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公開番号
2025015913
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023118807
出願日
2023-07-21
発明の名称
撥水部材及びその製造方法
出願人
日本軽金属株式会社
,
ジオマテック株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25D
11/04 20060101AFI20250124BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】製造初期のみならず、長期に亘って撥水性を持続させることができる撥水部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム基材と、アルミニウム基材の表面に形成された陽極酸化皮膜とを有するアルミニウム部材、及び撥水材料を含んでおなりアルミニウム部材の陽極酸化皮膜の表面を覆う撥水材料層を備えた撥水部材であって、撥水材料層は、フッ素含有化合物及びシリコン含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含み、陽極酸化皮膜は、表面に開口する有底の孔部と、孔部を囲んで立設する壁部とを有するポーラス層を有して、壁部は、根元側から先端側に向かうにつれて幅が狭くなる先細り形状であって、王冠状の構造を有しており、孔部は、孔部の間隔(Wp)に対する孔部の深さ(Hp)の比(Hp/Wp)が1以上4以下である撥水部材であり、これを得る撥水部材の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材と、前記アルミニウム基材の表面に形成された陽極酸化皮膜とを有するアルミニウム部材、及び撥水材料を含んでなり前記アルミニウム部材の前記陽極酸化皮膜の表面を覆う撥水材料層を備えた撥水部材であって、
前記撥水材料層は、フッ素含有化合物及びシリコン含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含み、
前記陽極酸化皮膜は、表面に開口する有底の孔部と、前記孔部を囲んで立設する壁部とを有するポーラス層を有し、
前記壁部は、根元側から先端側に向かうにつれて幅が狭くなる先細り形状であり、隣接する二つの前記孔部に挟まれる前記壁部の中間部の高さが相対的に低く、隣接する三つ以上の前記孔部に囲まれる前記壁部の中央部の高さが相対的に高い、王冠状の構造を有し、
前記孔部は、前記孔部の間隔(Wp)に対する前記孔部の深さ(Hp)の比(Hp/Wp)が、1以上、4以下である、
ことを特徴とする、撥水部材。
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【請求項2】
前記壁部は、根元側から先端側に向かうにつれて幅が狭くなる先細り形状であるとともに、前記壁部の中央部の最先端部分において幅方向に突出して広がる突出部を有する、
請求項1に記載の撥水部材。
【請求項3】
前記陽極酸化皮膜は、前記孔部の角度(θp)の標準偏差が3以上である、
請求項1に記載の撥水部材。
【請求項4】
前記陽極酸化皮膜は、前記壁部の根元の幅(Ww)が100nm以上である、
請求項1に記載の撥水部材。
【請求項5】
前記陽極酸化皮膜は、厚さが1μm以下である、
請求項1に記載の撥水部材。
【請求項6】
前記陽極酸化皮膜は、周囲の前記壁部よりも高さの低い前記壁部を間に挟んで複数の前記孔部が集合することで形成される凹部が存在するドメイン構造を有する、
請求項1に記載の撥水部材。
【請求項7】
前記撥水部材が、結露防止部材である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の撥水部材。
【請求項8】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材と、前記アルミニウム基材の表面に形成された陽極酸化皮膜とを有するアルミニウム部材、及び撥水材料を含んでなり前記アルミニウム部材の前記陽極酸化皮膜の表面を覆う撥水材料層とを備えた撥水部材の製造方法であって、
前記アルミニウム基材に対して、シュウ酸を含む電解液を用いて陽極酸化を行う陽極酸化処理と、リン酸を含む処理液を用いてエッチングを行うエッチング処理とを繰り返し行うことで、前記陽極酸化処理によるポーラス型の陽極酸化皮膜の形成と、前記エッチング処理によるポアワイドニングとによって、表面に開口する有底の孔部と、前記孔部を囲んで立設する壁部とを有するポーラス層を有するとともに、前記壁部が、根元側から先端側に向かうにつれて幅が狭くなる先細り形状であり、隣接する二つの前記孔部に挟まれる前記壁部の中間部の高さが相対的に低く、隣接する三つ以上の前記孔部に囲まれる前記壁部の中央部の高さが相対的に高い、王冠状の構造を有する、前記陽極酸化皮膜を形成する、皮膜形成工程、
前記皮膜形成工程によって形成された前記陽極酸化皮膜に対して、プラズマを照射するプラズマ処理を行うことで、前記陽極酸化皮膜に官能基を付与して活性化する、皮膜処理工程、及び
