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公開番号2024154104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-30
出願番号2023067737
出願日2023-04-18
発明の名称電解合成システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人桐朋
主分類C25B 9/00 20210101AFI20241023BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【解決手段】電解合成システム(10)は、電解装置(12)と、合成装置(16)と、ガス吸着型蓄電池(20)と、制御装置(22)とを備える。ガス吸着型蓄電池(20)は、充電中に大気中の二酸化炭素ガスを電極に吸着し、当該電極に吸着された二酸化炭素ガスを放電中に放出する。制御装置(22)は、電極への二酸化炭素ガスの吸着量が所定の第1閾値を超えると、放電用スイッチ(SW2)を制御して、ガス吸着型蓄電池(20)の放電を開始させる。
【効果】本発明のシステムによれば、改質器、改質ガスの供給ライン等を設けなくても、電力を蓄電することができる。その結果、設置場所が制限されることを低減することができる。また、ガス吸着型蓄電池によって二酸化炭素ガスを安定的に獲得することができ、その結果、メタネーションリアクタの稼働率を高めることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水蒸気を電解して水素ガスを生成する電解装置と、前記水素ガスを用いて炭化水素を合成する合成装置とを備える電解合成システムであって、
充電中に大気中の二酸化炭素ガスを電子とともに電極に吸着し、前記電極に吸着された前記二酸化炭素ガスを前記電子とともに前記電極から放出するガス吸着型蓄電池と、
前記ガス吸着型蓄電池と前記電解装置または前記合成装置とを繋ぎ、前記ガス吸着型蓄電池からの二酸化炭素を流す第1配管と、
前記ガス吸着型蓄電池の電力を前記電解装置に供給するための放電用スイッチと、
前記電極への前記二酸化炭素ガスの吸着量を取得するための吸着センサと、
1以上のプロセッサを有する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記吸着量が所定の第1閾値を超えると、前記放電用スイッチを制御して、前記ガス吸着型蓄電池の放電を開始させる、電解合成システム。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電解合成システムであって、
前記電解装置が生成した前記水素ガスを含む生成ガスを前記合成装置に流す第2配管と、
前記第2配管に設けられ、前記電解装置によって生成された前記生成ガスを貯留するガスタンクと、
前記ガスタンクと前記合成装置との間の前記第2配管上に設けられた開閉弁と、
前記ガスタンクに貯留される前記生成ガスの貯留量を取得するためのタンクセンサと、
を備え、
前記第1配管は、前記ガス吸着型蓄電池と前記電解装置とを繋いでおり、
前記制御装置は、前記貯留量が所定の第2閾値を超える場合に、前記開閉弁を制御して、前記ガスタンクに貯留された前記生成ガスを前記合成装置に供給し、前記貯留量が前記第2閾値以下の場合には、前記開閉弁を制御して、前記ガスタンクに貯留された前記生成ガスの前記合成装置への供給を停止させる、電解合成システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電解合成システムであって、
前記電解装置は、前記二酸化炭素ガスと前記水蒸気とを共電解する共電解装置であり、
前記合成装置は、前記共電解により生成される前記水素ガスと一酸化炭素とを反応させて前記炭化水素を合成するFT合成器である、電解合成システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電解合成システムであって、
前記ガス吸着型蓄電池以外の第2電池と、
発電装置の電力を前記ガス吸着型蓄電池に供給するための第1充電用スイッチと、
前記第2電池の電力を前記ガス吸着型蓄電池に供給するための第2充電用スイッチと、
を備え、
前記制御装置は、前記発電装置の電力が第3閾値以上の場合は、前記第1充電用スイッチおよび前記第2充電用スイッチを制御して、前記発電装置の電力を用いて前記ガス吸着型蓄電池を充電し、前記発電装置の電力が前記第3閾値未満の場合は、前記第1充電用スイッチおよび前記第2充電用スイッチを制御して、前記第2電池の電力を用いて前記ガス吸着型蓄電池を充電する、電解合成システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電解合成システムであって、
