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公開番号
2025014478
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117061
出願日
2023-07-18
発明の名称
アルミニウム材の製造方法
出願人
株式会社UACJ
,
国立大学法人北海道大学
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
C25F
3/20 20060101AFI20250123BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】環境負荷が低減され、取扱いが容易であり、安全性が向上するとともに、鏡面性が向上したアルミニウム材の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム材1の製造方法であって、塩化ナトリウムの濃度Mが、0.1mol/L以上0.4mol/L未満となるように塩化ナトリウムをプロピレングリコールに溶解させた電解研磨液11に、母材2を浸漬し、電解研磨液11の温度をT(単位:K)、塩化ナトリウムの濃度をM(単位:mol/L)、電解電圧をV(単位:V)、母材2を電解研磨する電解時間をt(単位:min)としたとき、下記の式(1)で表されるパラメータEが、6.5以上100以下となる条件で、母材2を陽極として電解電圧を印加して電解研磨することにより母材2の表面に研磨面3を形成する、アルミニウム材1の製造方法。
E=(T×V
1.23
×t)/(100000×M) ・・・(1)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材の表面に、電解研磨により形成された研磨面を有するアルミニウム材の製造方法であって、
塩化ナトリウムの濃度Mが、0.1mol/L以上0.4mol/L未満となるように前記塩化ナトリウムをプロピレングリコールに溶解させた電解研磨液に、前記母材を浸漬し、
前記電解研磨液の温度をT(単位:K)、前記塩化ナトリウムの濃度をM(単位:mol/L)、電解電圧をV(単位:V)、前記母材を電解研磨する電解時間をt(単位:min)としたとき、下記の式(1)で表されるパラメータEが、6.5以上100以下となる条件で、前記母材を陽極として前記電解電圧を印加して電解研磨することにより前記母材の表面に前記研磨面を形成する、アルミニウム材の製造方法。
E=(T×V
1.23
×t)/(100000×M) ・・・(1)
続きを表示(約 190 文字)
【請求項2】
前記電解研磨液の温度Tが273K以上313K以下である、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項3】
前記電解電圧Vが、30V以上100V以下である、請求項1または2に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項4】
前記電解時間tが、1min以上60min以下である、請求項1または2に記載のアルミニウム材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、研磨面を備えたアルミニウム材等の金属製品の製造方法として、例えば、電解研磨が知られている。アルミニウム材用の電解研磨液としては、例えば、リン酸を含む電解研磨液や、過塩素酸を含む電解研磨液が知られている。このような技術として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
しかし、電解研磨液がリン酸を含む場合、リンが排水とともに自然環境に排出されると、河川や湖沼の富栄養化をもたらす汚染物質になる可能性がある。また、過塩素酸を含む電解研磨液は取扱いに注意を要する。
【0004】
これらの問題に対し、より環境負荷が低く、取扱いが容易な電解研磨液として、特許文献2には、エチレングリコールまたはプロピレングリコールを含む電解研磨液が記載されている。しかし、エチレングリコールは人体に対する安全性が低いので好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-006719号公報
特開2006-348336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、プロピレングリコールはエチレングリコールに比べて安全性が高い。このため、プロピレングリコールを含む電解研磨液を用いることにより、環境負荷を低減させるとともに、安全性が向上することが期待された。この点について、特許文献2には、プロピレングリコールを含む電解研磨液については、純ニッケルを電解研磨した実験結果が記載されていた。
【0007】
しかしながら、純ニッケルについての実験条件をアルミニウム材に単純に適用しても、例えばアルミニウム材の表面に白点が発生する等、鏡面性が低下することがあった。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、環境負荷が低減され、取扱いが容易であり、安全性が向上するとともに、鏡面性が向上したアルミニウム材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材の表面に、電解研磨により形成された研磨面を有するアルミニウム材の製造方法であって、
塩化ナトリウムの濃度Mが、0.1mol/L以上0.4mol/L未満となるように前記塩化ナトリウムをプロピレングリコールに溶解させた電解研磨液に、前記母材を浸漬し、
前記電解研磨液の温度をT(単位:K)、前記塩化ナトリウムの濃度をM(単位:mol/L)、電解電圧をV(単位:V)、前記母材を電解研磨する電解時間をt(単位:min)としたとき、下記の式(1)で表されるパラメータEが、6.5以上100以下となる条件で、前記母材を陽極として前記電解電圧を印加して電解研磨することにより前記母材の表面に前記研磨面を形成する、アルミニウム材の製造方法にある。
E=(T×V
1.23
×t)/(100000×M) ・・・(1)
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、電解研磨液中の塩化ナトリウムの濃度M及び前記式(1)におけるEの値が前記特定の範囲内となる条件を採用することにより、環境負荷が低く、取扱いが容易であり、安全性の高いプロピレングリコールを用いて電解研磨を行うことができる。さらに、前記特定の条件で電解研磨を行うことにより、鏡面性の高い研磨面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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