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公開番号2025029793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134620
出願日2023-08-22
発明の名称金属回収システム、金属回収支援システム及び金属回収支援方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類C25C 7/06 20060101AFI20250228BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】回収対象物に含まれる複数種類の金属の抽出及び回収を、高い効率で、かつ、低い環境負荷で行う金属回収システムを提供する。
【解決手段】回収対象物に含まれる複数種類の対象金属を一種類の溶液に溶解する抽出部と、参照電極及び複数個の回収電極を溶液に接触させる回収部と、複数個の回収電極の電位を制御する電気制御装置と、を備える金属回収システムであって、複数個の回収電極のうち第一の回収電極に複数種類の対象金属のうち第一の対象金属を析出させるように第一の回収電極の電位を設定することにより第一の対象金属を回収し、複数個の回収電極のうち第一の回収電極以外のものである第二の回収電極に複数種類の対象金属のうち第一の対象金属以外のものである第二の対象金属を析出させるように第二の回収電極の電位を設定することにより第二の対象金属を回収する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回収対象物に含まれる複数種類の対象金属を一種類の溶液に溶解する抽出部と、
参照電極及び複数個の回収電極を前記溶液に接触させる回収部と、
前記複数個の回収電極の電位を制御する電気制御装置と、を備え、
前記複数個の回収電極のうち第一の回収電極に前記複数種類の対象金属のうち第一の対象金属を析出させるように前記第一の回収電極の電位を設定することにより前記第一の対象金属を回収し、
前記複数個の回収電極のうち前記第一の回収電極以外のものである第二の回収電極に前記複数種類の対象金属のうち前記第一の対象金属以外のものである第二の対象金属を析出させるように前記第二の回収電極の電位を設定することにより前記第二の対象金属を回収する、金属回収システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記複数種類の対象金属が三種類以上の場合には、前記複数個の回収電極のうちn番目の回収電極(nは3以上の整数。以下同じ。)に前記複数種類の対象金属のうちn番目の対象金属を析出させるように前記n番目の回収電極の電位を設定することにより前記n番目の対象金属を回収する、請求項1記載の金属回収システム。
【請求項3】
前記複数個の回収電極のうち少なくとも一つの電位の走査をして電流を変化させ、前記電流の変化率が一定以上となった場合には、前記電位を一定値とし、当該電位で析出する金属を回収する、請求項1記載の金属回収システム。
【請求項4】
前記電位が前記一定値の状態で前記電流の変化率に変化が生じた場合には、他の回収電極により前記複数種類の対象金属を回収する、請求項3記載の金属回収システム。
【請求項5】
前記電位の前記走査は、前記電位を負の方向に変化させるものである、請求項3記載の金属回収システム。
【請求項6】
前記電位が前記一定値の状態で前記電流の前記変化率の前記変化が、前記電位における再溶解速度を下回る状態を示す場合には、前記他の回収電極により前記複数種類の対象金属を回収する、請求項4記載の金属回収システム。
【請求項7】
前記溶液に所定の添加物を混合する、請求項1記載の金属回収システム。
【請求項8】
回収対象物に含まれる複数種類の対象金属を一種類の溶液に溶解する抽出部と、
参照電極及び複数個の回収電極を前記溶液に接触させる回収部と、
前記複数個の回収電極の電位を制御する電気制御装置と、を備える金属回収システムによる操作の内容の選定についてユーザを支援するシステムであって、
前記対象金属を決定する対象金属選定装置と、
前記溶液の選定及び温度条件の決定をする環境選定装置と、
前記電気制御装置の出力条件を決定する条件選定装置と、を備える、金属回収支援システム。
【請求項9】
回収対象物に含まれる複数種類の対象金属を一種類の溶液に溶解する抽出部と、
参照電極及び複数個の回収電極を前記溶液に接触させる回収部と、
前記複数個の回収電極の電位を制御する電気制御装置と、を備える金属回収システムによる操作の内容の選定についてユーザを支援する方法であって、
対象金属選定装置が、前記対象金属を決定し、
環境選定装置が、前記溶液の選定及び温度条件の決定をし、
条件選定装置が、前記電気制御装置の出力条件を決定する、金属回収支援方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、金属回収システム、金属回収支援システム及び金属回収支援方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
環境課題や資源確保に向け、製品再生、部品再生、直接再利用、原材料回収などの取り組みが進んでいる。特に、金属製品では、直接再利用と原材料回収が進められようとしている。
【0003】
原材料回収では、金属精錬技術等を利用し、製品を酸や有機溶媒などに溶解させ、電気的に回収する方法や、高温度で溶解し、比重などによって分離する方法がある。
【0004】
特許文献1には、2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、陽極として、鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものを用い、陽極における電位を所定の値に制御することにより、鉱石から制御した電位に応じた金属元素を選択的に電解液中に溶解させ、電解液中に溶解した金属元素のうち所定のものを所定の電位での電解によって陰極に選択的に析出させる方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、使用済核燃料中の希少元素を高効率に分離回収する方法に関して、2種以上の希少元素を含む核分裂生成物の塩酸溶解液を、段階的に定電流電解し、稀少元素を電解還元により陰極の電極に析出させることによって他の元素と分離させ、回収する、稀少元素の分離回収方法が開示されている。特許文献2には、電解還元において、電極電流密度を段階的に増大させ、それによって電極の電位を段階的に増大させることによって、回収率を一層向上させること、これは電解動作の初期段階において電極に適度のRhを析出させることによって、ReやTcが効率的に電極へ誘導されるようになるためであることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-117062号公報
特開2009-58370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
廃棄物その他の使用済み製品等(回収対象物)から複数種類の金属等を回収する場合には、通常、当該金属の溶解(抽出)に適した溶液による分離、複数の電位の設定、複数回の昇温等が必要であり、多段プロセスを要するため、回収効率の低下や、溶液やエネルギーの消費量の増加により、本来の目的である資源回収以外の面で、環境負荷が増加するおそれがある。
【0008】
特許文献1に記載の方法は、鉱石から所定の金属元素を選択的に電解液中に溶解させた後析出させるものであり、処理の対象が鉱石であり使用済み製品等ではない。また、鉱石を粉末状に粉砕する工程を必要とするため、処理に多大なエネルギーを要する。
【0009】
特許文献2に記載の方法は、使用済核燃料中の希少元素が対象であり、電解還元において電極の電位を段階的に増大させるものであるため、対象金属の分離の観点からは改善の余地があると考えられる。
【0010】
本開示の目的は、回収対象物に含まれる複数種類の金属の抽出及び回収を、高い効率で、かつ、低い環境負荷で行う金属回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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