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公開番号2025028546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133425
出願日2023-08-18
発明の名称ノンシアン系金電解剥離液及び金の電解剥離法
出願人EEJA株式会社
代理人オリジネイト弁理士法人
主分類C25F 5/00 20060101AFI20250221BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】チオ尿素系化合物を必須成分として含むノンシアン系の金電解剥離液に関し、電解中の白濁・沈殿物の発生を抑制して継続的な金剥離作業を可能とするものを提供する。
【解決手段】本発明は、チオ尿素系化合物及び電導塩を必須の成分とするノンシアン系金電解剥離液に関する。本発明に係る金電解剥離液は、前記した必須成分に加えて、白濁抑制剤として、メルカプト基を少なくとも一つ有するメルカプト基含有化合物を含む。このとき、各成分の含有量としては、チオ尿素系化合物を10g/L以上100g/L以下、電導塩を20g/L以上200g/L以下、白濁抑制剤であるメルカプト基含有化合物を0.1g/L以上10g/L以下、とするのが好ましい。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
チオ尿素系化合物及び電導塩を必須の成分とするノンシアン系金電解剥離液において、
白濁抑制剤として、メルカプト基を少なくとも一つ有するメルカプト基含有化合物を含むことを特徴とするノンシアン系金電解剥離液。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
チオ尿素系化合物を10g/L以上100g/L以下と、
電導塩を20g/L以上200g/L以下と、
白濁抑制剤であるメルカプト基含有化合物を0.1g/L以上10g/L以下含む請求項1記載のノンシアン系金電解剥離液。
【請求項3】
白濁抑制剤であるメルカプト基含有化合物は、メルカプトプロパンスルホン酸、メルカプトエタンスルホン酸、メルカプト酢酸、メルカプトコハク酸、メルカプト乳酸、メルカプト安息香酸、メルカプトプロピオン酸のいずれか、若しくは、これらの塩のいずれかである請求項1又は請求項2記載のノンシアン系金電解剥離液。
【請求項4】
電導塩は、有機カルボン酸又は有機カルボン酸塩、若しくは、無機酸又は無機酸塩、の少なくともいずれかである請求項1又は請求項2記載のノンシアン系金電解剥離液。
【請求項5】
有機カルボン酸は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸のいずれかであり、有機カルボン酸塩は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸のいずれかのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のいずれかである請求項4記載のノンシアン系金電解剥離液。
【請求項6】
ノンシアン系金電解剥離液中で金を含む被処理材を陽極として電解処理することにより、前記被処理材から金を剥離する金の電解剥離方法において、
前記ノンシアン系金電解剥離液として、チオ尿素系化合物及び電導塩を必須の成分とするノンシアン系金電解剥離液を用い、
少なくとも前記電解処理する段階で、前記ノンシアン系金電解剥離液に、メルカプト基を少なくとも一つ有するメルカプト基含有化合物を含有させることを特徴とする金の電解剥離方法。
【請求項7】
電解処理時のノンシアン系金電解剥離液のpHを1以上する請求項6記載の金の電解剥離方法。
【請求項8】
電解処理時の電流密度を0.1A/dm

以上20A/dm

以下とし、液温を25℃以上70℃以下とする請求項6又は請求項7記載の金の電解剥離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金を含む被処理材から、陽極電解剥離法により金を電解剥離するためのノンシアン系の電解剥離液に関する。詳しくは、電解剥離中の白濁発生が抑制され安定性に優れると共に、金の剥離速度を低減させることのない金電解剥離液に関する。また、本発明は、該金電解剥離液による金の電解剥離方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
金(Au)は、化学的安定性、導電性に優れると共に装飾的効果も高いことから、各種電子・電気デバイスの電極や電子機器端末の端子・コネクタの被覆材の他、装飾品・宝飾品等と広範な用途に用いられる貴金属である。金を前記の各種用途に供するとき、めっき法(電解めっき・無電解めっき)による薄膜の形態が適用されることが多い。
【0003】
上記の各種用途に金めっき皮膜を適用するとき、一旦形成された金めっき皮膜を剥離除去する必要が生じることがある。例えば、めっき処理後に検査等によりめっき皮膜の欠陥やめっき不良が発見された場合には、金めっき皮膜の剥離が必要である。また、金めっき皮膜を含む多層構造を有する電極の製造においては、その構造又は製造工程の関係上、金めっき皮膜を除去することが必要となる場合もある。
【0004】
金めっき皮膜の剥離方法としては、古くはシアン化合物を含む金剥離液に被処理材を浸漬して金を溶解させる方法が知られている。しかし、この方法は毒性のあるシアン化合物を利用することから、剥離作業の安全性や作業効率及び廃液処理の観点から忌避される傾向にあった。そこで、近年では、シアン化合物を含まない剥離液(電解剥離液)を用い、被処理材を陽極として電解処理する剥離方法が利用されるようになっている。
【0005】
電解処理による金の剥離方法で使用される金電解剥離液としては、これまで、水等の溶媒に電解塩と共に添加剤としてチオ尿素((NH

)CS)等のチオ尿素系化合物を添加したものが公知である(特許文献1)。チオ尿素系化合物は、被処理材中の金と反応して錯体(チオ尿素金錯体)を形成することで金の溶解・剥離を促進する添加剤であり、金電解剥離液にとって必須ともいうべき添加剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-290444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおり、チオ尿素系化合物を含む金電解剥離液は、金の電解剥離処理におけるスタンダートともいえるものである。しかしながら、かかる従来の金電解剥離液にも問題がある。
【0008】
即ち、従来のチオ尿素系化合物を含む金電解剥離液では、電解剥離作業中に剥離液中に白濁化した沈殿物が生じる傾向にある。かかる沈殿物が浮遊した状態では、被処理材からの金の剥離速度が低下し、やがて反応停止によって剥離作業の中断が余儀なくされる。こうした剥離液中の沈殿物に対する対応としては、電解処理装置にフィルターを設置し、剥離液中に沈殿物が浮遊しない状態とすれば良いが、フィルター交換回数の増加によるコストアップが懸念される。また、この沈殿物は不溶解物であり、処理槽の内壁に付着すると剥離液更新の際に洗浄が必要となり工数増が必要となる。
【0009】
そこで、本発明は、チオ尿素系化合物を必須成分として含むノンシアン系の金電解剥離液であって、上記した白濁・沈殿物の発生を抑制し、継続的な金剥離作業を可能とするものを提供する。この課題解決の前提として、被処理材からの金剥離速度を従来技術に対し同等以上とすることができるものを見出す。そして、かかる金電解剥離液を適用した、金電解剥離方法についても明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題解決のため、従来のチオ尿素系化合物を含む金電解剥離液で発生する白濁・沈殿物についての詳細を検討した。上記したように、チオ尿素系化合物は、金を錯化させて水溶化させることで金の剥離・析出を促進する。このとき形成されるチオ尿素金錯体は、水溶性であり一定の溶解度を有する。本発明者等は、チオ尿素金錯体の水への溶解度はさほど高いものではない、と考察した。そして、チオ尿素金錯体が溶解度を超えて剥離液中に存在するようになると、近接した錯体同士が不溶性の多量体を形成して析出し、これが白濁・沈殿の要因となっていると考察した。
(【0011】以降は省略されています)

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