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公開番号2024144927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057108
出願日2023-03-31
発明の名称転落検知装置、転落検知システム、転落検知方法および転落検知プログラム
出願人オムロン株式会社
代理人個人
主分類B61L 23/00 20060101AFI20241004BHJP(鉄道)
要約【課題】軌道上に転落した転落者を確実に検知しつつ、小動物等の侵入による誤検知を回避することが可能な転落検知装置、転落検知システム、転落検知方法および転落検知プログラムを提供する。
【解決手段】転落検知装置4は、走査データ取得部14、転落検知エリア設定部13、検知サイズ設定部17、転落検知部15を備えている。走査データ取得部14は、下走査器32と、上走査器31とからそれぞれ検知結果を取得する。検知サイズ設定部17は、上・下走査器31,32によって走査される上下の転落検知エリアについて、異なる大きさの検知サイズの下限値を設定する。転落検知部15は、上下2つの転落検知エリアにおけるそれぞれの検知結果を用いて、転落者の有無を判定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
プラットホームの下方であって列車が走行する軌道上に設定される転落検知エリアへの前記プラットホームからの転落者を検知する転落検知装置であって、
前記軌道の直上付近に設定される第1転落検知エリアに光を照射してその反射光の強度に応じて物体の有無を検知する第1光走査部と、前記軌道から所定の高さに設定され前記第1転落検知エリアよりも高い位置にある第2転落検知エリアに光を照射してその反射光の強度に応じて物体の有無を検知する第2光走査部と、からそれぞれ検知結果を取得する転落検知情報取得部と、
前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアを設定する転落検知エリア設定部と、
前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアにおけるそれぞれの検知対象サイズを設定するとともに、前記第1転落検知エリアと前記第2転落検知エリアとで異なる大きさの検知対象サイズを設定する検知サイズ設定部と、
前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアにおけるそれぞれの検知結果を用いて、前記転落者の有無を判定する判定部と、
を備えている転落検知装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記検知サイズ設定部は、前記第1転落検知エリアにおける検知サイズの下限値を、前記第2転落検知エリアにおける検知サイズの下限値よりも大きく設定する、
請求項1に記載の転落検知装置。
【請求項3】
前記検知サイズ設定部は、前記第1転落検知エリアにおける検知サイズの下限値を、小動物の大きさよりも大きい値に設定する、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項4】
前記検知サイズ設定部は、前記第2転落検知エリアにおける検知サイズの下限値を、一般的な人の太腿の直径よりも小さい値に設定する、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項5】
前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアにおけるそれぞれの検知時間を設定する検知時間設定部を、さらに備えており、
前記検知時間設定部は、前記第2転落検知エリアにおける検知時間を、飛来物が前記第2転落検知エリアを通過する時間よりも長く設定する、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項6】
前記転落検知エリア設定部は、前記第2転落検知エリアを、前記軌道上に侵入する小動物の体高よりも高い位置に設定する、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項7】
前記第1転落検知エリアまたは前記第2転落検知エリアは、前記列車と前記プラットホームとの間に挟まった前記転落者を検知するために設定されている、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項8】
前記列車が前記プラットホームに入線していないこと検出する列車検知部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項9】
前記転落検知エリア設定部は、前記第1転落検知エリアと前記第2転落検知エリアとを平面視において重複するように設定する、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
【請求項10】
前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアは、前記プラットホームに入線する列車の進行方向に沿って複数設定されており、1つの前記第1転落検知エリアおよび前記第2転落検知エリアにおいて前記列車の2両分の範囲をカバーするように設定されている、
