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公開番号2025020067
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-10
出願番号2023123914
出願日2023-07-29
発明の名称ゼロギャップ型水電解装置用触媒電極体並びに該電極体を用いたオゾン水の生成方法
出願人トーメイダイヤ株式会社,学校法人 工学院大学
代理人
主分類C25B 1/13 20060101AFI20250203BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】
電極表面に水の効率的な流れを形成する。ダイヤモンド触媒電極とSPE膜との接触箇所を増加してオゾン発生の効率向上を図る。
【解決手段】
導電材からなる基板の扁平な作用面に水路網を設け、該水路網に沿って被処理水を移動させて使用する水電解装置用触媒電極体において、該水路網が、厚さ方向の凹みとして形成された複数の水路を包含し、かつ該水路網が水の移動に関し上流側に水を流入させる流入口及び下流側に水を流出させる流出口を有し、包含水路の連携接続によって流入口から流出口に到る水の流路を構成した電極体。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
導電材からなる基板の扁平な作用面に水路網を設け、該水路網に沿って被処理水を移動させて使用する水電解装置用触媒電極体において、該水路網が、厚さ方向の凹みとして形成された複数の水路を包含し、かつ該水路網が水の移動に関し上流側に水を流入させる流入口及び下流側に水を流出させる流出口を有し、包含水路の連携接続によって流入口から流出口に到る水の流路を構成した電極体。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記水路網が同一方向に並設された複数個の水路を包含し、少なくとも1個の水路が作用面の上流側端で外方に開いた流入口を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項3】
前記水路網が同一方向に並設された複数個の水路を包含し、少なくとも1個の水路が作用面の下流側端で外方に開いた流出口を有する、請求項1又は2に記載の電極体。
【請求項4】
前記水路網が基板の上流側から下流側に向って延設された線状の第一水路を複数個包含し、かつ少なくとも隣接する一対の水路が、厚さ方向の凹みとして形成され両水路に到達する第二の水路によって接続されて流路を構成している、請求項1に記載の電極体。
【請求項5】
前記基板が四辺形状であり第一の水路の隣接する一対が少なくとも部分的に互いに平行に延設されている、請求項1又は4に記載の電極体。
【請求項6】
前記基板が環形であり第一の水路が中央穴から放射状に複数個延設されている、請求項1又は4に記載の電極体。
【請求項7】
前記第二の水路が環形の中心に関する円周上に延設され、複数の第一の水路に到達し接続されて流路を構成している、請求項6に記載の電極体。
【請求項8】
前記基板が基板の全厚みを貫通する複数個の貫通穴を有し、かつ該貫通穴の1個以上が前記水路に接続されて水路網の一部を構成する、請求項1に記載の電極体。
【請求項9】
前記基板が基板の全厚みを貫通する複数個の貫通穴を有し、隣接する貫通穴相互間、さらに貫通穴と流入端及び流出端を水路で接続して流路を構成した、請求項1に記載の電極体。
【請求項10】
前記基板及び作用面の平面形状が四乃至多角形である、請求項1に記載の電極体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電解装置用の高効率電極体、特にSPE(固体高分子電解質)膜を用いるオゾン水生成のための密着(ゼロギャップ:zero-gap)型水電解装置用の電極体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
オゾンガスの水溶液であるオゾン水は、高い殺菌効果を持ちながら、触れても肌荒れせず目や口に入っても問題にならない等、人体への影響が低いため、世界中の医療機関や食品工場、保育園など、様々な施設で殺菌や感染症対策に使用されている。
【0003】
オゾンガスは水の電解セルでの陽極反応によって容易に生成することが出来る。
3H
2
O → O
3
+ 6H
+
+ 6e
-
2H
2
O → O
2
+ 4H
+
+ 4e
-

2
+ H
2
O → O
3
+ 2H
+
+ 2e
-
この電解反応における電流効率の最適化、オゾン生成効率の向上、そして電極寿命の向上を目指して様々な電極材や電解セルの構成、手法が開発されている。
【0004】
上記の反応を促進する触媒電極材としては、ボロン(ホウ素) を含有させて導電性を付与したダイヤモンド(ボロンドープダイヤモンド、BDD)が化学的安定性及び寸法安定性に優れることから好まれ、電気分解されにくい耐食性金属製の基板上に膜状に被覆、或いは粒子を固着して陽極材として多用されている。
【0005】
例えばBDDを化学気相成長(CVD)法によるチタン製の板や網上へ被覆、或いはBDD粒子をチタン網間に固着した電極体の構造例が知られているが、取り扱いの容易さ、オゾン発生の確実さから、複数個の穴をあけた平板状の金属に気相成長(CVD)法によってBDDの薄膜を形成するのがより一般的である。(非特許文献1、2)
【0006】
一方電解セルとして陽極と陰極とをナフィオン(商品名)等のSPE膜を挟んで密着(zero-gap)対向させ、水中に浸漬して電位を印加する方法(特許文献1)も開発されている。このセル構造は反応スペースが狭いので物質の拡散長が短く、反応が速く進む利点がある。即ち電極表面近傍には水電解で生成するオゾン、過酸化水素、及び各種の水電解中間生成物(イオン、ラジカル類)が存在することからアノード酸化が効率よく進み、例えば廃水浄化の際に水中の汚染物質と酸化剤との反応が速やかに進行して高い浄化効率を達成できることが知られている。
【0007】
オゾンを発生する電極反応は、電極の水に接する部分、特にBDDとSPE膜との境界付近で進行し、ここに気・液・固相の三相界面が形成される。電極板に複数の小穴を形成し、水を侵入乃至流通させて接触領域の拡大を図ることもある。BDD被覆Ti板陽極とSPE膜とを密着させて構成した電解装置を用いたオゾン生成反応において、高電流効率を達成したとの報告もある。(非特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
再表2020/171238号公報 (特許7010529号公報)
【非特許文献】
【0009】
K. Arihara, et al. ElectroChem. Solid-State Lett., 9, D17 (2006)
R&D神戸製鋼技報60 (1)Apr. 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
BDD触媒電極およびSPE膜を用いるゼロギャップ型電解装置を用いるオゾン等の電解生成においては、ダイヤモンド電極とSPE膜とが水に接触する領域の最大化を図ることが、電流効率等の操作条件を最適化するうえで重要な要因であるが、従来の電極構成においては十分に達成されているとは言い難く、改良の余地がある。
(【0011】以降は省略されています)

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