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公開番号2025017888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121226
出願日2023-07-26
発明の名称マスキング材および金属皮膜の成膜装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C25D 17/00 20060101AFI20250130BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】基材の表面に気泡が残留することによる金属皮膜の欠損を抑制可能なマスキング材と、そのマスキング材を用いた金属皮膜の成膜装置を提供する。
【解決手段】マスキング材は、メッシュ部分161と、そのメッシュ部分161の表裏に設けられて電解質膜と基材との間に挟み込まれるマスク部分162と、そのマスク部分162を所定のパターンに応じて貫通してメッシュ部分161を露出させる貫通部分163と、を備える。マスキング材は、電解質膜とメッシュ部分161との間に挟み込まれるマスク部分162の一部に設けられ、隣り合う二つの貫通部分163、または、貫通部分163と所定パターンを形成しない基材の領域に臨む空間とを接続して、めっき液を流通させる接続路164を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電解質膜と基材との間に配置され、前記基材の表面に電解めっきで所定のパターンの金属皮膜を成膜するためのマスキング材であって、
前記電解めっきのめっき液を通過させるメッシュ部分と、
前記メッシュ部分の表裏に設けられて前記電解質膜と前記基材との間に挟み込まれるマスク部分と、
前記マスク部分を前記所定のパターンに応じて貫通して前記メッシュ部分を露出させる貫通部分と、
前記電解質膜と前記メッシュ部分との間に挟み込まれる前記マスク部分の一部に設けられ、隣り合う二つの前記貫通部分、または、前記貫通部分と前記所定のパターンを形成しない前記基材の領域に臨む空間とを接続して、前記めっき液を流通させる接続路と、
を備えることを特徴とするマスキング材。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記接続路は、前記マスク部分の前記電解質膜に対向する面に設けられた凹溝であることを特徴とする請求項1に記載のマスキング材。
【請求項3】
前記接続路の幅は、100μm以上、500μm以下であることを特徴とする請求項2に記載のマスキング材。
【請求項4】
請求項1に記載のマスキング材を備えた金属皮膜の成膜装置であって、
前記基材に対向する開口部が前記電解質膜で覆われた状態で前記めっき液が収容される収容体と、
前記収容体と前記基材とが離隔した状態から前記収容体と前記基材の少なくとも一方を移動させて前記マスキング材を前記電解質膜と前記基材との間に挟み込む移動機構と、
前記収容体に収容された前記めっき液の圧力を増加させる増圧機構と、
前記収容体の内部で前記電解質膜に対向して配置された陽極と、
前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源と、
前記電解質膜と前記基材との間に配置される前記マスキング材と、を備えた、金属皮膜の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、マスキング材および金属皮膜の成膜装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から基材表面に金属皮膜を成膜する成膜装置に関する発明が知られている。下記特許文献1に記載された金属皮膜の成膜装置は、固体電解質膜を基材に押圧した状態で陽極と基材との間に電圧を印加して、固体電解質膜の内部に含有された金属イオンを還元することで金属皮膜を基材の表面に部分的に成膜する。
【0003】
上記固体電解質膜には、上記基材の表面のうち金属皮膜が成膜される成膜領域にその固体電解質膜が接触し、その成膜領域を除く表面にその固体電解質膜が非接触となるように、その成膜領域に接触する接触面に対して凹んだ凹部が形成されている。
【0004】
このような構成により、固体電解質膜を基材に押圧した状態で、固体電解質膜の接触面が基材の成膜領域に接触した状態となる。これと同時に、固体電解質膜の凹部が、前記成膜領域を除く表面(すなわち、基材の成膜されない非成膜領域)に対向し、この非成膜領域では固体電解質膜は非接触状態となる。
【0005】
この状態で、陽極と陰極(基材)との間に、電圧を印加すると、固体電解質膜に含有した金属イオンは、固体電解質膜に接触した基材の成膜領域(表面)に移動し、基材の成膜領域で還元されて、金属イオン由来の金属が析出する。一方、固体電解質膜の凹部に対向した基材の非成膜領域は、固体電解質膜が非接触状態であるため、金属が析出することはない。このような結果、基材の成膜領域に、エッジ部分が際立った金属皮膜を成膜することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-169398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような固相電析法(SED)において、電解質膜と基材との間に配置されるマスキング材と、そのマスキング材を用いた金属皮膜の成膜装置の開発が進められている。しかし、電解質膜と基材との間にマスキング材を配置し、電解質膜とマスキング材を介して基材の表面へ電解液を供給すると、マスキング材の貫通部分にめっき液が満たされていく過程で、貫通部分内の空気が基材の表面に気泡となって残留するおそれがある。基材表面の気泡が残留した部分にはめっき液が接触せず、金属皮膜が欠損するおそれがある。
【0008】
本開示は、基材の表面に気泡が残留することによる金属皮膜の欠損を抑制可能なマスキング材と、そのマスキング材を用いた金属皮膜の成膜装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、電解質膜と基材との間に配置され、前記基材の表面に電解めっきで所定のパターンの金属皮膜を成膜するためのマスキング材であって、前記電解めっきのめっき液を通過させるメッシュ部分と、前記メッシュ部分の表裏に設けられて前記電解質膜と前記基材との間に挟み込まれるマスク部分と、前記マスク部分を前記所定のパターンに応じて貫通して前記メッシュ部分を露出させる貫通部分と、前記電解質膜と前記メッシュ部分との間に挟み込まれる前記マスク部分の一部に設けられ、隣り合う二つの前記貫通部分、または、前記貫通部分と前記所定のパターンを形成しない前記基材の領域に臨む空間とを接続して、前記めっき液を流通させる接続路と、を備えることを特徴とするマスキング材である。
【0010】
本開示の別の一態様は、上記マスキング材を備えた金属皮膜の成膜装置であって、前記基材に対向する開口部が前記電解質膜で覆われた状態で前記めっき液が収容される収容体と、前記収容体と前記基材とが離隔した状態から前記収容体と前記基材の少なくとも一方を移動させて前記マスキング材を前記電解質膜と前記基材との間に挟み込む移動機構と、前記収容体に収容された前記めっき液の圧力を増加させる増圧機構と、前記収容体の内部で前記電解質膜に対向して配置された陽極と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源と、前記電解質膜と前記基材との間に配置される前記マスキング材と、を備えた、金属皮膜の成膜装置である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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