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公開番号
2024158584
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073901
出願日
2023-04-28
発明の名称
電解めっき用の電極
出願人
株式会社大阪ソーダ
代理人
主分類
C25D
17/12 20060101AFI20241031BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】電極表面への鉛の付着が速い電解めっき用電極を提供すること。
【解決手段】電極基材10、電極基材上に設けられる触媒層30、および、触媒層上に設けられる白金およびタンタルを含む保護層50を有して成る電解めっきに用いられる電極100が提供される。かかる電極への鉛の付着速度は、保護層を有しない電極等と比べて速いことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電解めっき用電極であって、
電極基材、
前記電極基材上に設けられる触媒層、および
前記触媒層上に設けられる保護層
を有して成り、前記保護層は、前記電解めっき用電極において最上層を成し、白金(Pt)とタンタル(Ta)とを含んで成り、
前記保護層中における白金(Pt)とタンタル(Ta)のモル比が、1:99~50:50である。
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【請求項2】
請求項1に記載の電解めっき用電極であって、
下記電解条件における電極への鉛付着速度が、3000(cps・m
2
/MA・h)以上である。
※電解条件
対極:白金板
電解液:200g/L H
2
SO
4
+ 100g/L Na
2
SO
4
電流密度:100A/dm
2
電解温度:80℃
電解液中の鉛濃度:10ppm
電解液中の添加剤濃度:10ppm
電解面積:1cm
2
※鉛付着量測定条件
測定機器:ハンドヘルド蛍光X線分析計
管電流:70μA
管電圧:40kV
測定時間:20s
X線照射範囲:φ9
鉛検出範囲:12.45~12.75keV
【請求項3】
前記電解めっき用電極が電解めっき用陽極に相当する、請求項1または2に記載の電解めっき用電極。
【請求項4】
前記触媒層が、白金族元素の金属を含んで成る、請求項1または2に記載の電解めっき用電極。
【請求項5】
前記電極基材が、バルブ金属を含んで成る、請求項1または2に記載の電解めっき用電極。
【請求項6】
前記電極基材と前記触媒層との間に中間層を更に有して成る、請求項1または2に記載の電解めっき用電極。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解めっき用の電極に関する。より詳細には、本発明は、めっき法の電解に用いる電極に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
電解めっきは、従前より工業的に広く利用されている。例えば、電解めっきによって金属箔を製造する技術などが知られている。このような電解めっきは、電気鋳造(特に“電鋳”)とも称され得る。電鋳は、連続的に金属箔を比較的簡易に得ることができると共に、表面平滑性などの金属箔特性の制御が比較的容易であり、銅箔などの金属箔の製造に多く用いられている。
【0003】
電解めっき法による金属箔の製造は、電気めっきの原理を利用しており、電極が用いられている。例えば、図6に示すように、電解槽500の電解液510に浸漬させた電極520と、それと対を成すドラム状の対極530が用いられる。電解めっき用の電極520は、ドラム状の対極530に対して向き合うように設けられて使用される。電解めっき用の電極520とドラム状の対極530との間で通電させると、対極530の表面に金属成分を電解析出させることができる。よって、ドラム状の対極530を電極520に対して回転させながら通電を行い、電解析出に起因して形成される金属層を対極530から順次剥離することによって金属箔550を連続的に得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公平6-47758号公報
特許第3278492号公報
特表2016-503464号公報
特許第3832645号公報
特許第3124848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、従前の電解めっきに用いる電極では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
【0006】
電解めっき法による金属箔の製造においては、ドラム状の電極と対向する電極として不溶性電極が一般に用いられる。特に、ドラム状の陰極と対向して設置される不溶性陽極が用いられる。かかる不溶性陽極における反応は、一般に水の酸化反応、すなわち、酸素発生反応が起こる。しかし、電解液の成分によっては塩素発生反応が起こる可能性もあるが、酸素発生反応が主反応である。よって、酸素発生に対して活性の高い触媒がそのような電解めっき用の電極に用いられることが多い(特許文献1~4)。
【0007】
一方、電解めっき法による金属箔の製造に用いられる電解液には添加剤が加えられることが多い。例えば、電解金属箔の表面平滑性および/または光沢性などの観点から添加剤が加えられていることがある。このような添加剤は、所望の金属箔を得るには望ましいものの、触媒を備えた電極にとっては必ずしも望ましいといえない場合がある。
【0008】
具体的には、電解めっき法による金属箔製造用の電解液に含まれる添加剤によっては、触媒消耗を促進する一因となり、電極触媒が金属箔の製造に伴って減じられることを見出した(図5参照)。
【0009】
一方、特許文献5には、電解めっき法による金属箔製造用の電解液に含まれる鉛成分を特定の範囲に設定することにより、添加剤存在下において、電解液中から白金族金属酸化物を含有する電極活性被覆上に安定な二酸化鉛層を形成して、電極寿命の長寿命化を図る技術が開示されているものの、実際の金属箔製造では、開示された鉛濃度の範囲に制御しても、その他の操業条件(装置のサイズ、電解液の濃度等)が異なることにより鉛の付着速度が遅くなる場合もあり、電極の触媒消耗を安定して抑制することが出来なかった。
【0010】
そこで、鉛濃度などの操業条件の制御だけではなく、電極側で鉛の付着速度を速める手法が求められていた。
(【0011】以降は省略されています)
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