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公開番号2024128728
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037891
出願日2023-03-10
発明の名称医療情報提供制御装置、方法およびプログラム
出願人エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社,国立大学法人千葉大学
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類G16H 10/00 20180101AFI20240913BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】情報所有者が所有する医療情報の秘匿性を保持した上で、情報利用者に対して必要な情報を提供できるようにする。
【解決手段】この発明の一態様は、医療情報提供制御装置が、複数の所有者端末から送信される医療情報をそれぞれ受信し、受信した複数の前記医療情報をそれぞれ複数の断片情報に変換して複数の保管装置に分散して登録する。そして、利用者端末から送信される情報取得要求に応じ、前記複数の保管装置に分散して保管される前記複数の断片情報に対し秘密計算を用いた統計分析処理を行い、この統計分析処理により得られる分析情報を取得要求元の前記利用者端末へ送信する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の医療情報所有者がそれぞれ使用する複数の所有者端末、および医療情報利用者が使用する利用者端末との間で、それぞれ情報データの伝送が可能な医療情報提供制御装置であって、
前記複数の所有者端末から送信される医療情報をそれぞれ受信し、受信した複数の前記医療情報をそれぞれ複数の断片情報に変換して複数の保管装置に分散して登録する第1の処理部と、
前記利用者端末から送信される情報取得要求に応じ、前記複数の保管装置に分散して保管される前記複数の断片情報に対し秘密計算を用いた統計分析処理を行う第2の処理部と、
前記統計分析処理により得られる分析情報を取得要求元の前記利用者端末へ送信する第3の処理部と
を具備する医療情報提供制御装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記複数の医療情報所有者および前記医療情報利用者の各々に対し設定された前記登録および前記統計分析処理に関する権限情報を取得し、保存する第4の処理部を、さらに具備し、
前記第1の処理部は、前記所有者端末から送信される情報登録要求に含まれる前記医療情報所有者の権限情報に基づいて、前記医療情報所有者が前記登録に関する権限を有するか否かを判定し、権限を有すると判定した場合に前記医療情報の登録処理を行い、
前記第2の処理部は、前記情報取得要求に含まれる前記医療情報利用者の権限情報に基づいて、前記医療情報利用者が前記統計分析処理に関する権限を有するか否かを判定し、権限を有すると判定した場合に前記統計分析処理を行う
請求項1に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項3】
前記第1の処理部は、前記医療情報の所有者が所属する医療機関または二次医療圏を表す識別情報を含む前記医療情報を受信し、受信した前記医療情報を前記複数の断片情報に変換したのち前記医療機関または前記二次医療圏ごとに作成したテナントに対応付けた状態で前記複数の保管装置に分散して保管し、
前記第2の処理部は、前記情報取得要求に含まれる分析対象の前記医療機関または前記二次医療圏を指定する識別情報に応じて、対応する前記医療機関または前記二次医療圏ごとに、対応する前記テナントに保管される前記複数の断片情報に対し前記秘密計算を用いた前記統計分析処理を行って前記分析情報を算出し、
前記第3の処理部は、算出された前記分析情報を取得要求元の前記利用者端末へ送信する
請求項1に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項4】
前記第2の処理部は、
前記情報取得要求に、分析対象として前記医療機関および前記二次医療圏を複数含む三次医療圏に関する分析要求が含まれる場合に、前記三次医療圏に含まれる前記医療機関および前記二次医療圏に対応する前記テナントに保管される複数の前記断片情報を結合した利用者テーブルを作成する処理と、
作成した前記利用者テーブルに保管される前記断片情報に対し前記秘密計算を用いた前記統計分析処理を行って前記分析情報を算出する処理と
を行う、請求項3に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項5】
前記第1の処理部は、前記複数の所有者端末からそれぞれ前記医療情報として医療機関における耐性菌の発生状況を表す情報を受信し、受信した前記耐性菌の発生状況を表す情報をそれぞれ前記複数の断片情報に変換して前記複数の保管装置に分散して保管し、
前記第2の処理部は、前記複数の断片情報に対し前記秘密計算を用いた前記統計分析処理を行って、分析対象の菌種の抗菌薬に対する感受性を表す抗菌薬感受性情報を算出し、
前記第3の処理部は、算出された前記抗菌薬感受性情報を要求元の前記利用者端末へ送信する
請求項1に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項6】
前記第1の処理部は、前記複数の所有者端末からそれぞれ前記医療情報として医療機関における耐性菌の発生状況を表す情報を受信し、受信した前記耐性菌の発生状況を表す情報をそれぞれ前記複数の断片情報に変換して前記複数の保管装置に分散して保管し、
前記第2の処理部は、前記複数の断片情報に対し前記秘密計算を用いた前記統計分析処理を行って、分析対象の菌種の全株数に対する前記耐性菌として分離された前記菌種の株数の割合を表す耐性菌分離割合情報を算出し、
前記第3の処理部は、算出された前記耐性菌分離割合情報を要求元の前記利用者端末へ送信する
