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公開番号2024136780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023048019
出願日2023-03-24
発明の名称有機液肥の製造装置及び有機液肥の製造方法
出願人NEW SPACE株式会社
代理人個人,弁理士法人平和国際特許事務所
主分類C05F 11/06 20060101AFI20240927BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】 有機物の分解効率を向上させ、比較的短時間で有機液肥を生産することを可能にした有機液肥の製造装置を提供する。
【解決手段】 有機物を含む処理液Sを処理液S中の有機物を分解する微生物を含む分解資材Bとともに収容する処理槽1を備え、処理槽1内に、処理液Sを加温または冷却するヒートパイプPを設け、ヒートパイプPを、熱交換媒体を密封した金属製の外管と、外管内に設けられ熱源流体の熱によって外管内の熱交換媒体を気化もしくは液化させる内管とを備えて構成し、処理槽1内の処理液の温度を検知する温度センサ60を設け、この温度センサ60が検知した処理液Sの温度に基づいて処理液Sが所定温度範囲の温度になるようにヒートパイプPを制御する制御部を備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機物を含む処理液を該処理液中の有機物を分解する微生物を含む分解資材とともに収容する処理槽を備え、該処理槽内で微生物により処理液中の有機物を分解して有機液肥を製造する有機液肥の製造装置において、
上記処理槽内に、上記処理液を加温または冷却するヒートパイプを設け、該ヒートパイプを、気化もしくは液化させられる熱交換媒体を密封した金属製の外管と、該外管内に設けられるとともに熱源流体が供給され該熱源流体の熱によって上記熱交換媒体を気化もしくは液化させる内管とを備えて構成し、
上記処理槽内の処理液の温度を検知する温度センサを設け、該温度センサが検知した処理液の温度に基づいて該処理液が所定温度範囲の温度になるように上記ヒートパイプを制御する制御部を備えたことを特徴とする有機液肥の製造装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
上記処理槽内の処理液を循環させる循環手段と、該処理槽内の処理液に空気を溶存させるエアレーション手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の有機液肥の製造装置。
【請求項3】
上記ヒートパイプの外管を、アルミニウムで形成し、該外管から、少なくとも、400nm~850nmの波長の電磁放射線を放出する構成としたことを特徴とする請求項2記載の有機液肥の製造装置。
【請求項4】
上記ヒートパイプを、その外径Dを、D=40mm~60mmに設定し、長さLを、L=500mm~6000mmに設定し、複数のヒートパイプを上記処理槽の底面側に列設したことを特徴とする請求項3記載の有機液肥の製造装置。
【請求項5】
上記ヒートパイプの内管に接続され上記処理液の温度が予め設定した上限温度以上になるような温度の熱源流体としての温水を供給する温水供給部と、上記ヒートパイプの内管に接続され上記処理液の温度が予め設定した下限温度以下になるような温度の熱源流体としての冷水を供給する冷水供給部とを備え、
上記制御部は、上記温水供給部及び上記冷水供給部の何れかを作動させる為の始動指令を送出する始動指令送出手段と、該始動指令送出手段から始動指令があったとき該当する上記温水供給部及び上記冷水供給部の何れかを作動させる作動手段とを備え、上記作動手段は、上記温水供給部の作動後に上記温度センサが検知した処理液の温度が上記予め設定した上限温度になったとき上記温水供給部の作動を停止し且つ上記冷水供給部を作動させる一方、上記冷水供給部の作動後に上記温度センサが検知した処理液の温度が上記予め設定した下限温度になったとき上記温水供給部を作動させ且つ上記冷水供給部の作動を停止する作動切換手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の有機液肥の製造装置。
【請求項6】
上記始動指令送出手段は、上記温度センサが検知した処理液の温度が上記予め設定した上限温度未満のときは上記温水供給部を作動させる始動指令を上記作動手段に送出し、上記温度センサが検知した処理液の温度が上記予め設定した上限温度以上のときは上記冷水供給部を作動させる始動指令を上記作動手段に送出することを特徴とする請求項5記載の有機液肥の製造装置。
【請求項7】
上記請求項5記載の有機液肥の製造装置を用いて有機液肥を製造する有機液肥の製造方法であって、
上記処理液を、魚を原料として予め作成された第1原料液肥と、植物を原料とし糖を含有した第2原料液肥とを含んで構成し、該処理液にアンモニア化成菌を含んだ分解資材を混合し、上記温水供給部及び冷水供給部を所要時間作動させ、上記処理液をアンモニア態窒素を主とする有機液肥として取出し可能にしたことを特徴とする有機液肥の製造方法。
【請求項8】
