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公開番号2024151523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064937
出願日2023-04-12
発明の名称塩素ガスの処理方法
出願人株式会社アサカ理研
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類C25B 1/46 20060101AFI20241018BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】膜電解工程を含み、塩素ガスを無害化又は有効に活用できる塩素ガスの処理方法を提供する。
【解決手段】塩素ガスの処理方法が、塩素ガスをアルカリ金属水酸化物水溶液に吸収させ、次亜塩素酸塩を含むアルカリ水溶液を生成させる塩素ガス吸収工程、及びこの塩素ガス吸収工程で得られるこのアルカリ水溶液を、pH7より大きい条件下で膜電解する第1の膜電解工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塩素ガスの処理方法であって、
塩素ガスをアルカリ金属水酸化物水溶液に吸収させ、次亜塩素酸塩を含むアルカリ水溶液を生成させる塩素ガス吸収工程、及び
当該塩素ガス吸収工程で得られる当該アルカリ水溶液を、pH7より大きい条件下で膜電解する第1の膜電解工程を含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
請求項1に記載された塩素ガスの処理方法において、前記第1の膜電解工程で得られる第1のアルカリ金属塩化物塩水溶液を膜電解し、アルカリ金属水酸化物水溶液と、塩酸と、当該第1のアルカリ金属塩化物塩水溶液より希薄な第2のアルカリ金属塩化物塩水溶液を生成する第2の膜電解工程を更に含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載された塩素ガスの処理方法において、廃リチウムイオン電池から得られた有価金属を含む粉末を塩酸に溶解し、該有価金属を塩酸により浸出する酸浸出工程を更に含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載された塩素ガスの処理方法において、前記第2の膜電解工程で得られる前記アルカリ金属水酸化物水溶液を、前記塩素ガス吸収工程で再利用するアルカリ金属水酸化物の再利用工程、及び、前記第2の膜電解工程で得られる塩酸を前記酸浸出工程で使用される塩酸として再利用する塩酸の再利用工程からなる群から選ばれる少なくとも1つを更に含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載された塩素ガスの処理方法において、前記第2の膜電解工程で得られる前記第2のアルカリ金属塩化物塩水溶液を濃縮し、前記第1のアルカリ金属塩化物塩水溶液に添加する工程を更に含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載された塩素ガスの処理方法において、前記アルカリ金属がリチウム及びナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項7】
請求項2~5のいずれか1項に記載された塩素ガスの処理方法において、前記第1の膜電解工程、及び第2の膜電解工程からなる群から選ばれる少なくとも1つに用いる電力は、再生可能エネルギーによって得られた電力を含むこと特徴とする塩素ガスの処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載された塩素ガスの処理方法において、前記再生可能エネルギーによって得られた電力は、太陽光発電によって得られた電力、及び風力発電によって得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むこと特徴とする塩素ガスの処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素ガスの処理方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃リチウムイオン電池からリチウム、マンガン、ニッケル、コバルト等の有価金属を回収し、前記リチウムイオン電池の正極活物質として再利用する方法が検討されている。
【0003】
従来、前記廃リチウムイオン電池から前記有価金属を回収する際には、該廃リチウムイオン電池を加熱処理(焙焼)して、ないし加熱処理せずに粉砕、分級する等して得られた前記有価金属を含む粉末(以下、電池粉という)を塩酸に溶解し、該有価金属を塩酸により浸出して得られた浸出液を溶媒抽出に供することが行われている。しかしながら、前記電池粉を塩酸に溶解し、前記有価金属を塩酸により浸出すると、浸出反応により塩素ガスが発生する。発生した塩素ガスをアルカリで吸収すると、次亜塩素酸塩を合成する。
次亜塩素酸塩を含む排水の処理法には、亜硫酸塩、過酸化水素水等の還元剤を用いて次亜塩素酸塩を酸化分解する方法がある。しかし、この方法を用いて多量の次亜塩素酸塩を含む排水を処理するには、多量の還元剤が必要となるためランニングコストが高くなる。
【0004】
特許文献1に開示されている次亜塩素酸塩の処理方法では、次亜塩素酸塩を分解し原子状酸素を発生させる触媒により、発生した原子状酸素を有機物と接触させて酸化分解させる排水処理方法が開示されている。しかしながら、この方法では触媒中のニッケル等のイオン交換膜法塩化アルカリ電解槽に装着されているイオン交換膜に性能低下を引き起こす金属を触媒として使用する必要があり、塩水中への溶出の危険性をはらんでいる。
【0005】
さらに前記次亜塩素酸塩の処理方法において、次亜塩素酸塩を処理した処理水を再利用することなく塩として排出されるという不都合がある。そこで、塩素ガスの処理方法が検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許5547455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、本発明は、かかる不都合を解消し、膜電解工程を含む、塩素ガスを無害化かつ有効に活用できる塩素ガスの処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、塩素ガスをアルカリ金属水酸化物水溶液に吸収させ、次亜塩素酸塩を含むアルカリ水溶液を生成させ、当該アルカリ水溶液を、pH7より大きい条件下で膜電解することで無害化又は有効に活用できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0009】
本発明は、塩素ガスをアルカリ金属水酸化物水溶液に吸収させ、次亜塩素酸塩を含むアルカリ水溶液を生成させる塩素ガス吸収工程、及び当該塩素ガス吸収工程で得られる当該アルカリ水溶液を、pH7より大きい条件下で膜電解する第1の膜電解工程を含む塩素ガスの処理方法に関する。
本発明の塩素ガスの処理方法は、好ましくは、前記第1の膜電解工程で得られる第1のアルカリ金属塩化物水溶液を膜電解し、アルカリ金属水酸化物水溶液と、塩酸と、当該第1のアルカリ金属塩化物水溶液より希薄な第2のアルカリ金属塩化物水溶液を生成する第2の膜電解工程を更に含む。
本発明の塩素ガスの処理方法は、好ましくは、廃リチウムイオン電池から得られた有価金属を含む粉末を塩酸に溶解し、該有価金属を塩酸により浸出する酸浸出工程を更に含む。
本発明の塩素ガスの処理方法は、好ましくは、前記第2の膜電解工程で得られる前記アルカリ金属水酸化物水溶液を、前記塩素ガス吸収工程で再利用するアルカリ金属水酸化物の再利用工程、及び、前記第2の膜電解工程で得られる塩酸を前記酸浸出工程で使用される塩酸として再利用する塩酸の再利用工程からなる群から選ばれる少なくとも1つを更に含む。
【0010】
本発明の塩素ガスの処理方法は、好ましくは、前記第2の膜電解工程で得られる前記第2のアルカリ金属塩化物塩水溶液を濃縮し、前記第1のアルカリ金属塩化物塩水溶液に添加する工程を更に含む。
前記アルカリ金属は、好ましくは、リチウム及びナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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