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公開番号2025007109
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108299
出願日2023-06-30
発明の名称酸素発生用電極触媒、アノード電極、および酸素発生用装置
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類C25B 11/093 20210101AFI20250109BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】 酸素発生効率が高く、寿命も長く、コストの低い非貴金属電極触媒を提供することである。
【解決手段】 銀および2以上の非貴金属金属元素を含んだ混合物の酸化物を含む酸素発生用電極触媒であって、銀は空間群Fm-3mの立方晶系かつナノ粒子状であり、非貴金属金属元素は全て前記非貴金属金属元素が取りうる最高価数状態の種を含む複数の価数状態を有し、電極触媒は酸素空孔を有する酸素発生用電極触媒とする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
銀および2以上の非貴金属金属元素を含んだ混合物の酸化物を含む酸素発生用電極触媒であって、
前記銀は空間群Fm-3mの立方晶系かつナノ粒子状であり、
前記非貴金属金属元素は全て、前記非貴金属金属元素が取りうる最高価数状態の種を含む複数の価数状態を有し、
前記電極触媒は酸素空孔を有する、酸素発生用電極触媒。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記酸素空孔の比率は、40%以上100%未満である、請求項1記載の酸素発生用電極触媒。
前記酸素空孔の比率は、前記酸素発生用電極触媒をXPS測定して求めたO 1sスペクトルを、530.1eVの金属酸化物の格子酸素(O

)、531.8eVの酸素空孔(O

)および533.7eVの表面吸着酸素/層間水(O

)の3成分に分けてデコンボリューション解析した格子酸素(O

)の面積比率によって求められる。
【請求項3】
前記非貴金属金属元素は非単結晶である、請求項1または2記載の酸素発生用電極触媒。
【請求項4】
前記混合物の酸化物は、さらに、窒化物、硫化物、塩化物およびホウ素化物からなる群より選ばれる1以上からなる混合体を含む、請求項1から3の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
【請求項5】
前記非金属金属元素は一様に分布している、請求項1から4の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
【請求項6】
前記銀は一様に分布している、請求項1から5の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒を使用したアノード電極。
【請求項8】
請求項7に記載のアノード電極が具備された酸素発生用装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素発生用電極触媒、アノード電極、および酸素発生用装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの地球環境問題の観点から化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として、グリーン水素が注目されている。グリーン水素は、製造時も使用時も二酸化炭素を排出しない地球環境にやさしいエネルギー源である。
【0003】
グリーン水素は水の電気分解によるものなので、酸素発生用電極触媒がグリーン水素を生産するために必須になる。
酸素発生用電極触媒としては、現在、白金族元素である白金(Pt)、ルテニウム(Ru)あるいはイリジウム(Ir)などの貴金属が主に使用されており、例えば特許文献1に開示がある。しかしながら、これらの貴金属元素は高価で資源量が限られており、膨大なグリーン水素を供給するときのネックになっている。
このため、非貴金属からなり、酸素発生効率が高く寿命も長い低コストな酸素発生用電極触媒が嘱望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-37942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、酸素発生効率が高く、寿命も長く、その上でコストも低い非貴金属電極触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための本発明の構成を下記に示す。
【0007】
(構成1)
銀および2以上の非貴金属金属元素を含んだ混合物の酸化物を含む酸素発生用電極触媒であって、
前記銀は空間群Fm-3mの立方晶系かつナノ粒子状であり、
前記非貴金属金属元素は全て、前記非貴金属金属元素が取りうる最高価数状態の種を含む複数の価数状態を有し、
前記電極触媒は酸素空孔を有する、酸素発生用電極触媒。
(構成2)
前記酸素空孔の比率は、40%以上100%未満である、構成1記載の酸素発生用電極触媒。
前記酸素空孔の比率は、前記酸素発生用電極触媒をXPS測定して求めたO 1sスペクトルを、530.1eVの金属酸化物の格子酸素(O

)、531.8eVの酸素空孔(O

)および533.7eVの表面吸着酸素/層間水(O

)の3成分に分けてデコンボリューション解析した格子酸素(O

)の面積比率によって求められる。
(構成3)
前記非貴金属金属元素は非単結晶である、構成1または2記載の酸素発生用電極触媒。
(構成4)
前記混合物の酸化物は、さらに、窒化物、硫化物、塩化物およびホウ素化物からなる群より選ばれる1以上からなる混合体を含む、構成1から3の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
(構成5)
前記非金属金属元素は一様に分布している、構成1から4の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
(構成6)
前記銀は一様に分布している、構成1から5の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒。
(構成7)
構成1から6の何れか一項に記載の酸素発生用電極触媒を使用したアノード電極。
(構成8)
構成7に記載のアノード電極が具備された酸素発生用装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、酸素発生効率が高く、寿命が長く、その上でコストも低い非貴金属電極触媒が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例で作製した試料のSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。
実施例で作製した試料のXRD(X-Ray Diffraction)データである。
実施例で作製したMnFeNiZn
0.5
AgO

試料の構造評価結果であり、(a)は低倍率HR-TEM(High-Resolution Transmission Electron Microscope)像、(b)は高倍率HR-TEM像、(c)は円で示された領域の電子線回折像、(d)はADF-STEM(Annular Dark-Field Scanning Transmission Electron Microscope)像、(e)~(k)はEDS(Energy Dispersive Spectroscopy)により成分元素の空間分布を観察したもので、(e)はMn、(f)はFe、(g)はNi、(h)はZn、(i)はAg、(j)はO、および(k)はTiである。
実施例で作製したMnFeNiZn
0.5
AgO

試料のXPS(X-Ray Photoelectron Spectroscopy)測定結果である。ここで、(a)はMn 2p、(b)はFe 2p、(c)はNi 2p
3/2
、(d)はZn 2p
3/2
、(e)はAg 3dおよび(f)はO 1sに対応したスペクトルを実測にフィッティングさせた計算結果と合わせて示したものである。
MnFeNiZn
0.5
AgO

電極触媒の酸素発生反応を電位の経過時間依存性により評価した特性図であり、pHをパラメータにしている。
MnFeNiZn
0.5
AgO

電極触媒材料の酸素発生反応を、1Mの炭酸塩(Na-Ci)電解質を用いて80℃の環境下で電位-電流特性(LSV Curve)にて評価した特性図である。
MnFeNiZn
0.5
AgO

とRuO

の電位経過時間変化(CP:Chronopotentiometry)を比較評価した特性図である。
酸素発生用装置の主要構成を説明する構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明の電極触媒について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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