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公開番号
2025005714
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023106013
出願日
2023-06-28
発明の名称
リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法
出願人
株式会社アサカ理研
代理人
デロイトトーマツ弁理士法人
主分類
C25B
1/20 20060101AFI20250109BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】水酸化リチウムの品質悪化、及び設備の劣化が防止されるリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法を提供する。
【解決手段】リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法が、第1の塩化リチウム水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液、塩酸、及びこの第1の塩化リチウム水溶液よりも希薄な第2の塩化リチウム水溶液を得る第1の膜電解工程、及び、この第1の膜電解工程で発生する塩素酸塩を含有する塩化リチウム水溶液を膜電解する第2の膜電解工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法であって、
第1の塩化リチウム水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液、塩酸、及び当該第1の塩化リチウム水溶液よりも希薄な第2の塩化リチウム水溶液を得る第1の膜電解工程、及び、
当該第1の膜電解工程で発生する塩素酸塩を含有する塩化リチウム水溶液を膜電解する第2の膜電解工程を含む、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載されたリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法において、
リチウムを含む固体を塩酸で溶解して酸溶解液を得る酸溶解工程、
当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加する中和工程、及び、
当該中和工程で得られた酸溶解液から、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液として前記第1の塩化リチウム水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含み、
前記水酸化リチウム水溶液の一部を、当該中和工程、及び当該溶媒抽出工程からなる群から選択される少なくとも1つで使用される水酸化リチウムとして用い、前記第1の膜電解工程で発生する塩酸を当該酸溶解工程で用いる、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法において、前記第2の塩化リチウム水溶液の一部と前記第1の塩化リチウム水溶液を混合して濃縮し第3の塩化リチウム水溶液を得る混合濃縮工程を更に含む、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法において、イオン交換膜を用いて前記第1の塩化リチウム水溶液を膜電解して得られた塩素と水素とを反応させて生成した塩酸を前記酸溶解工程に用いる、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載されたリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法において、前記第1の膜電解工程、及び前記第2の膜電解工程からなる群から選択される少なくとも1つに用いる電力は、再生可能エネルギーによって得られた電力を含む、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載されたリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法において、前記再生可能エネルギーによって得られた電力は、太陽光発電、風力発電、水力発明、及びバイオマス発電からなる群から選択される少なくとも1つによって得られた電力を含む、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載されたリチウムに膜電解後の淡塩水の処理方法おいて、前記第2の膜電解工程で塩素酸塩の一部を分解し、前記第2の膜電解工程に付された塩素酸塩を含有する塩化リチウム水溶液を前記第1の膜電解工程に戻す、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃リチウムイオン電池からコバルト、ニッケル、マンガン、リチウム等の有価金属を回収し、当該リチウムイオン電池の材料として再利用する方法が検討されている。
【0003】
引用文献1には、廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る工程と、水酸化リチウムを添加した当該酸溶解液から、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液として第1のリチウム塩水溶液を得る工程と、イオン交換膜を用いて当該第1のリチウム塩水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液と、酸と、当該第1のリチウム塩水溶液よりも希薄な第2のリチウム塩水溶液を得る工程を備える廃リチウムイオン電池からのリチウムの回収システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7060899号公報号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塩化リチウム水溶液の膜電解において、膜電解で生成する水酸化リチウムの品質悪化、及び設備の劣化防止が希求されるようになってきた。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、水酸化リチウムの品質悪化、及び設備の劣化が防止されるリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、塩素酸塩が、塩化リチウム水溶液の膜電解における水酸化リチウムの品質悪化、及び設備の劣化の原因の1つであること、塩素酸塩は陰極室から逆泳動してくる水酸化物イオンによって生成され、蓄積されること、塩化リチウム水溶液の膜電解工程で発生する塩素酸塩を含有するリチウム塩水溶液を膜電解して、塩素酸塩の蓄積を防止できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、第1の塩化リチウム水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液、塩酸、及び当該第1の塩化リチウム水溶液よりも希薄な第2の塩化リチウム水溶液を得る第1の膜電解工程、及び、当該第1の膜電解工程で発生する塩素酸塩を含有する塩化リチウム水溶液を膜電解する第2の膜電解工程を含む、リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法に関する。
【0009】
前記リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法は、好ましくは、リチウムを含む固体を塩酸で溶解して酸溶解液を得る酸溶解工程、当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加する中和工程、及び、当該中和工程で得られた酸溶解液から、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液として前記第1の塩化リチウム水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含み、前記水酸化リチウム水溶液の一部を、当該中和工程、及び当該溶媒抽出工程からなる群から選択される少なくとも1つで使用される水酸化リチウムとして用い、前記第1の膜電解工程で発生する塩酸を当該酸溶解工程で用いる。
前記リチウム膜電解後の淡塩水の処理方法は、好ましくは、前記第2の塩化リチウム水溶液の一部と前記第1の塩化リチウム水溶液を混合して濃縮し第3の塩化リチウム水溶液を得る混合濃縮工程を更に含む。
前記第3の塩化リチウム水溶液は、好ましくは、イオン交換膜を用いて膜電解され、得られた塩素と水素とを反応させて生成する塩酸は前記酸溶解工程に用いられる。
前記第1の膜電解工程、及び前記第2の膜電解工程からなる群から選択される少なくとも1つに用いる電力は、好ましくは再生可能エネルギーによって得られた電力を含む。
前記再生可能エネルギーによって得られた電力は、好ましくは太陽光発電、風力発電、水力発明、及びバイオマス発電からなる群から選択される少なくとも1つによって得られた電力を含む。
好ましくは、前記第2の膜電解工程で塩素酸塩の一部は分解され、前記第2の膜電解工程に付された塩素酸塩を含有する塩化リチウム水溶液は前記第1の膜電解工程に戻される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法は、水酸化リチウムの品質悪化、及び設備の劣化が防止されるリチウム膜電解後の淡塩水の処理方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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