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公開番号2025084575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198572
出願日2023-11-22
発明の名称メタン合成用二酸化炭素還元電極及びその製造方法、並びに、メタン合成用二酸化炭素電解セル
出願人東京瓦斯株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C25B 11/089 20210101AFI20250527BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】高いメタン選択性を有するメタン合成用二酸化炭素還元電極を提供する。
【解決手段】カソードガス拡散層とカソード触媒層とをこの順に有し、上記カソード触媒層は、Cu粒子を含む層と、上記Cu粒子を含む層上の一部に設けられ、かつ、Ag粒子、Zn粒子、Sn粒子及びAl粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含む層とを、上記カソードガス拡散層側からこの順に有する、メタン合成用二酸化炭素還元電極及びその製造方法、並びに、メタン合成用二酸化炭素電解セル。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カソードガス拡散層とカソード触媒層とをこの順に有し、
前記カソード触媒層は、Cu粒子を含む層と、前記Cu粒子を含む層上の一部に設けられ、かつ、Ag粒子、Zn粒子、Sn粒子及びAl粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含む層と、を前記カソードガス拡散層側からこの順に有する、メタン合成用二酸化炭素還元電極。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記金属粒子を含む層が、Ag粒子及びZn粒子から選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含む層である請求項1に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
【請求項3】
前記Cu粒子を含む層上に占める、前記金属粒子を含む層の平面視における面積割合が、15%~80%である請求項1に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
【請求項4】
前記Cu粒子を含む層の平面視における単位面積当たりの、前記金属粒子を含む層の平面視における輪郭長さが、1.0μm/μm

~3.0μm/μm

である請求項1に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法であって、
カソードガス拡散層の一方の面に、アークプラズマ法によってCu粒子を付着させることにより前記Cu粒子を含む層を形成する工程と、
前記Cu粒子を含む層の前記カソードガス拡散層側とは反対側の面の一部に、電析法又はイオン交換法によって、Ag粒子、Zn粒子、Sn粒子及びAl粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を付着させることにより前記金属粒子を含む層を形成する工程と、
を含む、メタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極と、電解質と、アノード電極と、を備えるメタン合成用二酸化炭素電解セル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、メタン合成用二酸化炭素還元電極及びその製造方法、並びに、メタン合成用二酸化炭素電解セルに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
メタン(CH

)は、二酸化炭素(CO

)及び水(H

O)に電気を加え、触媒上で二酸化炭素の還元反応を進行させることにより合成することができる。二酸化炭素を還元してメタンを合成する技術については、これまで種々の報告がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、導電性基材と、導電性基材上に設けられた触媒層とを含み、触媒層がカーボンブラックに担持させた二酸化炭素還元触媒を含み、二酸化炭素還元触媒が特定の構造を有するCu(II)テトラフェニルポルフィリンである二酸化炭素還元用電極を用いる技術が開示されている。
特許文献2には、電極層と、第1の半導体層と、互いに対向する第1及び第2の面を有し、第1の面に電極層が接して設けられ、第2の面に第1の半導体層が接して設けられる第2の半導体層とを有し、第1の半導体層の伝導帯の下端電位が水素生成電位よりも高く、第2の半導体層の価電子帯の上端電位が酸素生成電位よりも低く、第1の半導体層のバンドギャップが第2の半導体層のバンドギャップよりも大きく、第1の半導体層の表面に助触媒として金属が離散的に担持されている半導体素子を用いる技術が開示されている。
特許文献3には、表面に金属微粒子を含む金属層を有する集電体と、金属層の表面に結合され、第4級窒素カチオンを含む修飾有機分子とを具備する還元触媒を用いる技術が開示されている。
特許文献4には、二酸化炭素と水素とからメタンを生成するときに使用される二酸化炭素吸蔵還元型触媒であって、マグネシウムを含み、二酸化炭素を吸蔵する二酸化炭素吸蔵材の粉体と、二酸化炭素と水素から触媒反応よってメタンを生成するメタン化触媒の粉体と、を含み、二酸化炭素吸蔵材の粉体とメタン化触媒の粉体が、混合された状態で収容体に収容されている二酸化炭素吸蔵還元型触媒を用いる技術が開示されている。
特許文献5には、反応原料として気体原料と液体原料とが流通されるマイクロ流路を有するマイクロ反応器と、マイクロ流路に気体原料を送り込む気体原料送り込み手段と、マイクロ流路に液体原料を送り込む液体原料送り込み手段と、マイクロ流路の内面に設けられた光触媒の層と、を備え、気体原料は二酸化炭素であり、液体原料は二酸化炭素と反応して有機化合物を生成し得る原料であり、光触媒の層が、助触媒として特定の金属1種を二酸化チタンに分散担持してなる層であり、気体原料送り込み手段及び液体原料送り込み手段は、液体原料がマイクロ流路の内面に沿って流れ、二酸化炭素が中央部を流れる状態のパイプフローを形成可能に構成されている二酸化炭素の固定化装置を用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-7919号公報
国際公開第2012/137240号
特開2015-132012号公報
特開2020-163248号公報
特開2009-29811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで、メタンを合成する手法としては、水溶液にCO

