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公開番号2024144417
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024095913,2023535614
出願日2024-06-13,2022-06-09
発明の名称アントラキノン官能化のためのシステム及びプロセス
出願人プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ,クィノ・エナジー・インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 3/07 20210101AFI20241003BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本発明は、少なくとも1つのヒドロキシル基又はアミノ基で置換されているアントラキノン分子の合成官能化に関する。
【解決手段】本発明の一部の態様では、アントラキノン分子の合成官能化は、分割電解槽を使用することによって、化学的ではなく電気化学的に起こる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
式Iのアントラキノン誘導体の2位の(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化のための方法であって、
式Iのアントラキノン出発物質、アルデヒド、塩基、任意選択的な溶媒、及び任意選択的な触媒を反応容器に添加することと、
前記反応容器に水素を導入することと、
混合物を反応させることと、
前記反応容器から前記水素を除去することと、
反応混合物に酸化剤を導入することと、
前記反応混合物から生成物を単離することと、
を含む、方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記塩基が、無機水酸化物、金属アルコキシド、アミン、アミジン、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、水である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水素が、気体として導入及び除去され、前記触媒が、ニッケル炭素(nickel on carbon)、パラジウム炭素(palladium on carbon)、白金炭素(platinum on carbon)、ロジウム炭素(rhodium on carbon)、水酸化パラジウム、白金黒、二酸化白金、Wilkinson触媒、Crabtree触媒、Shvo触媒、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒が、Raneyニッケルであり、前記水素が、前記触媒上の吸着質(adsorbate)として提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化剤が、大気中の酸素である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アルデヒドが、水素ガスが前記反応容器から排出された後であるが、前記酸化剤が添加される前にのみ導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式Iのアントラキノン誘導体の2位の(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化のためのシステムであって、
分割電解槽であって、
式Iのアントラキノン誘導体、アルデヒド、塩基、及び任意選択的な溶媒を含む第1の流体流を受け入れ、第1の流体流と電気化学反応するように構成された、第1の電極を有する第1のチャンバーと、
第2の電極を有する第2のチャンバーであって、第2の流体流を受け入れ、第2の流体流と電気化学反応するように構成された、第2のチャンバーと、
を更に含み、
第1のチャンバー及び第1の電極が、イオン伝導膜によって第2のチャンバー及び第2の電極から分離されている、分割電解槽
を含む、システム。
【請求項10】
第1の流体流が、第1のチャンバーに再循環されるように構成され、第2の流体流が、第2のチャンバーに再循環されるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、PCT国際特許出願として2022年6月9日に出願され、2021年6月25日に出願された米国仮出願第63/215,079号の利益及び優先権を主張し、その開示全体は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、概して、合成有機化学プロセスに関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基で置換されているアントラキノン分子の合成官能化に関する。
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する声明
本発明の特定の態様は、PNNL下請け契約535264を通して、授与番号DE-AC05-76RL01830の下で、米国エネルギー省からの政府の支援を受けて作成された。政府は、本発明において特定の権利を有する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
Marschalk反応は、亜ジチオン酸ナトリウムの存在下での、ヒドロキシル置換又はアミノ置換アントラキノンとアルデヒドとの反応であり、出発分子上のヒドロキシル置換基又はアミン置換基のオルト位にα-ヒドロキシアルキル官能基を導入する。L.-M.Zhao,F.-Y.Ma,H.-S.Jin,J.Ma,H.Wang,C.-Z.Fu,European Journal of Organic Chemistry,2013,7193-7199を参照されたい。特定の条件下、α-ヒドロキシアルキル官能基の脱ヒドロキシル化が続いて行われ、アントラキノンコアと残りの新しい官能基との間にメチレン(-CH

-)リンカーが残る。この反応は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸などの様々なアルデヒドで作用する。例えば、K.Krohn,Angewandte Chemie International Edition 1979,18,621-622を参照されたい。反応は、分子間又は分子内の反応であり得る。F.Suzuki,S.Trenbeath,R.D.Gleim,C.J.Sih,Journal of the American Chemical Society 1978,100,2272-2273を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許第2,941,865号
【非特許文献】
【0004】
European Journal of Organic Chemistry,2013,7193-7199
Angewandte Chemie International Edition 1979,18,621-622
Journal of the American Chemical Society 1978,100,2272-2273
Science 2015,349,1529-1532
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヒドロキシル又はアミノ置換アントラキノンの(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化の全ての報告された例では、使用される還元剤は、亜ジチオン酸ナトリウムである。亜ジチオン酸ナトリウムを別のより安価な還元剤で置き換えると、同じ反応を低コストで進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
特定の実施形態による、水素ガスによる置換アントラキノン出発物質の触媒還元による置換アントラキノン出発物質の(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化のための合成スキームを示す。
特定の実施形態による、置換アントラキノン出発物質の電気化学的還元による置換アントラキノン出発物質の(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化のための合成スキームを示す。
特定の実施形態による、置換アントラキノン出発物質の電気化学的還元による置換アントラキノン出発物質の(α-ヒドロキシ)アルキル化又はアルキル化をもたらすための電解槽を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
Marschalk反応のメカニズムは、置換アントラキノン出発物質の9,10-アントラキノンコアを9,10-ジヒドロキシアントラセンコアに還元することから始まる。次いで、この還元された出発物質は、アルデヒドと反応して炭素-炭素結合を形成する。
【0008】
9,10-アントラキノンは、任意選択的に、炭素基材上に担持されたパラジウムなどの触媒の存在下、水素ガスなどの他の反応物質を使用して、対応する9,10-ジヒドロキシアントラセンに容易に還元され得ることが知られている。G.Max,L.Emile、米国特許第2,941,865号(1956年10月16日出願)を参照されたい。あるいは、還元は、フロー電池の半電池(half-cell)などで電気化学的に実現され得る。K.Lin,Q.Chen,M.R.Gerhardt,L.Tong,S.B.Kim,L.Eisenach,A.W.Valle,D.Hardee,R.G.Gordon,M.J.Aziz,M.P.Marshak,Science 2015,349,1529-1532を参照されたい。
【0009】
しかしながら、Marschalk反応ではジチオン酸ナトリウム以外の還元剤の使用は不明である。本発明は、古典的なMarschalk反応に類似するが、亜ジチオン酸ナトリウム又は他の亜ジチオン酸塩以外の還元剤を用いたプロセスを介したアントラキノン誘導体の合成を特徴とする。
【0010】
図1に要約されている本発明の一態様では、置換アントラキノン出発物質、アルデヒド、塩基、任意選択的な溶媒、及び任意選択的な触媒が、水素ガスを含む雰囲気に曝露された反応容器内で混合される。反応は、加熱しても、冷却してもよく、又は反応時間全体を通して異なる温度で保持してもよい。反応温度に応じて、(α-ヒドロキシ)アルキル化生成物が有利になるか、又は脱ヒドロキシル化アルキル化生成物が有利になる。所定の時間後、酸化剤が反応混合物に導入される。更に所定の時間後、反応生成物を反応混合物から単離し、任意選択的に、当業者によく知られている従来の手段(例えば、沈殿、濾過、蒸留、昇華、再結晶、溶媒抽出、洗浄、クロマトグラフィー、遠心分離)によって精製する。
(【0011】以降は省略されています)

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