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公開番号2024154540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068401
出願日2023-04-19
発明の名称情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
出願人オムロン株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G05B 19/05 20060101AFI20241024BHJP(制御;調整)
要約【課題】変数プログラミング方式を採用するPLCの過去の制御状態を再現することができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】再現モジュールは、対象期間においてPLCによって記録された時系列データセットに基づいて、対象期間におけるPLCの制御周期ごとの、PLCが保持していた変数値を順次再現する。1以上の可視化モジュールは、再現された変数値を、PLCの制御状態を表す可視化対象の変数値として可視化する。時系列データセットは、対象期間における制御周期ごとの変数値を示す。再現モジュールは、PLCが実行する制御プログラムによって使用される変数のデータ型のサイズ、配列における各配列要素または構造体における各メンバのデータ型のサイズ、および配列要素またはメンバの配置情報を表すデータ型メモリマップを有する。再現モジュールは、データ型メモリマップを用いて、PLCが保持していた変数値を再現する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
情報処理システムであって、
対象期間においてプログラマブルロジックコントローラによって記録された時系列データセットに基づいて、前記対象期間における前記プログラマブルロジックコントローラの制御周期ごとの、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を順次再現する再現モジュールと、
前記再現モジュールによって再現された前記変数値を、前記プログラマブルロジックコントローラの制御状態を表す可視化対象の変数値として可視化する1以上の可視化モジュールとを備え、
前記時系列データセットは、前記対象期間における前記制御周期ごとの前記変数値を示し、
前記再現モジュールは、前記プログラマブルロジックコントローラが実行する制御プログラムによって使用される変数のデータ型のサイズ、配列における各配列要素または構造体における各メンバのデータ型のサイズ、および配列要素またはメンバの配置情報を表すデータ型メモリマップを有しており、
前記再現モジュールは、前記データ型メモリマップを用いて、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた前記変数値を再現する、情報処理システム。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記再現モジュールは、
前記時系列データセットから、前記対象期間における対象時刻に対応するデータを抽出し、抽出したデータに基づいて、前記対象時刻において前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた構造体変数の値を再現し、
前記データ型メモリマップを用いて、構造体における可視化対象のメンバの開始アドレスおよびサイズを特定することにより、再現した前記構造体変数の値から前記可視化対象のメンバの値を再現する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記再現モジュールは、
前記時系列データセットから、前記対象期間における対象時刻に対応するデータを抽出し、抽出したデータに基づいて、前記対象時刻において前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた配列変数の値を再現し、
前記データ型メモリマップを用いて、配列における可視化対象の配列要素の開始アドレスおよびサイズを特定することにより、再現した前記配列変数の値から前記可視化対象の配列要素の値を再現する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1以上の可視化モジュールは、前記再現モジュールによって再現された前記変数値を前記可視化対象の変数値として取得する第1モードと、前記プログラマブルロジックコントローラが現在保持する変数値を前記可視化対象の変数値として取得する第2モードとを有しており、
前記情報処理システムは、
前記第1モードの開始指示に応じて、前記1以上の可視化モジュールと前記再現モジュールとを通信接続し、
前記第2モードの開始指示に応じて、前記1以上の可視化モジュールと前記プログラマブルロジックコントローラとを通信接続する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
プログラマブルロジックコントローラの制御状態を表す可視化対象の変数値を可視化する1以上の可視化モジュールを含む情報処理装置における情報処理方法であって、
対象期間において前記プログラマブルロジックコントローラによって記録された時系列データセットに基づいて、前記対象期間における前記プログラマブルロジックコントローラの制御周期ごとの、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を順次再現するステップと、
再現された前記変数値を、前記可視化対象の変数値として前記1以上の可視化モジュールに送るステップとを備え、
前記時系列データセットは、前記対象期間における前記制御周期ごとの変数値を示し、
前記情報処理装置は、前記プログラマブルロジックコントローラが実行する制御プログラムによって使用される変数のデータ型のサイズ、ならびに配列変数における配列要素または構造体変数におけるメンバのデータ型のサイズおよび配置情報を表すデータ型メモリマップを有しており、
