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公開番号2024129617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038942
出願日2023-03-13
発明の名称第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム、及びその制御方法
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類F25B 25/02 20060101AFI20240919BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】比較的低温の排熱から比較的高温の水蒸気を生成する温熱を出力できる構成において、高い動力COPを発揮する。
【解決手段】圧縮機CPは、吸収器ABへ導かれる冷媒を圧縮するものであり、運転を制御する制御装置Sが、凝縮器EX2での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、吸収器ABでの吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、動力に対する吸収器ABから出力される温熱の効率である動力COPを極大化するように、圧縮機CPの吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器から前記蒸発器に冷媒を圧送する冷媒ポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を備える第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムであって、
前記圧縮機は、前記再生器にて分離され前記吸収器へ導かれる冷媒を圧縮するものであり、
運転を制御する制御装置が、前記凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、前記吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、動力に対する前記吸収器から出力される温熱量の比である動力COPを極大化するように、前記圧縮機の吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御を実行する第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記凝縮温度関連値及び前記吸収温度関連値に加え、前記蒸発器の蒸発温度に関連する蒸発温度関連値と前記再生器の再生温度に関連する再生温度関連値との少なくとも何れか一方を用いて、前記高圧相当圧力制御を実行する請求項1に記載の第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記圧縮機は、前記再生器からの冷媒を前記凝縮器と前記蒸発器とを介して前記吸収器へ導く冷媒循環路のうち、前記蒸発器の出口と前記吸収器の入口との間に設けられている請求項1又は2に記載の第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記冷媒が水であり、前記吸収液が臭化リチウム水溶液である請求項1又は2に記載の第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記圧縮機の出口の前記高圧相当圧力に対応する高圧相当温度を、少なくとも前記凝縮温度関連値と前記吸収温度関連値から推定し、
前記高圧相当圧力制御において、前記圧縮機の出口の冷媒圧力が、前記推定された前記高圧相当温度となるように、前記圧縮機を制御する請求項1に記載の第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム。
【請求項6】
温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器から前記蒸発器に冷媒を圧送する冷媒ポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を備える第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムの制御方法であって、
前記圧縮機は、前記再生器にて分離され前記吸収器へ導かれる冷媒を圧縮するものであり、
前記凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、前記吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、動力に対する前記吸収器から出力される温熱量の比である動力COPを最大化するように、前記圧縮機の吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御工程を実行する第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器から前記蒸発器に冷媒を圧送する冷媒ポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を備える第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム、及びその制御方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
産業分野では、いまだ使われていない排熱や再生可能エネルギーが多く存在していると言われている。しかし、そのうち100℃未満の温水等の排熱は温度が低いため、エネルギーとして工場内での再利用が難しいとされている。一方で、比較的高温の温熱にて作られる水蒸気の需要は大きい。
そこで、100℃未満の比較的低温の排熱から比較的高温の温熱を出力できるヒートポンプ技術として、温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させる蒸発器とを有する第2種吸収ヒートポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を有する圧縮式ヒートポンプとを備えたハイブリッドヒートポンプシステムが提案されている(特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-99640号公報
特開2011-257043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したハイブリッドヒートポンプシステムでは、比較的低温の排熱から比較的高温の水蒸気を生成できるのであるが、圧縮動力が必要となるシステムであるため、省エネルギー性の観点から、その動力に対する温熱量の比としての動力COPを高めることが重要である。
しかしながら、上記特許文献1、2に開示のハイブリッドヒートポンプシステムでは、比較的低温の排熱から比較的高温の水蒸気を生成する温熱を出力しながらも、効率的な圧縮動力を適切に設定して運転効率の最適化を図る手法については開示されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的低温の排熱から比較的高温の水蒸気を生成する温熱を出力できる構成において、高い動力COPを発揮し得る第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム、及びその制御方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムは、
温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器から前記蒸発器に冷媒を圧送する冷媒ポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を備える第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムであって、その特徴構成は、
前記圧縮機は、前記再生器にて分離され前記吸収器へ導かれる冷媒を圧縮するものであり、
運転を制御する制御装置が、前記凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、前記吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、動力に対する前記吸収器から出力される温熱量の比である動力COPを極大化するように、前記圧縮機の吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御を実行する点にある。
【0007】
上記目的を達成するための第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムの制御方法は、
温熱源からの供給熱により強溶液を再生させる再生器と、弱溶液に冷媒を吸収させて温熱を出力する吸収器と、前記再生器にて再生された弱溶液を前記吸収器へ圧送する溶液ポンプと、前記再生器にて吸収液から分離した冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に冷媒を圧送する冷媒ポンプと、冷媒を圧縮する圧縮機を備える第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムの制御方法であって、その特徴構成は、
前記圧縮機は、前記再生器にて分離され前記吸収器へ導かれる冷媒を圧縮するものであり、
前記凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、前記吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、動力に対する前記吸収器から出力される温熱量の比である動力COPを最大化するように、前記圧縮機の吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御工程を実行する点にある。
【0008】
発明者らは、鋭意検討した結果、上述の構成を有する第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムにおいては、図2に示すように、動力COPが、凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値毎に、高圧相当圧力により制御可能で且つ圧縮機の出口での冷媒温度としての高圧相当温度に応じて極大値を有し、当該極大値は、図2~4に示すように、吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値毎に、変化するという知見を得た。
当該知見に基づく上記特徴構成によれば、凝縮器での凝縮温度に関連する凝縮温度関連値と、吸収器での吸収温度に関連する吸収温度関連値に基づいて、圧縮機の吐出圧力としての高圧相当圧力を制御する高圧相当圧力制御を実行することで、動力に対する吸収器から出力される温熱量の比である動力COPを極大化させて、効率の高い運転を実行できる第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムを実現できる。
以上より、比較的低温の排熱から比較的高温の水蒸気を生成する温熱を出力できる構成において、高い動力COPを発揮し得る第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステム、及びその制御方法を実現できる。
【0009】
第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムの更なる特徴構成は、
前記制御装置は、前記凝縮温度関連値及び前記吸収温度関連値に加え、前記蒸発器の蒸発温度に関連する蒸発温度関連値と前記再生器の再生温度に関連する再生温度関連値との少なくとも何れか一方を用いて、前記高圧相当圧力制御を実行する点にある。
【0010】
上述した構成を有する第2種吸収ハイブリッドヒートポンプシステムは、通常、工場等の排熱であって熱量が十分であり安定した温度の排熱が、蒸発器及び再生器に導かれるため、蒸発器の蒸発温度に関連する蒸発温度関連値及び再生器の再生温度に関連する再生温度関連値は、あまり変化しない温度となっている場合があり、また両者の温度も同一、或いは一定の関係を有する場合も多く、制御のパラメータとして必ずしも入れなくても良いものである。
しかしながら、発明者らは、凝縮温度関連値及び吸収温度関連値に加えて、蒸発温度関連値及び再生温度関連値をも制御のパラメータとして加えることで、動力COPを極大化する高圧相当温度の導出精度を高くできることを、後述する計算により明らかにした。
(【0011】以降は省略されています)

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