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公開番号2024129700
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023039062
出願日2023-03-13
発明の名称チオエステル誘導体の製造方法、ケトン誘導体の製造方法及びアルデヒド誘導体の製造方法
出願人株式会社トクヤマ,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 327/26 20060101AFI20240919BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、、チオエステル誘導体、ケトン誘導体及びアルデヒド誘導体の新規な製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、エステル誘導体(1)とチオール(2)とグリニャール試薬(3)とを接触させてチオエステル誘導体(I)を製造する方法;上記方法によりチオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得た後、チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物とグリニャール試薬(4)と銅塩とを接触させてケトン誘導体(II)を製造する方法;上記方法によりチオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得た後、パラジウム触媒の存在下、チオエステル誘導体(I)を反応混合物と有機亜鉛試薬(5)とを接触させてケトン誘導体(II)を製造する方法;並びに、上記方法によりチオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得た後、パラジウム触媒の存在下、チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物とシラン化合物(6)とを接触させてアルデヒド誘導体(III)を製造する方法が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(I):
TIFF
2024129700000067.tif
11
170
[式中、W

及びW

は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表されるチオエステル誘導体(I)を製造する方法であって、
下記式(1):
TIFF
2024129700000068.tif
12
170
[式中、W

は、前記と同義であり、W

は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表されるエステル誘導体(1)と、
下記式(2):
TIFF
2024129700000069.tif
10
170
[式中、W

は、前記と同義である。]
で表されるチオール(2)と、
下記式(3):
TIFF
2024129700000070.tif
10
170
[式中、R

は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルキル基を表し、X

は、ハロゲン原子を表す。]
で表されるグリニャール試薬(3)と、
を接触させて、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得る工程
を含む、前記方法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記工程において、前記チオール(2)と前記グリニャール試薬(3)とを接触させて、ハロゲノマグネシウムチオラートを得た後、前記ハロゲノマグネシウムチオラートと前記エステル誘導体(1)とを接触させて、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
下記式(II):
TIFF
2024129700000071.tif
11
170
[式中、W

は、前記と同義であり、W

は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表されるケトン誘導体(II)を製造する方法であって、
以下の工程:
(1A)請求項1又は2に記載の方法により、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得る工程;並びに
(2A)前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物と、
下記式(4a):
TIFF
2024129700000072.tif
12
170
[式中、W

は、前記と同義であり、X

は、ハロゲン原子を表す。]
で表されるグリニャール試薬(4a)、及び、
下記式(4b):
TIFF
2024129700000073.tif
10
170
[式中、W

及びX

は、前記と同義である。]
で表されるグリニャール試薬(4b)
から選択されるグリニャール試薬(4)と、
銅塩と、
を接触させて、前記ケトン誘導体(II)を含む反応混合物を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項4】
工程(2A)において、前記グリニャール試薬(4)と前記銅塩とを接触させて、有機銅試薬を得た後、前記有機銅試薬と前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物とを接触させて、前記ケトン誘導体(II)を含む反応混合物を得る、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
下記式(II):
TIFF
2024129700000074.tif
11
170
[式中、W

及びW

は、前記と同義である。]
で表されるケトン誘導体(II)を製造する方法であって、
以下の工程:
(1B)請求項1又は2に記載の方法により、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得る工程;並びに
(2B)パラジウム触媒の存在下、
前記チオエステル誘導体(I)を反応混合物と、
下記式(5a):
TIFF
2024129700000075.tif
10
170
[式中、W

は、前記と同義であり、X

は、ハロゲン原子を表す。]
で表される有機亜鉛試薬(5a)、及び
下記式(5b):
TIFF
2024129700000076.tif
10
170
[式中、W

は、前記と同義であり、X

は、カルボキシラート基を表す。]
で表される有機亜鉛試薬(5b)
から選択される有機亜鉛試薬(5)と、
を接触させて、前記ケトン誘導体(II)を含む反応混合物を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項6】
工程(1B)の後かつ工程(2B)の前に、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物と、チオール捕捉剤とを接触させて、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物中に存在する前記チオール(2)を前記チオール捕捉剤で捕捉する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
下記式(III):
TIFF
2024129700000077.tif
10
170
[式中、W

は、前記と同義である。]
で表されるアルデヒド誘導体(III)を製造する方法であって、
以下の工程:
(1C)請求項1又は2に記載の方法により、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物を得る工程;並びに
(2C)パラジウム触媒の存在下、
前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物と、
下記式(6):
TIFF
2024129700000078.tif
9
170
[式中、L