前記変数値を順次再現するステップは、前記データ型メモリマップを用いて、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を再現するステップを含む、情報処理方法。
【請求項6】
プログラマブルロジックコントローラの制御状態を表す可視化対象の変数値を可視化する1以上の可視化モジュールを含むコンピュータに情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
対象期間において前記プログラマブルロジックコントローラによって記録された時系列データセットに基づいて、前記対象期間における前記プログラマブルロジックコントローラの制御周期ごとの、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を順次再現するステップと、
再現された前記変数値を、前記可視化対象の変数値として前記1以上の可視化モジュールに送るステップとを備え、
前記時系列データセットは、前記対象期間における前記制御周期ごとの変数値を示し、
前記コンピュータは、前記プログラマブルロジックコントローラが実行する制御プログラムによって使用される変数のデータ型のサイズ、ならびに配列変数における配列要素または構造体変数におけるメンバのデータ型のサイズおよび配置情報を表すデータ型メモリマップを有しており、
前記変数値を順次再現するステップは、前記データ型メモリマップを用いて、前記プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を再現するステップを含む、プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
生産設備の異常な動作の原因調査のために、生産設備を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)において収集された時系列データを記録し、記録された時系列データを可視化する技術が開発されている。
【0003】
例えば、特開2020-13528号公報(特許文献1)は、PLCにおいて収集された時系列の複数のデバイス値を保存する保存手段と、デバイス値を可視化する複数のソフトウェアモジュールとを有するエンジニアリングツールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-13528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PLCにおいては、制御入出力、内部処理および内部状態の値をPLC固有のメモリマップに割り付ける「アドレスプログラミング方式」から、制御入出力や内部処理および内部状態の値を変数に割り付ける「変数プログラミング方式」が主流となっている。
【0006】
アドレスプログラミング方式を採用するPLCでは、PLCによる制御プログラムの実行中に時々刻々と変化するメモリマップの値をストレージに記憶しておき、エンジニアリングツールが当該ストレージのデータを読み込むことで、PLCにおける過去の制御プログラムの入出力状態および内部状態を再現し、異常解析を支援するソリューションが提案されている。
【0007】
一方、変数プログラミング方式を採用するPLCには、上述したソリューションを適用することが困難である。これは、PLC内部に存在するメモリマップを、エンジニアリングツールが再現することができないことによる。詳細には、エンジニアリングツールは、PLCから時系列のメモリマップの提供を受けるものの、制御プログラムによって使用している変数から、変数の値が格納されるメモリ領域の開始アドレスを取得できないことによる。そのため、エンジニアリングツールは、メモリマップから変数の値を特定することができず、結果的にPLCの過去の制御状態を再現することができない。
【0008】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、変数プログラミング方式を採用するPLCの過去の制御状態を再現することができる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一例によれば、情報処理システムは、再現モジュールと、1以上の可視化モジュールとを備える。再現モジュールは、対象期間においてプログラマブルロジックコントローラによって記録された時系列データセットに基づいて、対象期間におけるプログラマブルロジックコントローラの制御周期ごとの、プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を順次再現する。1以上の可視化モジュールは、再現モジュールによって再現された変数値を、プログラマブルロジックコントローラの制御状態を表す可視化対象の変数値として可視化する。時系列データセットは、対象期間における制御周期ごとの変数値を示す。再現モジュールは、プログラマブルロジックコントローラが実行する制御プログラムによって使用される変数のデータ型のサイズ、配列における各配列要素または構造体における各メンバのデータ型のサイズ、および配列要素またはメンバの配置情報を表すデータ型メモリマップを有する。再現モジュールは、データ型メモリマップを用いて、プログラマブルロジックコントローラが保持していた変数値を再現する。
【0010】
この開示によれば、対象期間においてプログラマブルロジックコントローラのメモリの保持されていた変数値を記録することにより時系列データセットが生成されるため、再現モジュールは、対象期間における制御周期ごとの変数値を取得することができる。そして、データ型メモリマップを用いることにより、構造体変数または配列変数の任意のメンバまたは配列要素の開始アドレスおよびサイズが特定されるため、可視化対象のメンバまたは配列要素の値を再現することができる。したがって、変数プログラミング方式を採用するPLCの過去の制御状態を再現することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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