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公開番号2024129980
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039429
出願日2023-03-14
発明の名称埋設型枠ユニット、及び、壁高欄の施工方法
出願人協立エンジ株式会社
代理人個人
主分類E01D 19/10 20060101AFI20240920BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】従来方法と比較して極めて効率良く施工することができ、工期の大幅な短縮を可能とする壁高欄施工用の埋設型枠ユニット、及び、壁高欄の施工方法を提供する。
【解決手段】複数枚の上側セメント板21及び下側セメント板22によって形成された内側埋設型枠2と、複数枚の外側セメント板31によって形成された外側埋設型枠3と、上側セメント板21と外側セメント板31とを連結するセパレータ5と、内部鉄筋6とによって埋設型枠ユニット1を構成する。上側セメント板21は、左右の側縁部同士が接触した状態で連結固定され、下側セメント板22は、ヒンジを介して上側セメント板21と連結され、回動可能なように構成され、外側セメント板31は、左右の側縁部同士が接触した状態でそれぞれ連結固定され、内部鉄筋6は、主方向鉄筋61と長手方向鉄筋62とによって形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数枚の上側セメント板及び下側セメント板によって形成された内側埋設型枠と、複数枚の外側セメント板によって形成された外側埋設型枠と、所定の間隔を置いて対向する上側セメント板と外側セメント板とを連結するセパレータと、内部鉄筋とによって構成され、
上側セメント板は、埋設型枠ユニットの長手方向に沿って並列され、左右の側縁部同士が接触した状態で連結固定され、
下側セメント板は、ヒンジを介して上側セメント板と連結され、回動可能なように構成され、
外側セメント板は、埋設型枠ユニットの長手方向に沿ってそれぞれ並列され、左右の側縁部同士が接触した状態でそれぞれ連結固定され、
内部鉄筋は、垂直方向に延在し、埋設型枠ユニットの長手方向へ一定の間隔を置いて配置された主方向鉄筋と、埋設型枠ユニットの長手方向に延在し、主方向鉄筋と結束された長手方向鉄筋とによって形成され、内側埋設型枠と外側埋設型枠の間のスペースに配置され、固定されていることを特徴とする埋設型枠ユニット。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
下側セメント板は、上側セメント板の下方側において、上縁部が、当該上側セメント板の下縁部に接触又は近接した状態で当該上側セメント板と連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項3】
所定の間隔を置いて対向する上側セメント板と外側セメント板とが、上下二箇所の位置に配置されたセパレータによって連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項4】
内部鉄筋が、セパレータに対して結束され、固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項5】
内側上部型枠、及び、外側上部型枠とによって構成される上部型枠を有し、
内側上部型枠が、埋設型枠ユニットの長手方向に沿った向きで、並列状態の上側セメント板の上部とそれぞれ接触するように固定され、
外側上部型枠が、埋設型枠ユニットの長手方向に沿った向きで、並列状態の外側セメント板の上部とそれぞれ接触するように固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項6】
内側上部型枠と外側上部型枠とが、連結吊り金具によって連結されていることを特徴とする、請求項5に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項7】
内側上部型枠と外側上部型枠の裏面に、高さ位置を変更できる面木がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の埋設型枠ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の埋設型枠ユニットを使用して、橋梁の床版上に壁高欄を施工する方法であって、
地覆部鉄筋を予め施工した橋梁床版の地覆部の上に埋設型枠ユニットを配置し、
外側セメント板を地覆部に対して固定し、
下側セメント板を回動させることにより、埋設型枠ユニットの内部へのアクセスが可能な状態で、埋設型枠ユニットの内部鉄筋と地覆部鉄筋とを結束し、
下側セメント板を、回動状態を解除したうえで地覆部に対して固定し、