上記処理液をアンモニア態窒素を主とする有機液肥として取出し可能にした後、上記処理液に硝化菌を含んだ別の分解資材を混合し、それから、上記温水供給部及び冷水供給部を所要時間作動させ、上記処理液を硝酸態窒素を主とする有機液肥にすることを特徴とする請求項7記載の有機液肥の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物を含む処理液を微生物により分解して有機液肥を製造する有機液肥の製造装置及びこの製造装置を用いて有機液肥を製造する有機液肥の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の有機液肥の製造装置としては、例えば、特許第6747731号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。図8に示すように、この有機液肥の製造装置Kaは、有機物肥料101を含む処理液100を、処理液100中の有機物を分解する微生物を含む分解資材102とともに収容する処理槽103を備え、この処理槽103内で、処理液100を図示外のヒータで加温するとともに、バブリング部104で曝気を行い、微生物により処理液100中の有機物を分解して有機液肥を製造するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6747731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の有機液肥の製造装置Kaにあっては、処理液100をヒータで加温するとともに、バブリング部104で曝気を行って、微生物による有機物の分解を円滑に行わせようとしてはいるが、必ずしも分解効率が良いとは言えず、処理時間を多く要するとともに、大量生産を行いにくいという問題があった。
【0005】
本発明はこの問題点に鑑みて為されたもので、有機物の分解効率を向上させ、比較的短時間で有機液肥を生産することを可能にした有機液肥の製造装置を提供することを目的とする。また、この有機液肥の製造装置を用いた有機液肥の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明の有機液肥の製造装置は、有機物を含む処理液を該処理液中の有機物を分解する微生物を含む分解資材とともに収容する処理槽を備え、該処理槽内で微生物により処理液中の有機物を分解して有機液肥を製造する有機液肥の製造装置において、
上記処理槽内に、上記処理液を加温または冷却するヒートパイプを設け、該ヒートパイプを、気化もしくは液化させられる熱交換媒体を密封した金属製の外管と、該外管内に設けられるとともに熱源流体が供給され該熱源流体の熱によって上記熱交換媒体を気化もしくは液化させる内管とを備えて構成し、
上記処理槽内の処理液の温度を検知する温度センサを設け、該温度センサが検知した処理液の温度に基づいて該処理液が所定温度範囲の温度になるように上記ヒートパイプを制御する制御部を備えた構成としている。
【0007】
これにより、有機液肥を製造するときは、処理槽に、有機物を含む処理液を分解資材とともに収容する。処理液としては、例えば、魚粉,油粕,魚煮汁,オカラ,コーンスティープリカー等の食品副産物、食品廃棄物、家畜の排せつ物、動物魚介類の廃棄物、堆肥等各種有機物を処理して生成される固形物若しくは液状物を用いて作成することができる。固形物の場合には水に溶融して処理液とする。液状物は適宜水で希釈して処理液としてよい。また、分解資材は、例えば、有機物からアンモニウムイオンまで変換する好気性のアンモニア化成菌やアンモニウムイオンを硝酸イオンに変換する好気性の硝化菌等を含む適宜のものを用いることができる。尚、処理液には分解資材の他にCa、Mg、Fe等の微量成分を別途加えても良い。
【0008】
そして、処理槽に処理液及び分解資材を収容した状態で、ヒートパイプによる加温若しくは冷却を行う。この際には、温度センサが処理槽内の処理液の温度を検知しており、制御部は、温度センサが検知した処理液の温度に基づいて処理液が所定温度範囲の温度になるようにヒートパイプの温度を制御する。ヒートパイプにより処理液の加温を行なうときは、加温した熱源流体をヒートパイプの内管に供給する。ヒートパイプにおいては、熱交換媒体が気化し、ヒートパイプの外管から放熱が行われ、処理液の加温が行われる。一方、処理液の冷却を行うときは、冷却した熱源流体をヒートパイプの内管に供給する。ヒートパイプにおいては、熱交換媒体が凝縮し、ヒートパイプの外管から吸熱が行われ、処理液の冷却が行われる。
【0009】
この場合、処理液が所定温度範囲の温度になるので、微生物の分解機能を最適な状態に維持することができ、それだけ、安定した有機物の分解を行なうことができる。特に、処理液の加温の際には、ヒートパイプの外管から電磁波が放出され、これが微生物や溶融した化合物に作用することから、より一層有機物の分解効率を向上させることができ、比較的短時間で有機液肥を生産することができるようになる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記処理槽内の処理液を循環させる循環手段と、該処理槽内の処理液に空気を溶存させるエアレーション手段とを設けた構成としている。処理液は処理槽を循環させられるとともに、エアレーション手段により撹拌されてエアが溶存されるので、微生物の機能が活性化し、より一層有機物の分解効率を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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