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公開番号2025002926
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103321
出願日2023-06-23
発明の名称水電解装置及び水電解装置の組み立て構造
出願人株式会社ノーリツ
代理人個人
主分類C25B 9/00 20210101AFI20241226BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電解部の電極間の短絡を防止することができる水電解装置及び水電解装置の組み立て構造を提供すること。
【解決手段】入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極(11)と第2電極(12)とがイオン交換膜(13)を挟んで絶縁された状態に積層配置され、第1電極と第2電極の間に電圧を印加してケース内を流動する水を電気分解する水電解装置において、第1電極とイオン交換膜と第2電極は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通するように積層されてケースに固定され、第1電極は、第1電極の開口部(11a)とイオン交換膜の開口部(13a)とを一致させ、且つ第1電極の外縁部がイオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、第2電極は、第2電極の外縁部とイオン交換膜の外縁部とを一致させ、且つ第2電極の開口部(12a)がイオン交換膜の開口部よりも大きく形成された。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極と第2電極とがイオン交換膜を挟んで絶縁された状態に積層配置され、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加して前記ケース内を流動する水を電気分解する水電解装置において、
前記第1電極と前記イオン交換膜と前記第2電極は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通するように積層されて前記ケースに固定され、
前記第1電極は、前記第1電極の前記開口部と前記イオン交換膜の前記開口部とを一致させ、且つ前記第1電極の外縁部が前記イオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、
前記第2電極は、前記第2電極の外縁部と前記イオン交換膜の前記外縁部とを一致させ、且つ前記第2電極の前記開口部が前記イオン交換膜の前記開口部よりも大きく形成されたことを特徴とする水電解装置。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極と第2電極とがイオン交換膜を挟んで絶縁された状態に積層配置され、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加して前記ケース内を流動する水を電気分解する水電解装置の組み立て構造において、
前記第1電極と前記イオン交換膜と前記第2電極は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、前記入水部又は前記吐水部に挿入された棒状部材に前記開口部を夫々嵌めて積層されて前記ケースに固定され、
前記第1電極と前記イオン交換膜は、積層時に各々の前記開口部を囲む内縁部と前記棒状部材の外周との当接によって積層方向と直交する方向に拘束されることにより位置決めされ、
前記イオン交換膜と前記第2電極は、積層時に各々の外縁部と前記ケースに形成された位置決め部との当接によって積層方向と直交する方向に拘束されることにより位置決めされることを特徴とする水電解装置の組み立て構造。
【請求項3】
前記第1電極は、前記第1電極の前記開口部が前記イオン交換膜の前記開口部と一致し、且つ前記第1電極の外縁部が前記イオン交換膜の外縁部よりも内側となり、
前記第2電極は、前記第2電極の前記開口部が前記イオン交換膜の前記開口部よりも大きく、且つ前記第2電極の外縁部が前記イオン交換膜の前記外縁部と一致することを特徴とする請求項2に記載の水電解装置の組み立て構造。
【請求項4】
前記棒状部材は、積層した前記第1電極と前記イオン交換膜と前記第2電極の固定後に除去されることを特徴とする請求項2又は3に記載の水電解装置の組み立て構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解部で水を電気分解して電解水を生成する水電解装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えばオゾン水や次亜塩素酸水のような殺菌作用を有する電解水を生成するために、水を電気分解する水電解装置が利用されている。水電解装置は、陽極と陰極の間に電圧を印加して電極間を流動する水を電気分解し、電解水を生成する。
【0003】
効率的に水を電気分解するために、例えば特許文献1のように、陽極と陰極の間にイオン交換膜を配設し、陽極に接続された陽極側メッシュ電極をイオン交換膜に接触させると共に、その反対側からイオン交換膜に対して陰極に接続された陰極側メッシュ電極を接触させた積層構造の電解部(電解セル)が知られている。そして、電気分解をさらに効率的にするために、例えば特許文献2のように、イオン交換膜である固体電解質膜と接触するメッシュ電極の接触面に触媒層を形成することが知られている。
【0004】