埋設型枠ユニットの内部にコンクリートを打設し、
内側埋設型枠及び外側埋設型枠と打設したコンクリートとを一体化させて壁高欄を形成することを特徴とする壁高欄の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁(道路橋、高速道路の高架橋、鉄道橋等)の床版上に壁高欄を形成する際に使用することができる埋設型枠ユニット、及び、この埋設型枠ユニットを使用した壁高欄の施工方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、道路橋や高速道路の高架橋等の橋梁の壁高欄は、場所打ちコンクリートによって形成されている。一般的には、まず床版の地覆部(床版の側縁部、壁高欄の基礎となる位置)において鉄筋を組み立て、次にそれらを囲うように型枠(通常は、木製型枠)を組み立て、型枠内にコンクリートを打設するという方法が実施されている。この方法による場合、必要となる工程(鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、養生、及び、型枠撤去)のうち、いずれかの工程を他の工程と同時に並行して実行することはできないため、各工程を順番に一つずつ実行していく必要があり、長い工期が必要となる。
【0003】
また、上記各工程は、専門の作業者(型枠工、鉄筋工等)によって実行されるため、適切な人数の型枠工や鉄筋工等を、各工程のスケジュールや進行状況を考慮して、適切なタイミングで現場に派遣する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-190257号公報
特許第6567574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では熟練した型枠工等が不足していることから、スケジュールに合わせて十分な人員を確保することが困難な場合が多く、工程管理に支障を来し、工期の遅延を招いてしまうという問題があり、また、品質の安定性や安全性を確保しようとするうえで問題がある。
【0006】
更に、上述したような従来の壁高欄の施工方法よりも、短い工期で効率的に施工できる方法の実用化が望まれている。また、使用済みの木製型枠を廃棄して焼却すると、大量の二酸化炭素が排出されることになるが、木製型枠を使用しない壁高欄の施工方法を実用化することができれば、二酸化炭素排出量の低減に貢献することができる。
【0007】
本発明は、このような従来技術における問題を解決しようとするものであって、従来方法と比較して極めて効率良く施工することができ、工期の大幅な短縮を可能とする壁高欄施工用の埋設型枠ユニット、及び、壁高欄の施工方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る埋設型枠ユニットは、複数枚の上側セメント板及び下側セメント板によって形成された内側埋設型枠と、複数枚の外側セメント板によって形成された外側埋設型枠と、所定の間隔を置いて対向する上側セメント板と外側セメント板とを連結するセパレータと、内部鉄筋とによって構成され、上側セメント板は、埋設型枠ユニットの長手方向に沿って並列され、左右の側縁部同士が接触した状態で連結固定され、下側セメント板は、ヒンジを介して上側セメント板と連結され、回動可能なように構成され、外側セメント板は、埋設型枠ユニットの長手方向に沿ってそれぞれ並列され、左右の側縁部同士が接触した状態でそれぞれ連結固定され、内部鉄筋は、垂直方向に延在し、埋設型枠ユニットの長手方向へ一定の間隔を置いて配置された主方向鉄筋と、埋設型枠ユニットの長手方向に延在し、主方向鉄筋と結束された長手方向鉄筋とによって形成され、内側埋設型枠と外側埋設型枠の間のスペースに配置され、固定されていることを特徴としている。
【0009】
この埋設型枠ユニットにおいては、下側セメント板が、上側セメント板の下方側において、上縁部が当該上側セメント板の下縁部に接触又は近接した状態で当該上側セメント板と連結されていることが好ましい。また、所定の間隔を置いて対向する上側セメント板と外側セメント板とが、上下二箇所の位置に配置されたセパレータによって連結されていることが好ましい。
【0010】
また、内部鉄筋が、セパレータに対して結束され、固定されていることが好ましく、更に、内側上部型枠、及び、外側上部型枠とによって構成される上部型枠を有し、内側上部型枠が、埋設型枠ユニットの長手方向に沿った向きで、並列状態の上側セメント板の上部とそれぞれ接触するように固定され、外側上部型枠が、埋設型枠ユニットの長手方向に沿った向きで、並列状態の外側セメント板の上部とそれぞれ接触するように固定されていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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