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公開番号2025012879
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116044
出願日2023-07-14
発明の名称水電解システム、及び、水電解システムの運用方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C25B 15/00 20060101AFI20250117BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電解効率(性能)が低下した水電解スタックの交換頻度を低減する。
【解決手段】水電解システム100は、水から水素ガスと酸素ガスとを生成ガスとして生成する複数の水電解スタック23と、各水電解スタックに水を供給する水タンク11と、各水電解スタックで生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンク51と、各水電解スタックで生成された酸素ガスを貯蔵する酸素ガスタンク52と、システムの各部の動作を制御するシステム制御部80と、を備える。システム制御部は、水素製造運転時に、各水電解スタックに対して電圧モニタリングを行い、電圧モニタリングによって電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、一時的に運転条件を変更して電解電圧を回復させる処理を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水から水素ガスと酸素ガスとを生成ガスとして生成する複数の水電解スタックと、
各水電解スタックに水を供給する水タンクと、
各水電解スタックで生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクと、
各水電解スタックで生成された酸素ガスを貯蔵する酸素ガスタンクと、
システムの各部の動作を制御するシステム制御部と、を備え、
前記システム制御部は、水素製造運転時に、各水電解スタックに対して電圧モニタリングを行い、前記電圧モニタリングによって電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、一時的に運転条件を変更して前記電解電圧を回復させる処理を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、前記電解電圧を回復させる処理として、前記生成ガスの圧力を下げた後に、当初の圧力に戻す処理を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項3】
請求項2の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記生成ガスの圧力を下げた後に、当初の圧力に戻す際に、当初の圧力よりも高い値に上げてから当初の圧力に戻す、又は、圧力を上げる操作を複数回実行してから当初の圧力に戻す、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項4】
請求項2の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧を回復させる処理を行ったにもかかわらず、前記電解電圧が回復しない水電解スタックに対して、前記生成ガスの圧力を当初の圧力よりも低い値に下げることで反応過電圧を下げながら、前記水から前記水素ガスと前記酸素ガスとを生成する運転を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項5】
請求項1の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、前記電解電圧を回復させる処理として、当該水電解スタックに供給する水の流量を増加させた後に、当初の流量に戻す処理を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項6】
請求項5の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記水電解スタックに供給する水の流量を増加させた後に、当初の流量に戻す際に、当初の流量よりも低い値に下げてから当初の流量に戻す、又は、流量を減少する操作を複数回実行してから当初の流量に戻す、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項7】
請求項5の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧を回復させる処理を行ったにもかかわらず、前記電解電圧が回復しない水電解スタックに対して、当該水電解スタックに供給する水の流量を当初の流量よりも高い値に増加させることで反応過電圧を下げながら、前記水から前記水素ガスと前記酸素ガスとを生成する運転を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項8】
請求項1の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、前記電解電圧を回復させる処理として、前記生成ガスの圧力と当該水電解スタックに供給する水の流量とを変更した後に、当初の圧力と当初の流量とに戻す処理を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項9】
請求項1の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、前記電解電圧を回復させる処理として、前記水素ガス及び前記酸素ガスのいずれか一方又は双方の生成ガスの圧力と当該水電解スタックに供給する水の流量とを変更した後に、当初の圧力と当初の流量とに戻す処理を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項10】
請求項9の水電解システムにおいて、
前記システム制御部は、前記電解電圧を回復させる処理を行ったにもかかわらず、前記電解電圧が回復しない水電解スタックに対して、前記生成ガスの圧力を当初の圧力よりも低い値に下げるとともに、当該水電解スタックに供給する水の流量を当初の流量よりも高い値に増加させることで反応過電圧を下げながら、前記水から前記水素ガスと前記酸素ガスとを生成する運転を行う、
ことを特徴とする水電解システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解システム、及び、水電解システムの運用方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
化石燃料に対して水素は、燃焼時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーである。そのため、地球温暖化対策のためのクリーンエネルギーの一つとして注目され、水素の製造・輸送・利用に関する技術の開発が進められている。そして、その種の技術として、例えば、特許文献1に記載された水電解システムが提供されている。特許文献1に記載された水電解システムは、水を電気分解(電解)して、水から水素ガスと酸素ガスとを生成する複数の水電解スタックを多直列接続で高電圧化を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2023/012945号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水電解システムは、水電解スタックの劣化などの要因により、水電解スタックに内蔵された電極セルにガス(水から生成された水素ガスと酸素ガス)が溜まってしまい、電解電圧が上昇して、電解効率(性能)が低下する場合がある。従来の水電解システムは、水電解スタックの電解効率(性能)が低下した場合に、水電解スタックを交換することで対処している。このような従来の水電解システムは、水電解スタックの交換に伴ってシステムを停止する時間が頻繁に発生すると、水素製造効率を低下させてしまう。また、従来の水電解システムは、電解効率(性能)が低下した水電解スタックを別の水電解スタックに交換するための交換コストや廃棄するための廃棄コストを増加させてしまう。
【0005】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、水電解スタックの電解効率(性能)が低下した場合に、水電解スタックの電解効率(性能)を回復させる処理を行う水電解システム、及び、水電解システムの運用方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、水電解システムであって、水から水素ガスと酸素ガスとを生成ガスとして生成する複数の水電解スタックと、各水電解スタックに水を供給する水タンクと、各水電解スタックで生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクと、各水電解スタックで生成された酸素ガスを貯蔵する酸素ガスタンクと、システムの各部の動作を制御するシステム制御部と、を備え、前記システム制御部は、水素製造運転時に、各水電解スタックに対して電圧モニタリングを行い、前記電圧モニタリングによって電解電圧が上昇したことが検出された水電解スタックに対して、一時的に運転条件を変更して前記電解電圧を回復させる処理を行う構成とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電解効率(性能)が低下した水電解スタックの交換頻度を低減して、水素製造効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る水電解システムの構成図である。
実施形態に係る水電解システムのシステム制御部の内部ブロック図である。
圧力調整前の水電解スタックにおける電解電圧の説明図である。
圧力調整後の水電解スタックにおける電解電圧の説明図である。
各水電解スタックのスタック電流値とセル電圧のグラフ図である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第1実施例の動作を示すフローチャート(1)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第1実施例の動作を示すフローチャート(2)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第2実施例の動作を示すフローチャート(1)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第2実施例の動作を示すフローチャート(2)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第3実施例の動作を示すフローチャート(1)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第3実施例の動作を示すフローチャート(2)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第4実施例の動作を示すフローチャート(1)である。
電解電圧を回復させる処理を行う場合の第4実施例の動作を示すフローチャート(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0010】
<水電解システムの構成>
以下、図1を参照して、本実施形態に係る水電解システム100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る水電解システム100の構成図である。
(【0011】以降は省略されています)

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