、L

及びL

は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表されるシラン化合物(6)と、
を接触させて、前記アルデヒド誘導体(III)を含む反応混合物を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項8】
工程(1C)の後かつ工程(2C)の前に、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物と、チオール捕捉剤とを接触させて、前記チオエステル誘導体(I)を含む反応混合物中に存在する前記チオール(2)を前記チオール捕捉剤で捕捉する、請求項7に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チオエステル誘導体の製造方法、ケトン誘導体の製造方法及びアルデヒド誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
SGLT-2阻害剤は、抗糖尿病薬として有用である。なお、「SGLT-2」は、ナトリウム-グルコース共輸送担体-2を意味する。SGLT-2阻害剤としては、例えば、カナグリフロジン(1-(β-D-グリコピラノシル)-4-メチル-3-[5-(4-フルオロフェニル)-2-チエニルメチル]ベンゼン)、エンパグリフロジン((1S)-1,5-アンヒドロ-1-C-{4-クロロ-3-[(4-{[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシ}フェニル)メチル]フェニル}-D-グルシトール)、イプラグリフロジン((1S)-1,5-アンヒドロ-1-C-{3-[(1-ベンゾチオフェン-2-イル)メチル]-4-フルオロフェニル}-D-グルシトール-(2S)-ピロリジン-2-カルボン酸)、ダパグリフロジン((2S,3R,4R,5S,6R)-2-[4-クロロ-3-(4-エチルオキシベンジル)フェニル]-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-チオール)等が知られている。
【0003】
SGLT-2阻害剤の製造方法として、1-(β-D-グリコピラノシル)-4-メチル-3-[5-(4-フルオロフェニル)-2-チエニルメチル]ベンゼン前駆体の保護基を脱保護してカナグリフロジンを合成することが提案されている(特許文献1参照)。1-(β-D-グリコピラノシル)-4-メチル-3-[5-(4-フルオロフェニル)-2-チエニルメチル]ベンゼン前駆体は、C-アリールヒドロキシグリコサイド誘導体とも称され、SGLT-2阻害剤を製造するための中間体として注目されている(特許文献1~2及び非特許文献1~3)。
【0004】
C-アリールヒドロキシグリコサイド誘導体の製造方法として種々の提案がされており、例えば、-78℃の超低温下において、D-グルコノラクトン誘導体にアリールリチウムを作用させてアリール基を付加反応させる方法(非特許文献1及び3)、-20~-10℃の低温下において、D-グルコノラクトン誘導体にArMgBr・LiCl(Arはアリール基を表す)等のターボグリニャール試薬を作用させてアリール基を付加反応させる方法(非特許文献2)、リチウムトリn-ブチルマグネサート(nBu

MgLi)から得られたマグネシウムアート錯体を用いて、-15℃程度の温度環境下、D-グルコノラクトン誘導体にアリール基を付加反応させる方法(特許文献2)等が知られている。また、ニッケル触媒存在下でチオエステル誘導体に有機亜鉛試薬を反応させることによりカップリングが起こり、ケトン誘導体が得られることが報告されている(非特許文献4及び5)。
【0005】
また、下記式(X)で表されるレムデシビル(Remdesivir)は、抗ウイルス薬として用い得る化合物である。レムデシビルは、例えば、RSウイルス、コロナウイルス等の一本鎖RNAウイルスに対して抗ウイルス活性を示す。
【0006】
TIFF
2024129700000001.tif
47
170
【0007】
特許文献3には、レムデシビル及びその中間体の製造方法が開示されている。特許文献3には、トリメチルシリルクロリド(TMSCl)及びn-ブチルリチウム存在下、下記式(XI)で表されるラクトンと、下記式(Ar’’)で表されるブロモピラゾールとを、-78℃で反応させることにより、下記式(XII)で表されるヒドロキシヌクレオシドが得られることが記載されている。このヒドロキシヌクレオシドは、レムデシビル合成のための中間体として用いることができる。なお、「Bn」はベンジル基を表す。
【0008】
TIFF
2024129700000002.tif
52
170
【0009】
C-アリールヒドロキシグリコサイド誘導体又はレムデシビル若しくはその中間体の製造に従前用いられてきた手法はいずれも、厳しい低温条件下で高価な試薬を用いて実施する必要があるため、設備コスト又はランニングコストが極めて高価となり、目的物を安価に量産することが困難である。このため、C-アリールヒドロキシグリコサイド誘導体又はレムデシビル若しくはその中間体を工業的に効率的に製造することを可能とする、チオエステル誘導体の製造方法、ケトン誘導体の製造方法等が求められている。
【0010】
しかしながら、エステル誘導体から、直接、ケトン誘導体を製造することは、過反応の発生(グリニャール試薬が2個入ってアルコールが生成される)等の点で困難であった(非特許文献6及び7)。
(【0011】以降は省略されています)

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