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公開番号
2025012527
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115414
出願日
2023-07-13
発明の名称
水電解アノード用触媒および水電解用アノード
出願人
京セラ株式会社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C25B
11/091 20210101AFI20250117BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】水電解処理におけるアノードに用いられる触媒の性能を向上させる。
【解決手段】水電解アノード用触媒は、層状岩塩型構造を有し、アルカリ金属元素以外の複数種の金属元素と、1種類以上のアルカリ金属元素とを含有する第1の複合酸化物を含み、複数種の金属元素の種類数およびそれぞれの割合によって定まる配置のエントロピーが1.5R(Rは気体定数)よりも大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水電解処理のアノードにおいて用いられる触媒であって、
層状岩塩型構造を有し、アルカリ金属元素以外の複数種の金属元素と、1種類以上のアルカリ金属元素とを含有する第1の複合酸化物を含み、
前記複数種の金属元素の種類数およびそれぞれの割合によって定まる配置のエントロピーが1.5R(Rは気体定数)よりも大きい、水電解アノード用触媒。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記複数種の金属元素は、第4周期遷移金属元素を含む、請求項1に記載の水電解アノード用触媒。
【請求項3】
前記複数種の金属元素は、Fe、Co、およびNiのうち少なくともいずれか1種を含む、請求項1に記載の水電解アノード用触媒。
【請求項4】
前記複数種の金属元素は、Alをさらに含む、請求項1に記載の水電解アノード用触媒。
【請求項5】
前記複数種の金属元素は、CuおよびZnのうち少なくともいずれか1種を含む、請求項1に記載の水電解アノード用触媒。
【請求項6】
層状岩塩型構造以外の構造を有する第2の複合酸化物を含み、
前記第1の複合酸化物および前記第2の複合酸化物の合計に対する前記第1の複合酸化物の割合が0.3以上である、請求項1に記載の水電解アノード用触媒。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の水電解アノード用触媒を含む触媒層と、前記触媒層を支持する導電性基体と、を備える水電解用アノード。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、水電解アノード用触媒および水電解用アノードに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
水電解は、水素製造の工業的手法の1つである。アルカリ水電解およびアニオン交換膜(AEM)水電解といった手法では、電解液にアルカリ性水溶液が用いられ、アノード用の触媒材料としてニッケル系の酸化物が広く用いられている。
【0003】
一般に、ニッケル系の酸化物は比較的低い触媒活性を有する。従来、アルカリ水電解装置では、カソードでの反応(水素生成反応)を進行させるために必要なエネルギー量よりも、アノードでの反応(酸素生成反応)を進行させるために必要なエネルギー量の方が大きい。アルカリ水電解装置のエネルギー効率を向上させるために、ニッケル系の酸化物よりも高い触媒活性を有する材料の検討が行われている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-25951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水電解処理におけるアノードに用いられる触媒の性能を向上させることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様における水電解アノード用触媒は、水電解処理のアノードにおいて用いられる触媒であって、層状岩塩型構造を有し、アルカリ金属元素以外の複数種の金属元素と、1種類以上のアルカリ金属元素とを含有する第1の複合酸化物を含み、前記複数種の金属元素の種類数およびそれぞれの割合によって定まる配置のエントロピーが1.5R(Rは気体定数)よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、水電解処理におけるアノードに用いられる触媒の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態における触媒について説明するための模式図である。
本開示の一実施形態における水電解用アノードを示す模式図である。
一般的な岩塩型構造について説明するための模式図である。
層状岩塩型構造について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について説明する。本実施形態における触媒についての理解を容易にするために、先ず、本発明者の見出した新規な知見について概略的に説明する。
【0010】
<発明の知見の概略的な説明>
従来、アノード用の触媒材料として、例えばα-NaFeO
2
型酸化物(層状岩塩型酸化物とも称される)が提案されている。図3は、一般的な岩塩型構造について説明するための模式図である。図4は、層状岩塩型構造について説明するための模式図である。一般的な岩塩型構造(立方晶岩塩型構造)は、<111>方向に、金属原子層Mおよび酸素原子層Oが規則的に配列している層構造であると言える(図3を参照)。一方、「層状岩塩型構造」とは、非等価な金属原子層M1、M2が存在しており、各元素がM1、O、M2、O、M1、O、M2、O、・・・と規則的に配列した構造を有する(図4を参照)。具体的な一例として、層状岩塩型構造のNaFeO
2
は、立方晶岩塩型構造の<111>方向(層状岩塩型構造の<001>方向)に、各元素がNa、O、Fe、O、Na、O、Fe、O・・・と規則的に配列した構造を有する。換言すれば、層状岩塩型構造のNaFeO
2
は、Naが二次元配列したNa層と、Oが二次元配列したO層と、Feが二次元配列したFe層と、別のO層とが、立方晶岩塩型構造における<111>方向に周期的に配列した構造を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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