ガスを溶解させ、溶解したCO

を電気分解する手法が主流であった。しかし、この手法では、一度に合成することができるメタンの量が限られる。そこで、近年では、CO

をガスのまま反応させ、メタンを合成する手法が採用されている。この手法によれば、一度に多くの量のメタンを合成することができるものの、メタン以外の副生成物が発生しやすく、メタンの生成効率の点では、未だ課題を残している。このため、メタンを選択的に合成できる技術の開発が望まれている。
【0006】
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、メタン選択性が高いメタン合成用二酸化炭素還元電極を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記メタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法を提供することにある。
また、本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記メタン合成用二酸化炭素還元電極を備えるメタン合成用二酸化炭素電解セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> カソードガス拡散層とカソード触媒層とをこの順に有し、
上記カソード触媒層は、Cu粒子を含む層と、上記Cu粒子を含む層上の一部に設けられ、かつ、Ag粒子、Zn粒子、Sn粒子及びAl粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含む層と、を上記カソードガス拡散層側からこの順に有する、メタン合成用二酸化炭素還元電極。
<2> 上記金属粒子を含む層が、Ag粒子及びZn粒子から選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含む層である<1>に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
<3> 上記Cu粒子を含む層上に占める、上記金属粒子を含む層の平面視における面積割合が、15%~80%である<1>又は<2>に記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
<4> 上記Cu粒子を含む層の平面視における単位面積当たりの、上記金属粒子を含む層の平面視における輪郭長さが、1.0μm/μm

~3.0μm/μm

である<1>~<3>のいずれか1つに記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極。
<5> <1>~<4>のいずれか1つに記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法であって、
カソードガス拡散層の一方の面に、アークプラズマ法によってCu粒子を付着させることにより上記Cu粒子を含む層を形成する工程と、
上記Cu粒子を含む層の上記カソードガス拡散層側とは反対側の面の一部に、電析法又はイオン交換法によって、Ag粒子、Zn粒子、Sn粒子及びAl粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を付着させることにより上記金属粒子を含む層を形成する工程と、
を含む、メタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法。
<6> <1>~<4>のいずれか1つに記載のメタン合成用二酸化炭素還元電極と、電解質と、アノード電極と、を備える、メタン合成用二酸化炭素電解セル。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、メタン選択性が高いメタン合成用二酸化炭素還元電極が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、上記メタン合成用二酸化炭素還元電極の製造方法が提供される。
また、本開示の他の実施形態によれば、上記メタン合成用二酸化炭素還元電極を備えるメタン合成用二酸化炭素電解セルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例1の二酸化炭素還元電極が備えるカソード触媒層のAg粒子層側の面のSEM画像(撮影倍率:6000倍)の一部である。
図2は、実施例におけるメタン選択性の評価試験に用いた、二酸化炭素還元電極を組み込んだガス拡散型ハーフセルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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