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公開番号
2025012845
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115985
出願日
2023-07-14
発明の名称
電気化学反応システム
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
C25B
9/01 20210101AFI20250117BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】単一の電気化学セルにおいて複数種の電極触媒によって複数種の電気化学反応を同時的に行って、電極触媒を用いた電気化学反応による物質の生成や、電極触媒や電気化学反応の条件の探索や適切化を、広範囲を対象として高速に実行できる電気化学反応システムを提供する。
【解決手段】電気化学反応システム1は、カソードとして機能する第1電極、アノードとして機能する第2電極および電気化学反応を行うチャンバを有する電気化学セル10と、第1電極および第2電極との間に電圧を印加する電源装置20と、チャンバに電気化学反応に関わる流体を供給する流体供給装置30とを備え、第1電極および第2電極のうちの少なくとも一方は、電極を構成する材料の組成および電極の表面の構造のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数種の電極材料によって形成されており、チャンバの少なくとも一部の壁面は、複数種の電極材料によって形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
カソードとして機能する第1電極、アノードとして機能する第2電極、および、前記第1電極および前記第2電極による電気化学反応を行うチャンバを有する電気化学セルと、
前記第1電極および前記第2電極との間に電圧を印加する電源装置と、
前記チャンバに電気化学反応に関わる流体を供給する流体供給装置と、を備え、
前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方は、電極を構成する材料の組成および電極の表面の構造のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数種の電極材料によって形成されており、
前記チャンバの少なくとも一部の壁面は、複数種の前記電極材料によって形成されている電気化学反応システム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学反応システムであって、
前記電気化学セルは、複数種の前記電極材料を触媒とした電気化学反応によって、前記チャンバに供給された反応物から、物質を構成する化学組成および混合物を構成する混合組成のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数種の生成物を生成する電気化学反応システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電気化学反応システムであって、
前記流体は、前記電気化学反応の反応物を含む原料流体、および、前記電気化学反応における電荷の移動を媒介する電解質液体のうちの少なくとも一方である電気化学反応システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電気化学反応システムであって、
前記チャンバから排出された流体を気体と液体に分離する気液分離機構を備える電気化学反応システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電気化学反応システムであって、
前記気液分離機構は、疎水性多孔質膜を備えた膜分離装置である電気化学反応システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電気化学反応システムであって、
前記電気化学セルは、前記第1電極を形成する第1電極部材と、前記チャンバの一部の壁面および前記流体の流路を形成する流路形成部材と、前記第2電極を形成する第2電極部材とが、この順に積層された積層構造である電気化学反応システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電気化学反応システムであって、
前記電気化学セルは、前記チャンバの一部の壁面および前記流体の流路を形成する第1流路形成部材と、ガス拡散型の前記第1電極を形成する第1電極部材と、ガス拡散型の前記第2電極を形成する第2電極部材と、前記チャンバの一部の壁面および前記流体の流路を形成する第2流路形成部材とが、この順に積層された積層構造である電気化学反応システム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の電気化学反応システムであって、
前記第1電極部材および前記第2電極部材のうちの少なくとも一方は、前記第1電極部材および前記第2電極部材の沿層方向において電極を構成する材料の組成および電極の表面の構造のうちの少なくとも一方が変化する傾斜構造に設けられている電気化学反応システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電気化学反応システムであって、
前記電気化学セルが、複数の前記チャンバを有し、
複数の前記チャンバは、互いに連通することなく独立的な空間を形成している電気化学反応システム。
【請求項10】
請求項9に記載の電気化学反応システムであって、
前記チャンバを形成する空間は、前記第1電極部材、前記流路形成部材および前記第2電極部材の沿層方向と平行な一軸方向に延びるように配置されている電気化学反応システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成や表面の構造が異なる複数種の材料で形成された電極触媒を利用して電気化学反応を行う多電極型の電気化学反応システムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電極触媒を用いた電気化学反応を利用する技術が注目されている。電極触媒を備えた電気化学セルによって、豊富な資源を利用した効率的な発電や、電力を利用した効率的な物質変換が可能になる。電極触媒の利用によって、持続可能な社会に向けたエネルギ循環や物質循環の実現が期待されている。
【0003】
電極触媒を利用して物質変換を行う場合、太陽光エネルギ、風力エネルギ、水力エネルギ、地熱エネルギ等、各種の再生可能エネルギの利用が可能である。物質変換を行う電気化学反応としては、二酸化炭素の還元、窒素の還元、有害物質の分解や、水素、一酸化炭素、メタン、アルコール等の有価物の生成を行うものがあり、新規の反応の開発も進められている。
【0004】
従来、電極触媒を利用した電気化学反応の機構は、必ずしも十分には解明されていない。電極触媒による触媒作用には、反応選択性がある。或る電極触媒がどのような反応物を選択的に反応させるか、どのような生成物を選択的に生成させるかは、事前に予測することが困難である。電極触媒の反応選択性は、多くの場合、実験的に求める必要がある。
【0005】
また、実施されるプロセスに対して、適切な電極触媒の種類、適切な電解液の種類、適切な反応条件等を予測することも困難である。電極触媒の種類、電解液の種類、反応条件等については、探索が十分に進んでなく、研究者による報告も限定されている。電極触媒や電気化学反応の条件を探索するためのハイスループットなスクリーニング方法は十分に整備されていない現状がある。
【0006】
特許文献1には、コンビナトリアル化学的な材料開発に用いられる装置や方法が記載されている。この装置や方法では、複数のチャンバを有するコンビナトリアルリアクターアレイが用いられている。各チャンバで行われる反応の期間中に、触媒バルク構造や触媒表面構造が測定されている。触媒バルク構造や触媒表面構造は、光学的分光法によって測定されている。
【0007】
従来、電気化学反応に関するコンビナトリアルスクリーニングを行う手段としては、プローブ型の電気化学フローセルを用いる技術も知られている。プローブ型の電気化学フローセルでは、サイクリックボルタンメトリ等による電気化学反応が行われる。電気化学反応によって生成された生成物は、質量分析等によって定量されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
特表2007-532912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在、電極触媒を用いた電気化学反応を物質変換等に応用することが望まれている。物質変換等を効率的に行うために、電気化学反応に用いる電極触媒や電気化学反応の条件の適切化が重要になっている。また、効率的な物質変換等を可能にするために、電極触媒や電気化学反応の条件をハイスループットに探索することが可能な技術が求められている。
【0010】
特許文献1では、触媒バルク構造や触媒表面構造を、チャンバ毎に光学的分光法によって測定している。しかし、光学的分光法による場合、電気化学的操作を行うことができないという課題がある。触媒の電気化学ポテンシャルを変えることができないため、探索の範囲が限定されており、電極触媒や電気化学反応の条件の十分な適切化が困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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