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公開番号2024158424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073613
出願日2023-04-27
発明の名称水電解用電極材料
出願人堺化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C25B 11/077 20210101AFI20241031BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】従来の水電解用電極材料よりも、水電解における過電圧が小さい水電解用電極材料を提供する。
【解決手段】 鉄を含む酸化物、及び、鉄を含む水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)と、ニッケル、コバルト、及び、これらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の金属含有成分(B)とを含む、水電解用電極材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鉄を含む酸化物、及び、鉄を含む水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)と、ニッケル、コバルト、及び、これらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の金属含有成分(B)とを含む、水電解用電極材料。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記金属含有成分(B)の含有割合が、化合物(A)と金属含有成分(B)の合計100質量%に対して、0.5~95質量%である、請求項1に記載の水電解用電極材料。
【請求項3】
前記水電解用電極材料が、アルカリ水電解用電極材料である、請求項1又は2に記載の水電解用電極材料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の水電解用電極材料を含んで構成される、電極。
【請求項5】
請求項4に記載の電極を備える、水電解セル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解用電極材料に関する。より詳しくは、水素及び酸素の製造等に有用な水電解用電極材料に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、化石燃料に代わる環境に優しいエネルギーとして、近年注目されている。水素を製造する方法には、化石燃料の改質、工業プロセスから発生する副生ガス、バイオマスガス化等様々な方法が挙げられるが、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解する方法は、二酸化炭素を排出せず、クリーンな方法として開発が進められている。
【0003】
水の電気分解では、水に電流を流すことにより陽極において酸素が発生し、陰極において水素が発生する。電極反応を進行するためには、反応物質である水を活性化させるために理論電圧に対して過剰な電圧(過電圧)をかける必要がある。しかし、過電圧は、電気分解におけるエネルギー損失の要因であるため、過電圧を低減する技術が求められている。
【0004】
陽極の過電圧を低減する技術に関して、非特許文献1には、CaFe



等の鉄及びカルシウムをベースとする複合酸化物触媒が開示されている。しかし、CaFe



には導電性がないため、非特許文献1では酸素発生能を測定するために導電助剤としてカーボンを加えているが、水電解の陽極環境下ではカーボンは容易に分解するため使用できない。CaFe



単独では、電子伝導性がほとんどないため電気化学的に有効な表面積が低くなり、実用条件下でCaFe



を陽極触媒に使用することは困難である。
【0005】
特許文献1には、ニッケル多孔基材と、該基材の表面上の少なくとも一部に形成された、所定の式で表される組成を有するペロブスカイト型構造の金属酸化物を含む薄膜を有する水電解用陽極が開示されている。また、特許文献2にも、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物触媒を用いた水電解用の陽極が開示されている。また、特許文献3には、水の電気分解により酸素を発生させるための陽極に含まれる触媒であって、コバルトの含有量が鉄に対して5mol%以上45mol%以下のゲータイトの粒子であり、 ターフェル勾配が26mV/dec以上55mV/dec以下である触媒が開示されている。特許文献4には、銅を含む電極基材上に銅の酸化物と、ニッケル、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種と、マンガン、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン及びタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む電極が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/047792号
国際公開第2018/155503号
特開2019-112697号公報
特開2021-070864号公報
【非特許文献】
【0007】
Y スガワラ(Y Sugawara) 他3名、アプライド エナジー マテリアルズ(Applied Energy Materials),2021年,第4巻,p3057-3066
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のとおり、従来種々の水電解用電極が開発されており、過電圧を低減する技術が検討されている。しかし、従来の水電解用電極は、過電圧の低減において充分ではなく、従来の水電解用電極材料よりも水電解における過電圧が小さい水電解用電極材料が求められていた。
【0009】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の水電解用電極材料よりも、水電解における過電圧が小さい水電解用電極材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、水電解用電極材料について種々検討したところ、鉄を含む酸化物、及び、鉄を含む水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、ニッケル、コバルト、及び、これらの酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の金属含有成分とを含むものとすることにより、水電解における過電圧を低下させることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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