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公開番号2024125174
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2024015232
出願日2024-02-02
発明の名称研磨パッド及びウェハのノッチ研磨方法
出願人ノリタケ株式会社,株式会社BBS金明
代理人弁理士法人ぱてな
主分類B24D 5/00 20060101AFI20240906BHJP(研削;研磨)
要約【課題】ノッチを有するウェハの無駄を可及的に少なくできる研磨パッドと、そのようなウェハのノッチ研磨方法とを提供する。
【解決手段】本発明の研磨パッド1は、第1回転軸心Pを中心とする円環状に形成されている。研磨パッド1は、第1面1aと、第2面1bと、外周側で第1面1aと第2面1bとを接続する研磨面3とを有する。研磨パッド1は、円盤形状のウェハ5に形成された結晶軸の方向を示すノッチ7に対して研磨面3を押し付けつつ第1回転軸心P周りで回転されることにより、ノッチ7を研磨する。研磨面3は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成された母材と、母材内又は気孔内に保持された研磨粒子とを含む研磨体によって構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
第1回転軸心を中心とする円環状に形成され、
前記第1回転軸心と略直交する方向に延びる円環状の第1面と、前記第1回転軸心と略直交する方向に延び、前記第1面の逆に位置する円環状の第2面と、外周側で前記第1面と前記第2面とを接続する研磨面とを有し、
円盤形状のウェハに形成された結晶軸の方向を示すノッチに対して前記研磨面を押し当てつつ前記第1回転軸心周りで回転されることにより、前記ノッチを研磨する研磨パッドであって、
前記研磨面は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成された母材と、前記母材内又は前記気孔内に保持された研磨粒子とを含む研磨体によって構成されていることを特徴とする研磨パッド。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記研磨面は、前記第1面と連続し、前記第2面に近づくにつれて大径となるテーパ状をなす第3面と、前記第2面と連続し、前記第1面に近づくにつれて大径となるテーパ状をなす第4面とを有し、
前記第3面と前記第4面とは前記ノッチの開き角度と整合する内角を有している請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記繊維は繊維ウェブによって構成され、前記バインダ樹脂、前記研磨粒子及び前記気孔は前記繊維ウェブ内に内包されている請求項1又は2記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記バインダ樹脂は熱可塑性ポリウレタンであり、前記繊維はポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンである請求項3記載の研磨パッド
【請求項5】
前記バインダ樹脂は8.5~12.7体積%であり、前記研磨粒子は10.6~14.8体積%であり、前記繊維は17.4~26.1体積%であり、前記気孔は54.0~58.6体積%である請求項4記載の研磨パッド。
【請求項6】
前記研磨粒子の体積%を分子とし、前記バインダ樹脂の体積%と前記繊維の体積%との合計を分母とする計算値が0.30~0.48である請求項5記載の研磨パッド。
【請求項7】
密度が0.66~0.74g/cm
3
であり、
デュロメータ硬度が30~38であり、
弾性率が93.4~257.5N/mm
2
である請求項3記載の研磨パッド。
【請求項8】
ウェハと研磨パッドと研磨液とを用意する第1工程と、
前記ウェハと前記研磨パッドとの間に前記研磨液を供給しつつ、前記ウェハを前記研磨パッドにより研磨する第2工程とを備え、
前記ウェハは、中心軸線と、前記中心軸線と略直交する方向に延びる表面と、前記表面と逆に位置し、前記中心軸線と略直交する方向に延びる裏面と、前記表面から前記裏面まで切り欠けられ、結晶軸の方向を示すノッチとを有し、
前記研磨パッドは、第1回転軸心を中心とする円環状に形成され、
前記研磨パッドは、前記第1回転軸心と略直交する方向に延びる円環状の第1面と、前記第1回転軸心と略直交する方向に延び、前記第1面の逆に位置する円環状の第2面と、外周側で前記第1面と前記第2面とを接続する研磨面とを有し、
前記研磨面は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成された母材と、前記母材内又は前記気孔内に保持された研磨粒子とを含む研磨体によって構成され、
前記第2工程では、前記第1回転軸心を前記中心軸線と直交させ、前記研磨粒子を含まない前記研磨液を用いつつ、前記ノッチに対して前記研磨面を押し当てつつ前記第1回転軸心周りで前記研磨パッドを回転することを特徴とするウェハのノッチ研磨方法。
【請求項9】
前記第2工程では、前記表面又は前記裏面と前記第1回転軸心との距離を変動させる請求項8記載のウェハのノッチ研磨方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨パッドと、ウェハのノッチ研磨方法とに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1~4に従来の研磨パッドが開示されている。特許文献1~3の研磨パッドは、不織布にペーストを含浸し、ペースト中の溶剤を除去したものである。特許文献1のペーストは、ウレタンと、ジメチルホルムアミド等の溶剤と、SiO