前記皮膜処理工程によって活性化された前記陽極酸化皮膜に対して、フッ素含有化合物及びシリコン含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物からなる撥水材料を含む撥水溶液を用いて撥水処理を行うことで、前記陽極酸化皮膜の表面に前記撥水材料層を設ける撥水工程を備え、
前記陽極酸化皮膜の前記孔部は、前記孔部の間隔(W)に対する前記孔部の深さ(H)の比(H/W)が、1以上、4以下である、
ことを特徴とする、撥水部材の製造方法。
【請求項9】
前記プラズマ処理が、酸素プラズマの照射により、前記陽極酸化皮膜に水酸基を付与する酸素プラズマ処理である、
請求項8に記載の撥水部材の製造方法。
【請求項10】
前記皮膜形成工程において、前記陽極酸化処理と前記エッチング処理とを行う前記アルミニウム基材の表面の粗さ(Ra)が0.1μm以上である、
請求項8に記載の撥水部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水部材及びその製造方法に関し、詳しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材と該アルミニウム基材の表面に形成された陽極酸化皮膜とを有するアルミニウム部材、及び、撥水材料を含んで前記アルミニウム部材の陽極酸化皮膜の表面を覆う撥水材料層を備えた撥水部材、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウム基材にナノ凹凸構造を形成して、ナノ凹凸構造を形成した後の表面に撥水材料を含む撥水材料層を設けることで、撥水性能や着雪、着霜、若しくは着氷の防止性能(以降、これらをまとめて単に「撥水性能」と称する。)を向上させたアルミニウム部材が提供されている。そのなかで、撥水性能を高めるためのナノ凹凸構造の形成手法として、アルミニウム基材に対して陽極酸化処理によってポーラス型の陽極酸化皮膜を形成することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、アルミニウム基材に対して、硫酸を用いた陽極酸化によるポーラス皮膜の形成と、リン酸を用いた酸エッチングにより細孔を拡大させるポアワイドニングとを行った後、酸素プラズマ処理を施すことで活性化を行い、更に、得られた多孔質表面に対して、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)を含有する炭化水素系オイルで被覆することで、撥液性の表面を有する撥水部材を製造することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2においては、アルミニウム基材に対して、陽極酸化処理によるポーラス皮膜の形成を行った後、表面プラズマ処理を施して官能基付与による活性化を行い、その上でシランカップリング剤を用いた撥水処理により撥水層を設けることで、撥水面を有した撥水部材を提供することが記載されている。
【0005】
更に、特許文献3には、アルミニウム基材を1次陽極酸化及び2次陽極酸化で処理した後、リン酸溶液を用いたポアワイドニングを組み合わせることで、細孔上部に鋭い柱(ピラー)が単一又はバンドル(束)で形成されたピラー-オン-ポア構造の超疎水性表面を有する撥水部材を得ることが記載されている。
【0006】
更にまた、特許文献4には、アルミニウム基材に対して、陽極酸化処理(アルマイト化処理)とエッチング処理とを繰り返すことで、多数のピン状突起が並立する規則的な凹凸構造を形成して、尚且つ、該凹凸構造のピン状突起の接触面積率が小さいアルマイト層にすることで、その表面に設けられた撥水皮膜の撥水性を良好にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-116451号公報
特表2014-509959号公報
特表2022-524167号公報
特開2017-115219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、アルミニウム基材を陽極酸化処理してナノオーダーの凹凸構造を形成し、その表面に撥水材料を含んだ撥水材料層を設けることが検討されている。これらによれば、撥水性能や着雪、着霜、若しくは着氷の防止性能を備えた撥水部材を得ることができる。ところが、これらはいずれも製造初期における撥水性を高めることに着目されたものであった。
【0009】
本発明は、製造初期のみならず、長期に亘って撥水性を持続させることができる撥水部材を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、このような撥水部材を得ることができる撥水部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来知られていた撥水部材について、すなわち、アルミニウム基材を陽極酸化処理してナノオーダーの凹凸構造を形成し、その表面に撥水材料を含んだ撥水材料層を設けた撥水部材について、本発明者らは更なる検討を重ねたところ、撥水性能を高めようとすると、長期に亘ってそれを維持するのが難しくなるという新たな知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)
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