド側ラインと接続され、第2排出ラインにより前記ロッド側ラインと接続され、第3排出ラインにより前記第2給排ラインと接続され、前記ロッド側室の圧力が前記ヘッド側室の圧力よりも低いときは前記第2排出ラインを前記第3排出ラインと連通させ、前記ヘッド側室の圧力が前記ロッド側室の圧力よりも低いときは前記第1排出ラインを前記第3排出ラインと連通させる低圧選択弁と、前記ヘッド側ラインと前記ロッド側ラインとを接続するブリッジラインに設けられた、互いに逆向きの一対のチェック弁と、を備え、前記第2給排ラインは、中継ラインにより前記ブリッジラインにおける前記一対のチェック弁の間の部分と接続されている、液圧システムを提供する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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