請求項1に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項7】
前記第1の処理部は、前記複数の所有者端末からそれぞれ前記医療情報として医療機関における耐性菌の発生状況を表す情報を受信し、受信した前記耐性菌の発生状況を表す情報をそれぞれ前記複数の断片情報に変換して前記複数の保管装置に分散して保管し、
前記第2の処理部は、前記複数の断片情報に対し前記秘密計算を用いた前記統計分析処理を行って、分析対象の前記耐性菌の全株数に対する検出された前記耐性菌の株数の割合の時系列変化を表す耐性菌分離頻度情報を算出し、
前記第3の処理部は、算出された前記耐性菌分離頻度情報を要求元の前記利用者端末へ送信する
請求項1に記載の医療情報提供制御装置。
【請求項8】
複数の医療情報所有者がそれぞれ使用する複数の所有者端末、および医療情報利用者が使用する利用者端末との間で、それぞれ情報データの伝送が可能な制御装置が実行する医療情報提供制御方法であって、
前記複数の所有者端末から送信される医療情報をそれぞれ受信し、受信した複数の前記医療情報をそれぞれ複数の断片情報に変換して複数の保管装置に分散して登録する過程と、
前記利用者端末から送信される情報取得要求に応じ、前記複数の保管装置に分散して保管される前記複数の断片情報に対し秘密計算を用いた統計分析処理を行う過程と、
前記統計分析処理により得られる分析情報を取得要求元の前記利用者端末へ送信する過程と
を具備する医療情報提供制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の医療情報提供制御装置が備える処理部の少なくとも1つが実行する処理を、前記医療情報提供制御装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、例えば医療機関が所有する医療情報を情報利用者に提供するシステムで使用される医療情報提供制御装置、方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、保健医療の分野では、抗菌薬(抗生物質)に対し薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)を持つ細菌(以後耐性菌と呼ぶ)への対策が重要な課題となっている。耐性菌は、1980年以降世界中で増加しており、既に抗菌薬への耐性を持つ様々な細菌が確認されている。このため、感染症の予防や治療が困難になるケースが増えており、今後も抗菌薬が効かない感染症が増加することが予想されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
耐性菌が発生する原因として考えられるのは、例えば患者が以前に処方された残留薬を自己判断で服用したり、患者の自己判断で服用方法を変更したりすることが挙げられる。すなわち、抗菌薬の不適切な使用が大きな原因となっている。
【0004】
そこで、例えば都道府県単位または市町村単位で耐性菌の発生状況について調査し、その調査結果をもとに地域ごとに効果的な対策を検討する試みがなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
“耐性菌が効かない「薬剤耐性(AMR)」が拡大! 一人ひとりができることは?”、令和2年(2020年)11月4日、政府公報オンライン、インターネット<https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201611/2.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、耐性菌の発生状況に関する情報には患者や医療機関の個人情報が含まれることから、例えば自治体や研究機関が耐性菌の発生状況に関する情報を収集しようとしても容易に収集することができず、これが耐性菌の発生状況の調査および対策を進める上で大きな障害になっている。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、情報所有者が所有する医療情報の秘匿性を保持した上で、情報利用者に対して必要な情報を提供できるようにする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためにこの発明に係る医療情報提供制御装置または方法の一態様は、複数の所有者端末から送信される医療情報をそれぞれ受信し、受信した複数の前記医療情報をそれぞれ複数の断片情報に変換して複数の保管装置に分散して登録する。そして、利用者端末から送信される情報取得要求に応じ、前記複数の保管装置に分散して保管される前記複数の断片情報に対し秘密計算を用いた統計分析処理を行い、この統計分析処理により得られる分析情報を取得要求元の前記利用者端末へ送信するようにしたものである。
【0009】
この発明の一態様によれば、例えば医療機関等の情報所有者が所有する医療情報は、それのみでは意味を持たない複数の断片情報に変換されたのち分散して保管され、さらに上記複数の断片情報に対し秘密計算を用いた統計分析処理が行われ、これにより得られた分析情報が情報利用者に提供される。すなわち、医療情報は複数の断片情報に断片化されて分散保管され、かつ各断片情報は元の医療情報に復元されることなくそのまま秘密計算により統計分析処理される。このため、仮に制御装置から情報漏洩が発生したとしても、漏洩した情報はそれのみでは意味を持たない断片情報に過ぎず、かつ情報利用者には元の医療情報は提供されることがない。従って、情報所有者の医療情報の秘匿性を保持しつつ情報利用者にとって必要な情報を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
すなわち、この発明の一態様によれば、情報所有者が所有する医療情報の秘匿性を保持した上で、情報利用者に対して必要な情報を提供できるようにする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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