イオン交換膜は殆ど水を通さないため、上記の電解部を備えた電解水生成装置は、陽極側と陰極側に夫々入水部と吐水部を設けている。そのため、水の配管が多くなり、接続が容易ではない。そこで、例えば特許文献3のように、イオン交換膜を挟んだ積層構造の電解部が、その積層方向に貫通させた中央開口部を備え、電解部の外周側から中央開口部に向かって水を流動させるように、又は中央開口部から電解部の外周側に向かって水を流動させるように構成されたものが知られている。電解部に対して入水部と吐水部が1つずつになり、水の配管の接続が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4392354号公報
特開2018-76576号公報
特許第7010529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、イオン交換膜で絶縁された陽極側と陰極側とが、例えば積層して電解部を形成する際の位置ずれ、水に含まれるミネラルの析出、侵入した異物の蓄積等により、電解部の外周側又は中央開口部において短絡される虞がある。そこで、本発明は、電解部の電極間の短絡を防止することができる水電解装置及び水電解装置の組み立て構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の水電解装置は、入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極と第2電極とがイオン交換膜を挟んで絶縁された状態に積層配置され、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加して前記ケース内を流動する水を電気分解する水電解装置において、前記第1電極と前記イオン交換膜と前記第2電極は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通するように積層されて前記ケースに固定され、前記第1電極は、前記第1電極の前記開口部と前記イオン交換膜の前記開口部とを一致させ、且つ前記第1電極の外縁部が前記イオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、前記第2電極は、前記第2電極の外縁部と前記イオン交換膜の前記外縁部とを一致させ、且つ前記第2電極の前記開口部が前記イオン交換膜の前記開口部よりも大きく形成されたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、各々が中央に開口部を有する平板形状の第1電極とイオン交換膜と第2電極とが、これらの開口部が連通するように積層されて、イオン交換膜によって第1電極と第2電極が絶縁された状態でケースに固定されている。第1電極は、開口部をイオン交換膜の開口部と一致させ且つ外縁部がイオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成されている。一方、第2電極は、開口部がイオン交換膜の開口部よりも大きく、且つ外縁部がイオン交換膜の外縁部と一致するように形成されている。それ故、イオン交換膜の開口部を介する第1電極と第2電極との距離、及びイオン交換膜の外縁部を介する第1電極と第2電極との距離を、イオン交換膜の厚さよりも夫々大きくすることができる。電極間の距離が大きいほど電極間の短絡が発生し難くなるので、イオン交換膜に対する第1電極と第2電極の位置ずれによる第1電極と第2電極の短絡を防止し、析出物、異物等による短絡を発生し難くすることができる。
【0009】
請求項2の発明の水電解装置の組み立て構造は、入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極と第2電極とがイオン交換膜を挟んで絶縁された状態に積層配置され、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加して前記ケース内を流動する水を電気分解する水電解装置の組み立て構造において、前記第1電極と前記イオン交換膜と前記第2電極は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、前記入水部又は前記吐水部に挿入された棒状部材に前記開口部を夫々嵌めて積層されて前記ケースに固定され、前記第1電極と前記イオン交換膜は、積層時に各々の前記開口部を囲む内縁部と前記棒状部材の外周との当接によって積層方向と直交する方向に拘束されることにより位置決めされ、前記イオン交換膜と前記第2電極は、積層時に各々の外縁部と前記ケースに形成された位置決め部との当接によって積層方向と直交する方向に拘束されることにより位置決めされることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、各々が中央に開口部を有する平板形状の第1電極とイオン交換膜と第2電極とが、これらの開口部を入水部又は吐水部に挿入された棒状部材に嵌めて積層され、ケースに固定される。第1電極とイオン交換膜は、これらの開口部を囲む内縁部に当接する棒状部材によって、積層方向と直交する方向の位置が決まる。一方、第2電極とイオン交換膜は、これらの外縁部が当接するケースに形成された位置決め部によって、積層方向と直交する方向の位置が決まる。従って、積層時にイオン交換膜に対して第1電極と第2電極の位置ずれを防ぐことができるので、位置ずれによる第1電極と第2電極の短絡を防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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