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公開番号2024130419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040109
出願日2023-03-14
発明の名称処理装置、監視方法及びプログラム
出願人オムロン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類H02H 9/02 20060101AFI20240920BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成の突入電流制限回路のリレーの状態を監視し、リレーの劣化を検出することが可能な技術を提供する。
【解決手段】電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成であり突入電流制限対象装置の電源線に挿入される突入電流制限回路における前記リレーの状態を監視する処理装置であって、前記突入電流制限回路から出力される電流の値を取得するとともに取得した前記電流の値を用いた指標に対応する判定閾値と前記指標の値とを比較して、少なくとも前記リレーの劣化の有無を判定する、処理装置。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成であり突入電流制限対象装置の電源線に挿入される突入電流制限回路における前記リレーの状態を監視する処理装置であって、
前記突入電流制限回路から出力される電流の値を取得するとともに、取得した前記電流の値を用いた指標に対応する判定閾値と前記指標の値とを比較して、少なくとも前記リレーの劣化の有無を判定する、
処理装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値を第1の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値である初期値よりも小さい所定の値を第1の前記判定閾値として、
前記第1の前記指標の値が前記第1の前記判定閾値以下となった場合に、前記リレーが劣化していると判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記突入電流制限回路からは電源周波数に起因する周期で電流が出力され、
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の1周期目の値と2周期目の値との比の値を、第2の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の1周期目の値と2周期目の値との比の値である初期比より小さい所定の値を第2の前記判定閾値として、
前記第2の前記指標の値が前記第2の前記判定閾値以下となった場合に、前記リレーが劣化していると判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値を第1の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値である初期値よりも大きい所定の値を第3の前記判定閾値として、
前記第1の前記指標の値が前記第3の前記判定閾値以上となった場合に前記リレーに異常があると判定する、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値を第1の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値である初期値を第4の前記判定閾値として、
前記第1の前記指標の値が前記第4の前記判定閾値を超えた場合に、前記突入電流制限対象装置への電力供給に異常があると判定する、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項6】
前記リレーがONした回数を計測するとともに前記リレーがONした回数に対応する所定の劣化判定閾値と前記リレーがONした回数とを比較することにより、さらに前記リレーの劣化の有無を判定する
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項7】
電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成であり突入電流制限対象装置の電源線に挿入される突入電流制限回路における前記リレーの状態を監視する監視方法であって、
前記突入電流制限回路から出力される電流の値を取得する電流値取得ステップと、
前記電流値取得ステップで取得する電流値を用いた指標に対応する判定閾値と前記指標の値とを比較して、少なくとも前記リレーの劣化の有無を判定する判定ステップと、
を有する、監視方法。
【請求項8】
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値を第1の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値よりも小さい所定の値を第1の前記判定閾値として、
前記判定ステップは、
前記第1の前記指標の値が前記第1の前記判定閾値以下となった場合に、前記リレーが劣化していると判定する工程を含む、
ことを特徴とする、請求項7に記載の監視方法。
【請求項9】
前記突入電流制限回路から出力される前記電流は電源周波数に起因する周期を有しており、
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の1周期目の値と2周期目の値との比の値を、第2の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の1周期目の値と2周期目の値との比の値である初期比より小さい所定の値を第2の前記判定閾値として、
前記判定ステップは、
前記第2の前記指標の値が前記第2の前記判定閾値以下となった場合に、前記リレーが劣化していると判定する工程を含む、
ことを特徴とする、請求項7に記載の監視方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の監視方法の各ステップを、演算装置に実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成の突入電流制限回路を備える電気機器を保守する技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えば平滑コンデンサを含む回路を有する電気機器の電源投入時において流れる突入電流を抑制するための技術として、対象装置の電源ラインに突入電流制限回路を設けることが知られている。このような回路の例としては、電源と直列に電流制限抵抗器(例えば、サーミスタ、温度ヒューズ抵抗、セメント抵抗など)を接続したものが存在する。また、この他にも、電流制限抵抗器と並列にリレーなどのスイッチング素子を設けた方式の回路も知られている。このような構成とすることで、通常使用時においてはリレーをONにして電流制限抵抗器を短絡することで、突入電流制限回路で消費される電力を低減させることができる。
【0003】
ところで、このようにリレーを設けた構成の突入電流制限回路においては、リレーの接点が溶着してしまう、或いは逆にリレー接点が閉じなくなってしまうなど、リレーに故障が発生する場合がある。そして、例えばリレー接点が溶着した場合には、電源投入時に電流制限抵抗器を短絡して突入電流が流れることになるため、突入電流制限回路の機能を果たせないということになってしまう。このため、リレーの故障を検出するための技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至3など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-17990号公報
特開2016-213956号公報
特開2020-137220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献に記載の技術によりリレーに故障がある場合にこれを検出したとしても、当該故障の検出までの間に突入電流制限対象装置の電源線に接続されたヒューズが溶断したり、場合によってはコンデンサが故障したり、といった不具合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成の突入電流制限回路のリレーの状態を監視し、リレーの劣化を検出することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明は以下の方法を採用する。即ち、
電流制限抵抗器及びリレーが並列接続された構成であり突入電流制限対象装置の電源線に挿入される突入電流制限回路における前記リレーの状態を監視する処理装置であって、
前記突入電流制限回路から出力される電流の値を取得するとともに、取得した前記電流の値を用いた指標に対応する判定閾値と前記指標の値とを比較して、少なくとも前記リレーの劣化の有無を判定する、
処理装置である。
【0008】
このような構成によれば、きわめて簡易な構成により突入電流制限回路のリレーの劣化を検出し、リレーに故障が生じる前に交換するなどの対応を行うことができる。ひいては発明が適用される機器、該機器を用いた現場の保守性、安全性を高めることができる。
【0009】
また、前記処理装置は、
前記突入電流制限回路に突入電流が流れ、かつ前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値を第1の前記指標とし、
前記突入電流制限回路に初めて突入電流が流れた際に前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値である初期値よりも小さい所定の値を第1の前記判定閾値として、
前記第1の前記指標の値が前記第1の前記判定閾値以下となった場合に、前記リレーが劣化していると判定するのであってもよい。
【0010】
なお、本明細書において、第1、第2などの語は、同種の構成要素や処理などを他と識別するために用いる便宜上のものであり、何らかの順序や優先順位を示す意味で用いるものではない。また上記において「前記リレーがONした直後に前記突入電流制限回路から出力される前記電流の値」とは、リレーONした直後の一瞬の値のみを意味するのではない。例えば、突入電流制限回路から出力される電流が、電源周波数(例えば50Hzなど)に起因する周期性を有している場合において、突入電流制限回路から出力された直後の1周期分の電流値を二乗平均平方根した実効値であってもよいし、リレーONした直後の1周期における波形のピーク時の瞬時値であってもよい(以下同様)。これによれば、予め設定された閾値と取得した電流値との比較を行うのみでリレーの劣化の有無を判定できるため、劣化判定に係る負荷を最小限にしつつ、リレーの劣化を検出することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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