前記ガス吸着型蓄電池と前記合成装置とを繋ぐ前記第1配管に設けられ、前記ガス吸着型蓄電池から放出された前記二酸化炭素ガスを貯留する第1ガスタンクと、
前記第1ガスタンクと前記合成装置との間の前記第1配管上に設けられた第1開閉弁と、
前記第1ガスタンクに貯留される前記二酸化炭素ガスの貯留量を取得するための第1タンクセンサと、
を備え、
前記制御装置は、前記二酸化炭素ガスの貯留量が所定の第4閾値を超える場合に、前記第1開閉弁を制御して、前記第1ガスタンクに貯留された前記二酸化炭素ガスを前記合成装置に供給し、前記二酸化炭素ガスの貯留量が前記第4閾値以下の場合には、前記第1開閉弁を制御して、前記第1ガスタンクに貯留された前記二酸化炭素ガスの前記合成装置への供給を停止させる、電解合成システム。
【請求項6】
請求項5に記載の電解合成システムであって、
前記電解装置が生成した前記水素ガスを前記合成装置に流す第2配管と、
前記第2配管に設けられ、前記電解装置によって生成された前記水素ガスを貯留する第2ガスタンクと、
前記第2ガスタンクと前記合成装置との間の前記第2配管上に設けられた第2開閉弁と、
前記第2ガスタンクに貯留される前記水素ガスの貯留量を取得するための第2タンクセンサと、
前記水素ガスを貯留するバックアップタンクと、
前記バックアップタンクと前記第2ガスタンクとを繋ぐ第3配管と、
前記バックアップタンクと前記第2ガスタンクとの間の前記第3配管上に設けられた第3開閉弁と、
を備え、
前記制御装置は、
前記二酸化炭素ガスの貯留量が所定の第4閾値を超え、且つ、前記水素ガスの貯留量が第5閾値を超える場合は、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁を制御して、前記第1ガスタンクに貯留された前記二酸化炭素ガスと前記第2ガスタンクに貯留された前記水素ガスを前記合成装置に供給し、
前記二酸化炭素ガスの貯留量が前記第4閾値を超え、且つ、前記水素ガスの貯留量が前記第5閾値以下の場合は、前記第1開閉弁~前記第3開閉弁を制御して、前記第1ガスタンクに貯留された前記二酸化炭素ガスと前記バックアップタンクに貯留された前記水素ガスを前記合成装置に供給し、
前記二酸化炭素ガスの貯留量が前記第4閾値以下の場合には、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁を制御して、前記第1ガスタンクに貯留された前記二酸化炭素ガスおよび前記第2ガスタンクに貯留された前記水素ガスの前記合成装置への供給を停止させる、電解合成システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電解合成システムであって、
燃料電池と、
前記第2開閉弁と前記合成装置との間の前記第2配管から分岐し、前記燃料電池に接続される第1分岐管と、
前記第1分岐管に設けられる第4開閉弁と、
を備え、
前記制御装置は、前記ガス吸着型蓄電池に供給される発電装置の電力が第3閾値以上の場合は、前記発電装置の電力を前記ガス吸着型蓄電池に供給するための第1充電用スイッチを制御して、前記発電装置の電力を用いて前記ガス吸着型蓄電池を充電し、前記発電装置の電力が前記第3閾値未満の場合は、前記第4開閉弁を制御して前記水素ガスを前記燃料電池に供給し、前記燃料電池の電力を用いて前記ガス吸着型蓄電池を充電する、電解合成システム。
【請求項8】
請求項7に記載の電解合成システムであって、
前記合成装置が合成した前記炭化水素が流れる炭化水素排出路から分岐し、前記燃料電池に接続される第2分岐管と、
前記第2分岐管が前記炭化水素排出路から分岐する分岐部に設けられ、前記第2分岐管との接続と、前記炭化水素排出路との接続とを択一的に切り替える経路切替器と、
前記燃料電池と前記第1ガスタンクとを繋ぐ第4配管と、
を備え、
前記制御装置は、前記発電装置の電力が前記第3閾値未満の場合は、前記第4開閉弁と前記経路切替器とを制御して、前記燃料電池に前記水素ガスと前記炭化水素を供給し、前記燃料電池に発電を実施させる、電解合成システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電解合成システムであって、
前記第2配管から分岐し、前記第1配管に接続される第3分岐管と、
前記第3分岐管が前記第2配管から分岐する分岐部に設けられ、前記第2配管との接続と、前記第3分岐管との接続とを択一的に切り替える第2経路切替器と、
を備え、
前記燃料電池は、前記電解装置であり、
