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公開番号2024146560
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059539
出願日2023-03-31
発明の名称被覆粒状物およびその製造方法
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C05G 5/30 20200101AFI20241004BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】環境負荷が低く、溶出特性を制御しやすい被覆粒状物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】被覆粒状物1は、粒状の植物育成補助物質2と、該植物育成補助物質2の表面を被覆する被覆層3とを備え、被覆層3は、生分解性樹脂組成物を主成分として含み、最も外側に設けられる表面層31と、表面層31と植物育成補助物質2との間に設けられ水溶性無機物4を含む中間層32とを有し、水溶性無機物4は、石膏であり、被覆層は、生分解性樹脂組成物を60~95質量%含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒状の植物育成補助物質と、該植物育成補助物質の表面を被覆する被覆層とを備えた被覆粒状物であって、
前記被覆層は、生分解性樹脂組成物を主成分として含み、最も外側に設けられる表面層と、該表面層と前記植物育成補助物質との間に設けられ水溶性無機物を含む中間層とを有することを特徴とする被覆粒状物。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記水溶性無機物は、石膏であることを特徴とする請求項1記載の被覆粒状物。
【請求項3】
前記被覆層は、前記生分解性樹脂組成物を60~95質量%含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被覆粒状物。
【請求項4】
前記被覆層は、前記植物育成補助物質と前記中間層との間に下地層を有し、
該下地層は、水溶性無機物を含まないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被覆粒状物。
【請求項5】
前記生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂としてウレタン樹脂を含み、
該ウレタン樹脂が、ポリカプロラクトンポリオールと、芳香族ポリイソシアネートとの反応物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の被覆粒状物。
【請求項6】
前記表面層は、水溶性無機物を含まないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の被覆粒状物。
【請求項7】
粒状の植物育成補助物質の表面が被覆された被覆粒状物の製造方法であって、
前記植物育成補助物質を内包するように水溶性無機物と混合された生分解性樹脂組成物で被覆して中間層を形成する工程と、
前記中間層の表面を生分解性樹脂組成物で被覆して表面層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする被覆粒状物の製造方法。
【請求項8】
前記中間層を形成する工程の前に、前記植物育成補助物質の表面を生分解性樹脂組成物で被覆して下地層を形成する工程を備え、
前記下地層は、水溶性無機物を含まないことを特徴とする請求項7記載の被覆粒状物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆粒状肥料や農薬に関し、特に水溶性無機物を含む被覆材を用いて被覆された被覆粒状物およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
就農人口が減少し、且つ就農者が高齢化している近年の農業環境においては、肥料や農薬をはじめとする生物活性物質(以下、植物育成補助物質ともいう)の施肥や散布などの施用作業の省力化と効率化が求められている。施用作業の省力化のため、例えば、植物育成補助物質の施用頻度を減らすことができる緩効性(長期にわたり緩やかに効果を奏する性質)の肥料や、農薬が開発されている。緩効性の肥料や農薬として、例えば、樹脂で肥料粒子を被覆した被覆肥料や、樹脂で農薬粒子を被覆した被覆農薬が開発されており、その技術内容は特許などを通じて既に公開され、市販・実用化されている。
【0003】
被覆肥料として、例えば、特許文献1には、作物の吸収にあわせて肥料成分を適期に供給することができる被覆粒状尿素硝酸加里肥料が開示されている。また、特許文献2には、肥料成分の溶出開始時期が調節できる重層被覆粒状肥料が開示されている。
【0004】
特許文献3には、被覆層の表面に水溶性無機粉体を付着させ施用時の水面への浮上を防止するとともに、徐放性を有した被覆粒状肥料が提案されている。この被覆粒状肥料では、樹脂製の被覆層(被膜)が徐放性に寄与し、水溶性無機粉体が被覆層に親水性を賦与することで水面浮上防止に寄与している。本文献では、水溶性無機粉体として、アルカリ土類金属の無機酸塩、ハロゲン化物などが記載されている。実施例に記載の水溶性無機粉体は、溶解度が10g/水100g(20℃)以上の高溶解度の無機粉体(KCl:34.2g/水100g、K

SO

:11.1g/水100g、Na

CO

:21.5g/水100g、NaCl:35.9g/水100g)であり、比較例には水溶性がほぼない無機粉体が開示されている。
【0005】
被覆農薬としては、例えば、特許文献4には、農薬成分の放出を徐放化した被覆粒状農薬が開示されている。また、特許文献5には、高吸水膨潤性物質層とオレフィン系重合体層からなる多層被膜で粒状農薬を被覆した重層被覆粒状農薬が開示されている。
【0006】
上述した被覆肥料や被覆農薬において、長期にわたる徐放機能、さらには時限放出型の徐放機能の達成のため、粒子の表面を透湿性の低い樹脂で完全に被覆し、水分の透過をごく僅かに抑えることが出来る被膜を形成させることが必要であり、ピンホールや亀裂など欠陥のない被膜を形成することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭63-162593号公報
特開平4-202079号公報
特許第6706899号公報
特公昭64-5002号公報
特開平6-9303号公報
特許第5068926号公報
特許第4975353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の樹脂製の被膜の場合、土壌環境内で分解されにくいため、被膜樹脂が土壌に蓄積されたり、水と共に海洋へ流出したりする問題が起こっており、いわゆる海洋プラスチックなどの環境問題の原因の一端となっている。
【0009】
一方で、生分解性樹脂で被覆層を形成した場合、土壌環境内で短期間に分解されやすく、所望の溶出抑制期間を得ることが出来ない場合がある。
【0010】
環境負荷の低減と緩効性とを両立させる方法として、無機材料を被覆層のコーティングに用いる方法が知られている。例えば、特許文献6には、硫黄で被覆された硫黄コーティング肥料が、土壌中に被覆層が残存蓄積することなく、緩効性を得られる環境保全型肥料として開示されている。しかし、硫黄コーティング肥料の場合、大量に施用すると土壌が酸性化してしまうおそれがあり、使用量に注意が必要と考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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