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公開番号2025025907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131134
出願日2023-08-10
発明の名称気体製造装置および気体製造方法
出願人個人
代理人弁理士法人日誠国際特許事務所
主分類C25B 9/00 20210101AFI20250214BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】太陽光エネルギーを効率よく利用した気体製造装置を提供する。
【解決手段】電解質水溶液と、前記電解質水溶液に浸漬された一対の電極と、を備える気体製造装置であって、前記一対の電極は、互いに短絡された、p型半導体光触媒からなるp型半導体電極と、n型半導体光触媒からなるn型半導体電極と、で構成され、前記p型半導体電極および前記n型半導体電極は、離隔するように配置され、共に太陽光が入射可能に設定され、前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共に最大吸収波長が560nmであり、前記n型半導体電極で酸素ガスを生成し、前記p型半導体電極で水素ガスを生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電解質水溶液と、前記電解質水溶液に浸漬された一対の電極と、を備える気体製造装置であって、
前記一対の電極は、互いに短絡された、p型半導体光触媒からなるp型半導体電極と、n型半導体光触媒からなるn型半導体電極と、で構成され、
前記p型半導体電極および前記n型半導体電極は、離隔するように配置され、共に太陽光が入射可能に設定され、
前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共に最大吸収波長が560nmであり、
前記n型半導体電極で酸素ガスを生成し、前記p型半導体電極で水素ガスを生成する、
ことを特徴とする気体製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記p型半導体光触媒は、亜酸化銅(Cu

O)、炭化ケイ素(β-SiC)から選ばれ、前記n型半導体光触媒は、酸化第二鉄(ヘマタイト:α-Fe



)である、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項3】
前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共にバンドギャップエネルギー(Eg)が2.2eVである、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項4】
前記電解質水溶液は、弱アルカリ性に調整した、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、および炭酸カリウム水溶液から選ばれる、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項5】
前記電解質水溶液に水を注入する水供給部を備える、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項6】
前記電解質水溶液は、可視光線に対して透明性を有する透明材料で形成された反応容器に入れられている、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項7】
前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、それぞれの電極本体の表面に成膜された薄膜である、
請求項1に記載の気体製造装置。
【請求項8】
電解質水溶液に一対の電極を浸漬させて、気体を製造する気体製造方法であって、
前記一対の電極を、互いに短絡した、p型半導体光触媒からなるp型半導体電極と、n型半導体光触媒からなるn型半導体電極と、で構成し、
前記p型半導体電極および前記n型半導体電極と、を離隔するように配置し、共に太陽光が入射可能に設定し、
前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒として、共に最大吸収波長が560nmのものを設定し、
前記n型半導体電極で酸素ガスを生成させ、前記p型半導体電極で水素ガスを生成させる、
ことを特徴とする気体製造方法。
【請求項9】
前記p型半導体光触媒は、亜酸化銅(Cu

O)、炭化ケイ素(β-SiC)から選ばれ、前記n型半導体光触媒は、酸化第二鉄(ヘマタイト:α-Fe



)である、
請求項8に記載の気体製造方法。
【請求項10】
前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共にバンドギャップエネルギー(Eg)が2.2eVである、
請求項8に記載の気体製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は気体製造装置および気体製造方法に関し、さらに詳しくは、可視光をエネルギー源として水から水素ガスと酸素ガスを製造する気体製造装置および気体製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
水を分解して水素ガスおよび酸素ガスを製造する技術として、特許文献1に記載の水素ガス製造装置が知られている。この従来技術は、水を入れた容器部と、この容器内の水中に分散された、光触媒物質を有する光触媒体と、この光触媒体に、光を照射して水の分解反応を惹起させるための光源と、この光源を備える筐体と、を備える。筐体は、容器部内の水中に配置され、水が筐体の表面から放出される排熱によって加温され、筐体の水に接触する表面が光触媒物質にて被覆されている。この従来技術では、光触媒物質として紫外光(波長380nm以下)に反応する特性を有する、チタン酸ストロンチウム(SrTiO

)、チタン酸ランタン(La

Ti)、酸化チタン(TiO

)などの酸化チタン系の半導体光触媒が利用可能とされている。これらの光触媒物質に照射する紫外光の光源としては、インジウム窒化ガリウム、ダイヤモンド、窒化ガリウムを用いた人工の光源が利用可能とされている。そして、これらの光源は、太陽光発電により得られた電力により作動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-94488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の水素ガス製造装置では、主に酸化チタン系の半導体光触媒に対して、紫外光を発生させる人工の光源を用いて水素ガスを発生させる構成であるため、直接的に太陽光エネルギーを用いて光触媒物質にて水の分解反応を起こさせるものではない。近年においても、よく使用される半導体光触媒は酸化チタン系であり、太陽光の波長帯域において紫外線以外の光を利用して水を分解する有効な光触媒物質はないのが現状である。酸化チタンは、バンドギャップが約3.0eV以上であり、紫外光は吸収できるが、420nm~780nmの波長の可視光はほとんど吸収できない。これは、太陽光を光源として考えた場合に、その利用効率が非常に低いことを意味する。
【0005】
上述のように、太陽光エネルギーを利用して水素ガスおよび酸素ガスを生成させるには、従来の光触媒物質では紫外光の波長帯域しか利用できず、非常に利用効率が低く実用的ではなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、可視光をエネルギー源として水から水素ガスと酸素ガスを効率よく製造できる気体製造装置および気体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の態様は、電解質水溶液と、前記電解質水溶液に浸漬された一対の電極と、を備える気体製造装置であって、前記一対の電極は、互いに短絡された、p型半導体光触媒からなるp型半導体電極と、n型半導体光触媒からなるn型半導体電極と、で構成され、前記p型半導体電極および前記n型半導体電極は、離隔するように配置され、共に太陽光が入射可能に設定され、前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共に最大吸収波長が560nmであり、前記n型半導体電極で酸素ガスを生成し、前記p型半導体電極で水素ガスを生成することを特徴とする。
【0008】
上記態様としては、前記p型半導体光触媒は、亜酸化銅(Cu

O)、炭化ケイ素(β-SiC)から選ばれ、前記n型半導体光触媒は、酸化第二鉄(ヘマタイト:α-Fe



)であることが好ましい。
【0009】
上記態様としては、前記p型半導体光触媒および前記n型半導体光触媒は、共にバンドギャップエネルギー(Eg)が2.2eVであることが好ましい。
【0010】
上記態様としては、前記電解質水溶液は、弱アルカリ性に調整した、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、および炭酸カリウム水溶液から選ばれることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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