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公開番号2025003233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103795
出願日2023-06-23
発明の名称導電フィルム及びその製造方法
出願人セーレン株式会社
代理人個人
主分類C25D 5/16 20060101AFI20241226BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】黒色性が高く、耐指紋性に優れ(指紋がつきにくい、目立たない)、かつ接触抵抗値が低くノイズ低減効果に優れた、ノイズ対策・EMC対策のためのグラウンディング材として有用な導電フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂フィルム基材の上に銅皮膜を設け、銅皮膜の上に黒色メッキ皮膜を設けて該黒色メッキ皮膜の表面の算術平均粗さRaを100nm以上とし、かつ黒色メッキ皮膜の上に表面樹脂被膜を、該表面樹脂被膜の表面に黒色メッキ皮膜が0.3%以上の面積比率で露出するように形成して導電フィルムとする。
【選択図】図1




特許請求の範囲【請求項1】
樹脂フィルム基材、銅皮膜、黒色ニッケル-錫メッキ皮膜、及び表面樹脂被膜をこの順で備える導電フィルムであって、前記黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面樹脂被膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが100nm以上であり、かつ前記表面樹脂被膜の表面に前記黒色ニッケル-錫メッキ皮膜が0.3%以上の面積比率で露出している、導電フィルム。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記樹脂フィルム基材が、少なくとも片面に金属薄膜層を有する、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項3】
前記金属薄膜層が、銅蒸着層である、請求項2記載の導電フィルム。
【請求項4】
前記樹脂フィルム基材の銅皮膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが10~1000nmである、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項5】
前記銅皮膜が、電解銅メッキにより形成されている、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項6】
樹脂フィルム基材の銅皮膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが10~100nmであり、黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面樹脂被膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが100~300nmである、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項7】
樹脂フィルム基材の銅皮膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが100~600nmであり、黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面樹脂被膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが200~800nmである、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項8】
前記表面樹脂被膜が、紫外線硬化型樹脂材料又は光硬化型樹脂材料の硬化物である、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項9】
接触抵抗値が100mΩ/inch

以下である、請求項1記載の導電フィルム。
【請求項10】
樹脂フィルム基材、銅皮膜、黒色ニッケル-錫メッキ皮膜、及び表面樹脂被膜をこの順で備え、前記黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面樹脂被膜と接する側における表面の算術平均粗さRaが100nm以上であり、かつ前記表面樹脂被膜の表面に黒色メッキ皮膜が0.3%以上の面積比率で露出している導電フィルムを製造する方法であって、
樹脂フィルム基材の表面に銅皮膜を形成する工程、前記銅皮膜の表面にメッキ法を用いて黒色ニッケル-錫メッキ皮膜を形成する工程、及び前記黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面に樹脂材料を塗布して表面樹脂被膜を形成する工程を含む、導電フィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、黒色メッキ皮膜を有する黒色性の高い導電フィルムに関する。詳しくは、本発明は電磁波ノイズ対策・EMC対策のためのグラウンディング材等として有用な導電フィルムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
電気・電子機器は、電磁ノイズが原因で誤動作や故障をする場合があり、時には生命をおびやかすような重大な事故にもなりかねない。従って、電気・電子機器を正常に動作させるためのノイズ対策が重要になる。
【0003】
ノイズ対策としては、使用する機器からノイズが出ないような対策を機器に施すEMI対策と、使用する機器が外部からノイズを受けても正常に動作するよう耐ノイズ性を高めるEMS対策があり、このEMI対策とEMS対策の両者を実施するEMCにより、機器がノイズに強い環境を保つようにすることが求められる。
【0004】
また近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイなどを搭載した画面表示装置に使用される電磁波シールドフィルムやグラウンディング材には、視認性などの観点から、高い遮光性が求められる。さらに、指で直接操作するタッチパネル方式の表示装置の普及に伴って、表示画面に指紋が付着して視認性が低下するという問題への対応も求められている。
【0005】
本出願人は特許文献1において、被めっき物の金属の表面に錫およびニッケルを一定比率で含有する黒色メッキ皮膜が形成された、黒色被膜製品(黒色導電フィルム)を提案した。このものは、銅の金属光沢をさえぎって目立たなくする黒色のメッキ皮膜を備えている。
【0006】
一方、特許文献2には、表面に黒色の保護層を備える電磁波シールドフィルムが開示されている。このものは高い黒色性を追求しているが、電磁波シールド用途のみであり、ノイズ低減効果との両立や耐指紋性などの他の視認性の追求は不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-209708号公報
国際公開WO2022/265101号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高い遮光性及び耐指紋性と、ノイズ低減効果に優れた高い導電性とを両立させた導電フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討を行なった結果、黒色メッキ皮膜の表面に樹脂被膜を設ける構造において、最外層の樹脂被膜の表面から内側の黒色メッキ皮膜の一部が一定割合で突出(露出)した構造をとることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の導電フィルム及びその製造方法に関する。
(1)樹脂フィルム基材、銅皮膜、黒色ニッケル-錫メッキ皮膜、及び表面樹脂被膜をこの順で備える導電フィルムであって、前記黒色ニッケル-錫メッキ皮膜の表面の算術平均粗さRaが100nm以上であり、かつ前記表面樹脂被膜の表面に黒色ニッケル-錫メッキ皮膜が0.3%以上の面積比率で露出している、導電フィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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