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公開番号
2024125473
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-19
出願番号
2023033305
出願日
2023-03-06
発明の名称
連続式固液分離装置における含水率一定制御方法
出願人
株式会社石垣
代理人
主分類
C02F
11/14 20190101AFI20240911BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】 固液分離装置の運転制御方法に関し、脱水ケーキの含水率を所定の範囲内となるようろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を制御する連続式固液分離装置における含水率一定制御方法を提供する。
【解決手段】 固液分離装から排出される脱水ケーキの含水率をリアルタイムに計測し、計測した含水率に応じて脱水助材、エアブロー、薬注率の順に増加、あるいは薬注率、エアブロー、脱水助材の順に減少させることで、固定費の高い凝集剤の使用量およびランニングコストの高い高圧空気の使用量を優先的に抑えつつ、連続式固液分離装の安定運転を継続させることができる。
【選択図】 図4
特許請求の範囲
【請求項1】
原液汚泥に脱水助材と凝集剤を添加した調質汚泥を供給してろ液を分離するとともに、固液分離装置内の脱水ケーキに圧縮空気を噴射して含水率を調整する連続式固液分離装置において、
予め幅を持たせた脱水ケーキの基準含水率(W0)と、
脱水助材の基準供給量(A0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Amax),基準供給量の最小値である最小供給量(Amin),段階的に増減させる供給量幅(a)と、
圧縮空気の基準供給量(B0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Bmax),基準供給量の最小値である最小供給量(Bmin),段階的に増減させる供給量幅(b)と、
凝集剤の基準供給量(C0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Cmax),基準供給量の最小値である最小供給量(Cmin),段階的に増減させる供給量幅(c)と、
を設定して、
脱水ケーキの含水率(W)を測定し、
含水率の計測値(W)が基準含水率(W0)の範囲内の時は、固液分離装置の運転を継続し、
含水率の計測値(W)が予め設定した基準含水率(W0)より高い場合、脱水助材の供給量を供給量幅(a)だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、
脱水助材が最大供給量(Amax)となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅(b)だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、
圧縮空気が最大供給量(Bmax)となった時は、凝集剤の供給量を供給量幅(c)だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返すと共に、
含水率の計測値(W)が予め設定した基準含水率(W0)より低い場合、凝集剤の供給量を供給量幅(c)だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、
凝集剤が最小供給量(Cmin)となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅(b)だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、
圧縮空気が最小供給量(Bmin)となった時は、脱水助材の供給量を供給量幅(a)だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率(W0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返す
ことを特徴とする連続式固液分離装置における含水率一定制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続式固液分離装置の運転制御方法に関し、特に、ろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を調整して排出される脱水ケーキの含水率を一定に制御する連続式固液分離装置における含水率一定制御方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥を連続的に濃縮・脱水する固液分離装置として、例えば、スクリュープレスやベルトプレスが一般に知られている。固液分離装置に供給される汚泥は季節・時間・天候等に応じて性状が変動するため、安定的に脱水ケーキを生成するために、固液分離装置の各種制御(搬送速度、圧入圧力、凝集剤供給量等)を必要とする。
【0003】
特に、脱水助剤(バイオマス)の添加量を増減させて凝集剤の使用量を削減するスクリュープレスの制御方法は特許文献1に記載されている。
【0004】
また、スクリュープレスの構造において、中空スクリュー軸に設けた多数の微細孔から圧縮空気をろ過室に送り、ケーキの水分を短時間に外部に排出するスクリュープレスは特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5835088号公報
特開昭57-4398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥は、季節や天候、時間等で刻々と性状が変動しており、固液分離装置の運転あるいは汚泥の調質に対して様々な制御が行われていた。一般的には凝集剤の添加量を調整して汚泥の調質を行っているが、運転制御に多量の高価な凝集剤を使用することによるコストアップを抑制するため、先行文献2のように脱水助剤(バイオマス)の供給量制御を組み合わせる技術もある。しかし、多量の脱水助剤(バイオマス)を供給するため排出するケーキ量が増加し、後段設備の負荷が上昇するという懸念があった。
【0007】
また、ろ過室内の脱水ケーキに圧縮空気を送って水分を除去する技術は、固形物の圧縮性が低く粒子が粗い無機系スラリーには有効であるが、圧縮性が高い有機系スラリーには効果が低い。
【0008】
本発明は、流入する下水汚泥の性状変動に対応し、脱水ケーキの含水率を所定の範囲内となるようろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を制御する連続式固液分離装置における含水率一定制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原液汚泥に脱水助材と凝集剤を添加した調質汚泥を供給してろ液を分離するとともに、固液分離装置内の脱水ケーキに圧縮空気を噴射して含水率を調整する連続式固液分離装置において、予め幅を持たせた脱水ケーキの基準含水率と、脱水助材の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量,段階的に増減させる供給量幅と、圧縮空気の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量,段階的に増減させる供給量幅と、凝集剤の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量,段階的に増減させる供給量幅と、を設定して、脱水ケーキの含水率を測定し、含水率の計測値が基準含水率の範囲内の時は、固液分離装置の運転を継続し、含水率の計測値が予め設定した基準含水率より高い場合、脱水助材の供給量を供給量幅だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、脱水助材が最大供給量となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、圧縮空気が最大供給量となった時は、凝集剤の供給量を供給量幅だけ増加させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返すと共に、含水率の計測値が予め設定した基準含水率より低い場合、凝集剤の供給量を供給量幅だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、凝集剤が最小供給量となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、圧縮空気が最小供給量となった時は、脱水助材の供給量を供給量幅だけ減少させ、脱水ケーキの含水率が基準含水率の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返すもので、脱水ケーキの含水率を一定に制御して汚泥の性状変動に対して安定した脱水ケーキを排出できるとともに、費用面で運転管理に貢献できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、連続式固液分離装置から排出される脱水ケーキの含水率を一定に制御するもので、含水率を上昇させる際は、固定費の高い凝集剤の使用量およびランニングコストの高い高圧空気の使用量を優先的に抑えるとともに、含水率を下降させる際は、固定費の高い凝集剤の使用量を優先的に減少させ、次にランニングコストの高い高圧空気の使用量を優先的に減少させる。固液分離装置の急激な運転変化がなく、圧縮性が低いスラリーに対しても常時ろ過室内の汚泥性状を最適な状態で脱水運転できるとともに、費用面で運転管理に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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