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公開番号2025018200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121709
出願日2023-07-26
発明の名称酸化皮膜層と表面処理アルミニウム材
出願人中国電化工業株式会社
代理人弁理士法人維新国際特許事務所,個人
主分類C25D 11/18 20060101AFI20250130BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】高温であってもクラックが生じない耐熱性に優れた酸化皮膜層と表面処理アルミニウム材を提供する。
【解決手段】本発明に係る酸化皮膜層は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材表面上に形成され、その組成が、酸素73±2%(原子数%)及びアルミニウム27±2%(原子数%)からなる非晶質であり、150℃~500℃のいずれかの温度条件下で、表面にクラックが発生しないことを特徴とするものである。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材表面上に形成され、その組成が、酸素73±2%(原子数%)及びアルミニウム27±2%(原子数%)からなる非晶質であり、150℃~500℃のいずれかの温度条件下で、表面にクラックが発生しないことを特徴とする酸化皮膜層。
続きを表示(約 90 文字)【請求項2】
請求項1に記載の前記酸化皮膜層が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材表面上に形成されたことを特徴とする表面処理アルミニウム材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化皮膜層と、その酸化皮膜層を表面に形成する表面処理アルミニウム材に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、PVD(Physical Vapor Deposition)装置やドライエッチング装置などの真空装置には、アルミニウム(以下、Alと示す。)又はAl合金製部材に陽極酸化皮膜を施し、真空装置内に導入される腐食性の塩素ガスやプラズマに対する耐食性を担保している。
このような真空装置用材料としては、従来から主としてステンレス材が用いられてきたが、ステンレス鋼製の真空装置は、重量が重く土台に大掛かりな工事が必要であり、またステンレスは熱伝導性が十分でなく作動時のベーキングに時間が係るという課題があった。さらに、ステンレス鋼の成分であるクロム(以下、Crと示す。)などの重金属が、何らかの要因でプロセス中に放出されて汚染源となるおそれもあった。そこで、ステンレス鋼よりも軽量で、熱伝導性に優れると同時に重金属汚染のおそれのないAl又はAl合金製の真空装置の開発が活発化している。
そこで、本願特許出願人は、特許文献1に開示されるとおり、シュウ酸等の酸を用いて陽極酸化処理工程を施した後、その上に緻密な水和アルミナ皮膜層を形成させ、その水和アルミナ皮膜層の膜厚を0.5μm以上とする表面処理アルミニウム材を発明した。
さらに、本願特許出願人は、水和アルミナ皮膜層の膜の厚さに加えて、その表面の算術平均粗さをRa=10nm以下として処理表面積を減少させ、アウトガスの抑制能力とエッチング耐性を高めた表面処理アルミニウム材を発明するに至り、その内容は特許文献2に開示されている。なお、本願では陽極酸化皮膜層に対して封孔処理を施したものを陽極酸化皮膜層と区別するために酸化皮膜層という。したがって、陽極酸化皮膜層の表面に水和アルミナ皮膜層が形成された全体の層に加えて、封孔処理による水和アルミナ皮膜層が陽極酸化皮膜層の孔中に形成された場合も酸化皮膜層という。
また、特許文献2に開示される表面処理アルミニウム材製造方法を用いて製造された従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(10万倍)を図9Aに示し、また、その表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(2万倍)を図9Bに示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-29891号公報
特開2016-194098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、陽極酸化皮膜層と水和アルミナ皮膜層が施されたAlやAl合金製部材であっても、高温になると、そのAlやAl合金製部材との熱膨張差によってその酸化皮膜層にクラック(割れ)が生じ、そのクラックから生じるパーティクルは、半導体ウェーハ表面等に作られる微細な回路の欠陥原因となり不良を引き起こす原因となってしまうという課題があった。
【0005】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、高温であってもクラックを生じない耐熱性に優れた酸化皮膜層と表面処理アルミニウム材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明である酸化皮膜層は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材表面上に形成され、その組成が、酸素73±2%(原子数%)及びアルミニウム27±2%(原子数%)からなる非晶質であり、150℃~500℃のいずれかの温度条件下で、表面にクラックが発生しないことを特徴とするものである。
【0007】
第2の発明である表面処理アルミニウム材は、第1の発明である酸化皮膜層が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材表面上に形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明である酸化皮膜層は、150~500℃のいずれかの温度条件下で、その表面にクラックが発生しないという効果を有する。
【0009】
また、第2の発明である表面処理アルミニウム材は、その表面上に形成された酸化皮膜層が150~500℃のいずれかの温度条件下で、酸化皮膜層の表面にクラックが発生しないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材製造方法の工程を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(10万倍)である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(2万倍)である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層に対するグロー放電分光(GDS)分析結果を従来の一般的なシュウ酸アルマイト皮膜層と比較して示すグラフである。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層に対するX線回折(XRD)分析結果を従来の一般的なシュウ酸アルマイト皮膜層と比較して示すグラフである。
表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面のクラックの計数方法を示す概念図である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を150℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を300℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を400℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を500℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)である。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を150℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)であり、黒丸はクラックを計数した印である。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を300℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)であり、黒丸はクラックを計数した印である。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を400℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)であり、黒丸はクラックを計数した印である。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面を500℃まで加熱した場合の拡大写真(50倍)であり、黒丸はクラックを計数した印である。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材と従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面のそれぞれの酸化皮膜層表面に発生したクラック数を比較して示すグラフである。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材と従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層の膜厚を30μmとし、酸化皮膜層の温度を変化させてその絶縁破壊電圧を測定した結果を比較して示すグラフである。
本発明の実施の形態に係る表面処理アルミニウム材と従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層の膜厚を50μmとし、酸化皮膜層の温度を変化させてその絶縁破壊電圧を測定した結果を比較して示すグラフである。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(10万倍)である。
従来の表面処理アルミニウム材の酸化皮膜層の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(2万倍)である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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