2
等の研磨粒子と、炭酸ナトリウム等のアルカリ微粒子とからなる。特許文献2のペーストは、エーテル系ウレタンと、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶剤とからなる。特許文献3のペーストは、ウレタンと、溶剤と、撥水剤とからなる。乾燥等による溶剤の除去により、ウレタンは不織布に結合した状態で固化している。特許文献4の研磨パッドは、バインダ樹脂、研磨粒子及び溶剤を混合したペーストを用いて製造したものである。
【0003】
特許文献1の研磨パッドは、半導体素子を製造するために用いられるシリコン等からなる円盤形状のウェハの外周縁部を研磨するために用いられる。すなわち、回転中心周りに回転可能な回転テーブルにウェハが保持される。この際、ウェハの中心軸線が回転テーブルの回転中心に位置される。一方、研磨パッドの外周端面がウェハの外周縁部と当接するようにスピンドルの上端に研磨パッドを設ける。そして、ウェハの外周縁部と研磨パッドの外周端面との間に研磨液を供給するとともに所定の荷重を付加しつつ、回転テーブル及びスピンドルを回転させる。これにより、ウェハの外周縁部を研磨できる。このため、ウェハの外周縁部による半導体デバイスの欠陥の発生を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-46838号公報
特開2019-118981号公報
特開2020-49639号公報
特許第5511266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ウェハには、円弧の中心をなす中心軸線の他、結晶軸の方向を示すノッチ(Notch)を有している場合がある。結晶軸の方向を示すために用いられる一般的なオリエンテーションフラット(Orientation Flat)では、大口径のウェハから切除する面積が大きくなってしまい、ウェハを無駄にしてしまうからである。
【0006】
このようにノッチを有するウェハでは、ノッチに何らの対策をしないまま表面又は裏面の研磨を行うと、それらの研磨の最中にノッチ近傍で欠けや割れが発生し、ウェハの無駄を生じてしまう。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ノッチを有するウェハの無駄を可及的に少なくできる研磨パッドと、そのようなウェハのノッチ研磨方法とを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の研磨パッドは、第1回転軸心を中心とする円環状に形成され、
前記第1回転軸心と略直交する方向に延びる円環状の第1面と、前記第1回転軸心と略直交する方向に延び、前記第1面の逆に位置する円環状の第2面と、外周側で前記第1面と前記第2面とを接続する研磨面とを有し、
円盤形状のウェハに形成された結晶軸の方向を示すノッチに対して前記研磨面を押し付けつつ前記第1回転軸心周りで回転されることにより、前記ノッチを研磨する研磨パッドであって、
前記研磨面は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成された母材と、前記母材内又は前記気孔内に保持された研磨粒子とを含む研磨体によって構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のウェハのノッチ研磨方法は、ウェハと研磨パッドと研磨液とを用意する第1工程と、
前記ウェハと前記研磨パッドとの間に前記研磨液を供給しつつ、前記ウェハを前記研磨パッドにより研磨する第2工程とを備え、
前記ウェハは、中心軸線と、前記中心軸線と略直交する方向に延びる表面と、前記表面と逆に位置し、前記中心軸線と略直交する方向に延びる裏面と、前記表面から前記裏面まで切り欠けられ、結晶軸の方向を示すノッチとを有し、
前記研磨パッドは、第1回転軸心を中心とする円環状に形成され、
前記研磨パッドは、前記第1回転軸心と略直交する方向に延びる円環状の第1面と、前記第1回転軸心と略直交する方向に延び、前記第1面の逆に位置する円環状の第2面と、外周側で前記第1面と前記第2面とを接続する研磨面とを有し、
前記研磨面は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成された母材と、前記母材内又は前記気孔内に保持された研磨粒子とを含む研磨体によって構成され、
前記第2工程では、前記第1回転軸心を前記中心軸線と直交させ、前記研磨粒子を含まない前記研磨液を用いつつ、前記ノッチに対して前記研磨面を押し付けつつ前記第1回転軸心周りで前記研磨パッドを回転することを特徴とする。
【0010】
本発明の研磨パッドは、研磨面が母材と研磨粒子とを含む研磨体によって構成されている。母材は、バインダ樹脂及び繊維からなり、複数の気孔が形成されている。そして、母材内又は気孔内に研磨粒子が保持されている。このため、本発明のノッチ研磨方法により、本発明の研磨パッドでウェハのノッチを研磨すれば、ノッチに押し付ける際に優れた追随性を発揮しつつ、良好な研磨を行うことができる。このため、ノッチ研磨後のウェハは、表面又は裏面の研磨の最中にノッチ近傍で欠けや割れが発生し難く、又は発生しない。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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