請求項1または2に記載の転落検知装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道駅のプラットホームからの転落者を検知する転落検知装置、転落検知システム、転落検知方法および転落検知プログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道駅では、鉄道利用者が、誤ってプラットホームから軌道上へ転落することがある。また、列車が鉄道駅で停止しているときには、鉄道利用者が、プラットホームと列車との間の隙間へ転落することがある。従来、これら軌道転落および隙間転落を検知して、関係者(指令員、駅係員、車掌あるいは運転士など)に発報するシステムが提案されている。
例えば、特許文献1および2は、レーザを偏向しながら射出して2次元的な走査範囲を形成するレーザスキャナを備えたシステムを開示している。レーザスキャナは、レーザを水平に射出する姿勢で、プラットホームよりも下方かつ軌道よりも上方の高さに設置される。当該高さに形成された水平な走査範囲内の任意領域が、監視領域として設定される。レーザスキャナは、物体が監視領域内に存在するか否かを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-095649号公報
特開2007-038991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のホーム転落検知システムでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたホーム転落検知システムの構成において、例えば、犬やネコ、鳥等の小動物が軌道上に侵入して検知エリア内に滞留した際に、これらの小動物を転落者として誤検知しないように、検知対象サイズの下限値を大きくすることが考えられる。
【0005】
ここで、軌道上に転落した人を確実に検知することができるようにするために、レーザセンサは、軌道の直上から少し上方の高さ領域での検知を狙って配置されている。
このため、例えば、人が軌道上に転落した後、立ち上がった状態では、比較的細い足首付近をレーザセンサが検出した結果、検知対象サイズの下限値未満となり、まだ転落者が軌道上に残っているにもかかわらず、未検知となってしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、軌道上に転落した転落者を確実に検知しつつ、小動物等の侵入による誤検知を回避することが可能な転落検知装置、転落検知システム、転落検知方法および転落検知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る転落検知装置は、プラットホームの下方であって列車が走行する軌道上に設定される転落検知エリアへのプラットホームからの転落者を検知する転落検知装置であって、転落検知情報取得部と、転落検知エリア設定部と、検知サイズ設定部と、判定部と、を備えている。転落検知情報取得部は、軌道の直上付近に設定される第1転落検知エリアに光を照射してその反射光の強度に応じて物体の有無を検知する第1光走査部と、軌道から所定の高さに設定され第1転落検知エリアよりも高い位置にある第2転落検知エリアに光を照射してその反射光の強度に応じて物体の有無を検知する第2光走査部と、からそれぞれ検知結果を取得する。転落検知エリア設定部は、第1転落検知エリアおよび第2転落検知エリアを設定する。検知サイズ設定部は、第1転落検知エリアおよび第2転落検知エリアにおけるそれぞれの検知対象サイズを設定するとともに、第1転落検知エリアと第2転落検知エリアとで異なる大きさの検知対象サイズを設定する。判定部は、第1転落検知エリアおよび第2転落検知エリアにおけるそれぞれの検知結果を用いて、転落者の有無を判定する。
【0008】
ここで、上下に設定された第1転落検知エリアおよび第2転落検知エリアにおいて得られる転落検知情報を取得して転落者の有無を検知する転落検知装置において、下方に設置された第1光走査部によって検知される物体の検知対象サイズが、上方に設置された第2光走査部によって検知される物体の検知対象サイズとは異なるように設定されるとともに、第1光走査部および第2光走査部のそれぞれから取得した転落検知情報に基づいて、転落者の有無を判定する。
【0009】
ここで、第1転落検知エリアは、例えば、軌道の直上付近に設定されており、転落者が軌道上で立った状態では脚部を、転落者が軌道上に寝そべった状態では身体全体を検知する。第2転落検知エリアは、第1転落検知エリアよりも高い、例えば、軌道上の約70~80cmの高さ位置に設定されており、転落者が軌道上に立った状態では太腿から腰、上半身付近を検知する。
【0010】
従来、駅プラットホーム下に設置したレーザセンサによって、軌道上に転落した人を検知する技術が提案されている。しかし、従来技術では、レーザセンサに設定した検知エリア内に、所定サイズ以上の物体が所定時間以上滞留した場合には、転落者ありと判定していたため、動物(ネコなど)や鳥等の小動物が軌道に侵入し、所定時間以上滞留すると、転落者ありと判定されて、誤発報してしまうという課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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