前記制御装置は、前記発電装置の電力が前記第3閾値未満の場合は、前記第2経路切替器を制御して、前記電解装置での発電によって発生する前記二酸化炭素ガスを、前記第1ガスタンクに供給する、電解合成システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電解合成システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生の大幅な削減に向けた取り組みが活発化している。この実現に向けて、電解合成システムに関する研究開発が行われている。電解合成システムは、水蒸気を電解して水素ガスを生成する電解装置と、水素ガスを用いて炭化水素を合成する合成装置とを備えている。
【0003】
下記特許文献1には、固体酸化物形燃料電池と、メタネーション反応器と有するシステムが開示されている。固体酸化物形燃料電池は、燃料極と酸素極と電解質膜とを含むセルを複数積層して構成される。固体酸化物形燃料電池の燃料極には、燃料を改質して生成される改質ガスが供給される。固体酸化物形燃料電池の燃料極からは、水素と一酸化炭素もしくは二酸化炭素とが排出される。メタネーション反応器は、水素と、一酸化炭素もしくは二酸化炭素とを反応させてメタンに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-204783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固体酸化物形燃料電池で発電する場合、当該固体酸化物形燃料電池に改質ガスを供給するために、改質器、供給ライン等を設ける必要がある。また、固体酸化物形燃料電池から排出される二酸化炭素ガスをメタネーション反応器に供給する場合、二酸化炭素ガスを供給するタイミングは、固体酸化物形燃料電池の作動中のみに限られる。そのため、メタネーション反応器の稼働率が低下する。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、水蒸気を電解して水素ガスを生成する電解装置と、前記水素ガスを用いて炭化水素を合成する合成装置とを備える電解合成システムであって、充電中に大気中の二酸化炭素ガスを電子とともに電極に吸着し、前記電極に吸着された前記二酸化炭素ガスを前記電子とともに前記電極から放出するガス吸着型蓄電池と、前記ガス吸着型蓄電池と前記電解装置または前記合成装置とを繋ぎ、前記ガス吸着型蓄電池からの二酸化炭素を流す第1配管と、前記ガス吸着型蓄電池の電力を前記電解装置に供給するための放電用スイッチと、前記電極への前記二酸化炭素ガスの吸着量を取得するための吸着センサと、1以上のプロセッサを有する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記吸着量が所定の第1閾値を超えると、前記放電用スイッチを制御して、前記ガス吸着型蓄電池の放電を開始させる。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、改質器、改質ガスの供給ライン等を設けなくても、電力を蓄電することができる。その結果、設置場所が制限されることを低減することができる。また、ガス吸着型蓄電池によって二酸化炭素ガスを安定的に獲得することができ、その結果、メタネーションリアクタの稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、第1実施形態による電解合成システムの構成を示す概略図である。
図2は、第1実施形態による制御装置のシステム制御処理の手順を示すフローチャートである。
図3は、第1実施形態の変形例による電解合成システムの構成を示す概略図である。
図4は、第2実施形態による電解合成システムの構成を示す概略図である。
図5は、第2実施形態による制御装置のシステム制御処理の手順を示すフローチャートである。
図6は、第2実施形態の変形例1による電解合成システムの構成を示す概略図である。
図7は、第2実施形態の変形例2による電解合成システムの構成を示す概略図である。
図8は、第2実施形態の変形例3による電解合成システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、電解合成システム10は、電解装置12と、ガスタンク14と、合成装置16と、炭化水素タンク18と、ガス吸着型蓄電池20と、制御装置22とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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